暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~

暇人太一

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第四章 神聖リュミリット教国

第九十六話 建国

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「はっ? 何を言っている!」

 鳩が豆鉄砲を食ったようとは、まさにこのことだろうと思わせる表情をする二人。さらに、突然の俺の提案に困惑する魔導師。阿呆皇帝は震えながらも、全力で首を横に振っていた。

「まぁまぁ、落ち着いてくれ!」

「これが落ち着いていられるか! 帝国がなくなるかもしれないというのに……!」

 興奮する魔導師をなだめるが、聞く耳を持ってくれない。そこで、先に話を進めて納得させることにした。

「誤解しないでくれ。全部をくれとは言っていない。というかいらない。土地をもらうということは、そこに住んでいる人間ももらうということだ。つまり、土地をもらうとやる気のない怠け者が、もれなくついてきてしまうということだ。そんな寄生虫のような者の世話をする気はない!」

「さっきから聞いていれば、怠け者だったり寄生虫だったり、失礼ではないか! 家畜だなんだと言っていた貴様の方が、国民を馬鹿にしているではないか!」

 真っ当なことを言っているように聞こえるだろうが、略奪を是として国の恩恵を享受している者を、寄生虫と言って何が悪い。というのが、俺の考えであった。馬鹿にしているとかいう次元で会話をしていない。いてもいなくてもどうでもいい存在である。

 だが今回の提案は、帝国の中にも真面な人間がおり、その者達を助けるための提案である。アトラクションや屍食鬼グールのスペシャルダンスが、衝撃的すぎて忘れてしまったかもしれないが、戦場に来る前に行った場所があることを思い出して欲しい。

 そう、ゴエモンとの出会いの場所であり、ゴエモンとの思い出の場所だ。ゴエモンのことを思い出した俺は、ゴエモンに会いたくなった。そのゴエモンとの聖地である村の人間達は、スゴく真面だった。先走りしそうな感じはあったが、帝国の行動を経験した後ならば、あの警戒は必然的なものだったことは理解出来る。

 そこで聖地保護計画を、ついでに思いついたわけだ。まず帝国と教国の土地関係と、国境の説明を簡単にしよう。教国が国境を設け、他国と接している場所は北の帝国だけである。

 教国の国境はへの字のような形をしており、西は山脈東は森と山脈がある以外は、周囲を海に囲まれている国である。外敵は帝国くらいのもので、普通に生活していれば魔物を相手に出来れば、平和に豊かに暮らせる好立地である。

 そして今回欲しい土地は、への字の頂点から左側である西側の土地である。その土地をもらえれば、西側の山脈の北端から東の山脈まで、緩やかな逆ノの字を描く国境となり、国土は帝国に迫る大きさになるだろう。ついでに、魔境並みの魔素濃度が高い森と、山脈の資源を獲ることが出来ることこそ、最大の魅力であった。

「そ、そんなこと許すはずがないだろ! それに、統治はどうする? 貴様がするのか? 貴様が統治したら、悪魔の独裁国家にしかならんだろ!」

 怒る魔導師の言葉に、笑いを堪えるテイマーズ。変身魔道具をしようしていても、【神魔眼】の前では無意味なのだ。下を向き、必死に笑いを堪えるボム達の姿が、はっきりと確認出来ていた。

「……。失礼なヤツだな。我が統治するわけではない。我が認めた者に統治してもらう。許可をしてくれなければ、無理矢理にでも許可をしてもらう。貴様らがやってきたことと同じだな。だが、安心して欲しい。我は新しく手に入れた土地にいる者に、残るかどうか確認を取る。帝国に行きたいという者は、建物や畑ごと転送しよう。だが、国民が帝国に行きたくないと言った場合は、残念だが諦めてくれ!」

 俺は魔法紙で出来た契約書を出し、二人に署名させた。彼らは快く記入してくれたのだった。

「言い忘れていた。国土を取り戻したければ、戦争をすればいいと思うぞ。我は参戦しないことを約束する。契約書に書いてもいいぞ!」

「どういうつもりだ?」

「どういうつもりも何も、教国に負けるような弱い国に簡単に負けるような者達ではないと、判断しての発言だと思ってくれ!」

 訝しげに質問した魔導師だったが、大陸随一の戦力を有する帝国に勝る者達の存在に驚愕した。

「なっ! その者達は貴様が思う中で最強だというのか? 帝国の者達こそが最強だぞ? その最強の戦力を有する帝国に勝てる者など、竜王国の者達以外はおるまい! もしや……?」

