永遠の鍵

佐野川ゆず

文字の大きさ
3 / 10
それはいつものようにここにあった

しおりを挟む

「思っていた通りだ」
「え??どういう事ですか??」
「それはお嬢ちゃんのものだよ」
「まったく意味がわからないんですけれど…」
「まぁ。そのうち解るさ」


お婆さんはまた優しく笑うと、その髪留めを私の髪の毛に付けてくれる。少しだけ編みこんでそこに髪留めを付ける。


「あら、とても良く似合う。栗色の髪の毛に綺麗に引き立つねぇ…」
「そうですか??ありがとうございます」


私はそう言いながら自分の鞄から手鏡を取り出して自分の姿を確認した。確かに可愛い。自分が可愛いとかそういった事じゃなく、髪留め…が…だ。


「まぁ、なんにしろ良かったよ。持ち主が見つかって」
「はぁ…」
「お嬢ちゃん。これからもしかして何か起こるかもしれないけれど、その髪留めが必ず護ってくれるからね。そして鍵は必ず肌身離さず付けておきなさいよ。危なくなったらその鍵を使うんだよ」
「は…はい…」


私は訳もわからないままそう頷くと、お婆さんをもう一度みた。するとお婆さんは私が手にしていた鍵をいつの間にか持っていて、緑の石が下がっている鎖に鍵を通してくれると、私に渡してくれた。


「はい。どうぞ。持って行きなさい」


代金の事とか色々と気になる事はあったけれど、本当にこのお婆さんは善意でやってくれているようだ。これ以上お金がどうとかそういった話がしたくない。そう思った私はそのままお礼を言ってその商品を受け取ると、「また来ます…っていっても今日で閉店なんですよね??」と問いかけた。するとお婆さんは笑い、「必要であればまたどこかで会えるかもねぇ…」と言った。私はコクリと頷くと、お店を後にした。



入って来た時のようにノブに手を掛けてゆっくりと回す。カチャリと音がし、扉を押すとギギギと乾いた音がした。そしてお店を出る。お店は入って来た時と変わらずその場所に佇んでいる。まるで周りの時間が止まっているかのようだ。私はもう一度お店の外観を確認すると暗い路地を通っていつもの通学路へと出た。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした

セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。 牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。 裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。

処理中です...