「竜王国の者ではない。これから連れて来るから待っていてくれ。そして確認後、帰宅してもらう。そのあとは、世界に建国の宣言をするから証人になってくれよ!」

「建国? 教国は?」

 当然の疑問をぶつけてきた魔導師だったが、それに対する質問も当然の答えである。

「ああ。教国は本日をもって消滅する。そして、新たに国を興すことになる。良かったな! 歴史的瞬間に立ち会えるぞ!」

「「な、何ぃぃぃぃぃぃー!」」

 彼らの絶叫を背に受け、俺は転移するのだった。





「やぁ。久しぶり!」

「これはこれは、救世主様。お久しぶりです!」

 俺は今【オーク王国・オークランド】に来ていた。俺が知っている者では最強の者で、統治者として相応しい者である。

「今日来たのは、報告があったからなんだ。オークランドは、ドライディオス王国内のダンジョンにあるから、国と名乗れないだろ? せっかく技術力も上がってきたのだから、そろそろ本格的に世界に発信しようと思ってな!」

「しかし、土地はどうすれば?」

 俺の提案に是非もなく返事をしたいが、土地問題があることで色よい返事が出来ないでいた。

「それについては考えがあるんだ。そのお試しと、以前お願いした魔術のお試しで、何人か一緒に来てくれない? 国の引っ越しは用事が済んだ後、首都予定地に到着次第、このダンジョンごと転移するから通達しておいてほしい。どうかな?」

「はっ! 私と腕利き数名を用意させます。少々お待ちください!」

「ありがとう!」

 オークキングが秘書官に指示を出し、慌ただしく行動し始めた。その後、数分も待たずして現れるオークキングとオークメイジ四人。

「かなり強そうだ。楽しみだな。それじゃあ行こうか♪」

 ――時空魔術《転移》――

 俺とオーク達は、聖戦跡地に戻ってきた。なんとなく理解していたボム達はともかく、阿呆皇帝と魔導師は突然目の前にオークが現れたことに、驚き震えていた。

 魔導師ほど強ければ、オークなど屁でもないだろうが、彼らの魔力の量と質は、そこらのオークとは比べものにならなかった。そこから彼らの実力を予想し、阿呆皇帝を守りながらでは勝てないことを悟ってしまっていたのだ。

「彼らがこの国の新しい統治者だ。今回は代表の五人を連れてきたぞ。彼らには今から実験をしてもらうからな。よく見ていて欲しい。きっと魔法ギルドに申請したくなるほどの成果だぞ!」

「私達をどうするつもりだ!」

 震える体に鞭を打ち、必死の抵抗を見せる魔導師だが、彼は勘違いをしている。俺は彼らには何もしない。すでに領土をもらうという、手痛いお仕置きをしているのだ。これ以上は、酷というものだろう。

「安心しろ。実験の被験者は彼女達だ!」

 阿呆皇帝も魔導師も忘れていたのだろう。檻の中に入れられている聖女と美人の聖騎士達を。しかも、全員裸である。眼福だと思ってくれれば御の字だ。

「目の前に裸の美人がいるのに、目に入らないほど緊張していたのか? 神聖を謳っていた者達の裸だぞ? 人によっては、天使だと思うかもしれないな。我は悪魔だと思っているがな!」

「じゃあ、仲間じゃん……」

 ボソッと呟かれるツッコミが聞こえてきた。またアイツなのか? あのお馬鹿さんなのか?

「何か聞こえた気がするんだが……気のせいかな?」

「その裸の者達をどうするのだ? 首輪でもつけるのか?」

 俺の疑問を余所に魔導師が話を進めていく。とりあえず、実験を進めることにしよう。

「首輪は嫌な感じがするから、犯罪奴隷や阿呆の更生にだけ使うかな。コイツらには相応しい罰がある。勝手に主神の変更をしたのは、百歩譲って許されることだと思う。それぞれ信仰する神は自由であるのがいいと思うしな。人に強制されて信仰することほど、無意味で無価値なものはないだろう。だが、人に強要することを是として、そのための戦争を起こして他人を巻き込むことは、許容出来ないことだ。神の代わりとか偉そうなことは言わない。巻き込まれた当人として、罰を下すことにする。
 まず一つ目は、神聖と謳っている者達にとっては屈辱的である罰だ。それは教国が消滅し、同じ場所に魔物王国が出来ること。いつも魔物は不浄な存在だと蔑んでいたからな。だから、教国には獣王国とは違った意味でテイマーが少ない。二つ目は、散々奴隷を使って来たのだから、全員奴隷落ちしてもらうこと。しかも、新技術で。さぁ、やってくれ!」

「はっ! 畏まりました。私から行かせてもらいます。契約魔術《従魔契約》」

 オークキングが放った魔法陣が聖女を包み発光すると、聖女が教国の消滅と魔物王国の建国を知り、茫然自失だったこともあり契約は結ばれた。魔法陣は首に移動して、鎖で出来た首輪のように首に刻まれていた。

 効果は隷属の首輪と同じような物だが、あくまでも従魔である。奴隷にはめられている隷属の首輪は、はめてしまえば強制的に奴隷にすることができ、売買することで金さえあれば誰にでも手に入れることが出来る。それ故、違法奴隷の問題があるのだが、隷属の首輪の利点と言えるだろう。

 そして今回の魔術は、テイムスキルを魔物でも使えるようになればと思い、俺が術式を構成して作成した魔術だ。召喚魔術と闇黒魔術の複合魔術で、召喚魔術は無限魔術の派生魔術だ。短期間じゃ難しいと思っていたが、完全に修得していたことに俺も驚いた。

 このテイムスキルと同様の魔術の一番の利点は、強制的ではないことである。テイムや召喚獣の契約では、相手の許可や相性が必要であることは、すでに周知の事実である。つまり、この魔術で契約したということは、実力で屈服させられ、自分から望んで従魔になる契約をしたということになる。

 プライドの塊である狂信者共にとっては、最悪の罰になること間違いなしだ。相手が竜や神獣ならば、まだ良かっただろう。だが、相手は女性の敵代表のオーク。それも祖国を乗っ取った怨敵。

 ちなみに、俺の従魔は全員裸一貫だから、このオークの従魔達も裸で十分だと思っているが、オーク達はどうするのだろうか?

 オークキングに続き、オークメイジ達も次々と従魔契約をしていく。だが、聖騎士団団長のミーティアが、屈服されずに抵抗を続けていた。

「さすが、ミーティア様だな。頑張るじゃないか。キングが無理だったら、我がやってもいいな♪ 毎晩……何でもないです!」

 毎晩楽しもうかなっていう冗談を言おうとした俺の肩に、力強い大魔王様の手が置かれた。これ以上言うと、聖女達の罰を終わらせる前に俺の人生が終わる。

「私にお任せ下さい。必ず屈服させましょう!」

「期待しているぞ!」

 先ほどとは打って変わって、魔力を解放して圧力を加えていくオークキング。本来、オークキングのランクはB。だが、オークランドの国王であるキングは、ランクSを超えていた。その強さは色竜カラードドラゴンの成竜ならば、単独で倒せる実力であった。

 そのような強さを持つ者の圧力に対して、何も出来るはずもなく屈服させられてしまった。そして、無事に実験は終了するのだった。

「お疲れ様。強くなったな!」

「はっ! 光栄です。これも貴方様のおかげでございます!」

 オークキングは、胸に手を当て最敬礼した。その光景を目にして、驚愕し固まる阿呆皇帝と魔導師。新魔術だけでも度肝を抜かれたのに、魔物を救う人族……それも勇者と自称している者の存在に、恐怖を抱くのは当然の帰結であった。

「貴様、正真正銘の魔王か?」

「大正解ー♪」

 魔導師の失礼な発言に、またもボソッと呟かれるツッコミが聞こえてきた。犯人はアイツだよな?

「もちろん、魔王国の魔王という意味ではなく、魔物の王かという質問だ!」

 ツッコミの犯人が気になる俺に、続けて話し掛ける魔導師。俺が否定しようとしたとき、予想だにしていないところから、否定の発言が飛び出した。

「それは違う。こちらの方は、魔王ではない! 魔王はすでにいるではないか!」

 オークキングの発言に「確かに……!」と、呟きながら納得している魔導師。オークキングは魔物の王なら希少種であれば、そこそこいると思って否定しているようだ。しかし魔導師の想像している魔王は、おそらく目の前のオークキングのことだろう。だがそんなことよりも、やっと俺にも味方が……。

「ありがとな。じゃあ、従魔も一緒に一度転送するから、引っ越しの準備しといてくれよ!」

「はっ! 畏まりました!」

 ――時空魔術《転送》――

 オーク達を戻し、あとは阿呆皇帝達だけなのだが、いいものを見せてあげることにした。ちょうど国境が目の前にあるのだ。ちょうどいいだろう。

「それじゃあ、最後にいいものを見せようじゃないか。ここまで付き合ってくれた褒美だ!」

 だが、その前にやることがある。空飛ぶローブで上空から村や町の数を確認すると、ゴエモンとの聖地を含め三つの村しかなかった。まずはゴエモン村に行き、ラースの姿で事情説明をした。すると、帝国は嫌だと言ったため、オークランドの住民となった。

 ゴエモン村の代表とともに他の村へと説明に行くと、全員一致でオークランドがいいと言った。帝国の嫌われ具合が、自業自得であったとしても不憫に感じてしまった。

 その後ボム達の下に戻り、ボムに手伝いをお願いした。大地魔術を使いこなしているのは、ボムくらいだったからだ。手伝いのお願いに嬉しそうに了承するボムを連れ、国境線を上空から確認する。

「よし。始めよう!」


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