暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~

暇人太一

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第五章 生命の試練と創造神解放

第百十七話 真の賢王

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 その後、時間が深夜だということもあって寝ることになった。ただ忘れないうちに、俺が破壊し尽くした階層の提案をしておいた。スライダー風迷路と飛行可能な魔物のセットや、熱湯風呂とヌルヌル系魔物のセットに、ロッククライミングとドラゴンのセットなどだ。聖獣にロッククライミングができるか分からないが、最悪バンジージャンプをすれば降りることは可能だろう。



『起きて……。起きて兄ちゃん!』

 翌朝、俺を起こしたのはいつもの巨デブの熊さんではなく、可愛い子竜のカルラだった。滅多にない出来事に驚き、そのおかげかすぐに目が覚めた。

「どうしたんだ?」

『お腹空いたの。みんな起きて待ってるの』

「ボムは?」

 全員が起床しているのなら、なおさらボムが起こしに来そうなものだが、目が届く範囲にはいなかったのだ。

『父ちゃん? 父ちゃんはね、あそこにいるのー。モフモフされているの』

 カルラが指差す方向を見ると、熊さん座りをするボムが女神様たちに囲まれモフモフされていた。それもソモルンを抱きながら。本人は困ると言っているが、話を聞いている限り、ソモルンの夢を叶えているからか拒絶できないようだ。

 ちなみに、ソモルンの夢は『自分の親友を家族に紹介すること』らしい。この場合の家族というのは、創造神様含む神々のことみたいだ。二人ほどいないが、一番大好きな創造神様を閉じ込めたことを根に持っているようだ。

 そして、今もボムのことを説明したり自慢したりしているため、ボムは大人しくモフられているのだ。ボムもソモルンのことが大好きな親友だと思っているから、願いを叶えることは当然ということのようだ。

 しばらく様子を見ていると、空腹の限界になったのか全員で食事をすることをボムが提案していた。神々も賛成して朝食にする。普段からお供え物を食べている六柱の神々は普通に食べているが、創造神様と土神様が狂喜乱舞していた。

 この計画を作戦から実行まで行った火神様は、創造神様に誉められていた。土神様は加護をあげるから、お供え物をしてくれと言ってきた。お供え物は加護をもらわなくてもできるのだが、メール――特に添付の機能は、加護を通して行っていると火神様が言ったため、加護との交換を提案してきたのだ。

 しかし、土神様の提案に待ったがかかる。土神様がお供え物組合に加入してしまうと、風神様を除くと創造神様だけが未加入になってしまう。だが、創造神様の加護は簡単にはあげられない。仲間はずれが嫌な創造神様が駄々をこねたのだ。

 当然だが、救済方法はある。教えるかどうか迷っているだけだ。どうしようかと思っていると、仲間はずれの辛さを知っているソモルンが悲しそうにしており、巨デブの熊さんがそのソモルンを掲げるようにして俺に見せてきた。

 あの巨デブの熊さんは悟りでも開いているのか、何でも見通されているようだ。

「あの……一つ確認したいのですが、風神様はどうされるのですか?」

 一応謹慎処分を受けているが、ぶっちゃけ何もしていなければされてもいない。それに、フェンリルの上司なのだ。だからか、風神様を仲間はずれにしたくなかった。謹慎処分中のレポートの内容によって、お供え物の量を決めるとか救済方法があってもいいと思ったのだ。

「あらあら、優しいのね。そうね……ラニブスはレポートや手伝いによって、適正な量を許可するわ。特にお酒ね。食べ物に関しては、もらった分を食べる分には構わないわよ。全員平等にもらっているらしいしね。どうかしら?」

「ありがとうございます!」

 創造神様と俺にお礼を言う風神様は、すでに無関心だったことを後悔し始めていたようだから、救済方法を提案してもいいと思ったのだ。

「それでは本題の創造神様へのお供え物に関しては、子機を使う方法とバムに入れておく方法の二種類があります。それに、しばらくは生命神の代行をするのなら、生命神の加護を使う方法もあるでは?」

「それよー! リイヴィスの加護を使いましょう。ラニブスは謹慎処分で剥奪じゃないから、加護の権限に変化はないから安心なさい!」

 全員が組合に加入できたことで、一応は解散することになったのだが、女神様たちが名残惜しいのかボムから離れない。一時は魔神様が自身の神獣がいないことをいいことに、ボムを神獣にして連れて帰ろうとしていたのだ。

 これに過敏に反応した者は言うまでもなく、同じく神獣なしである創造神様である。それに対する魔神様の意見は、管理神三体と星霊兄弟がいるのだからボムをくれとのことだった。

 だが、ボムは神獣になるときは、遊び終わった後の方がいいとフェンリルに教えてもらっていたため、感謝しながらも断っていた。でも誘ってもらえたことが嬉しかったのか、フルサイズボムの姿に戻りサービスしていた。

「では、またお会いしましょう!」

 フルサイズボムの姿でお辞儀するボムは、とても可愛くソモルンたちに抱きつかれていた。

「ま、またね……。いつも見ているからね!」

 まるで今生の別れかのように涙を浮かべ去って行く女神様たちだが、創造神様だけは残っている。理由は簡単だ。オークの国に精霊樹の種を植えていないのだ。実の選別はすでに終えているため、あとは植えるだけである。そこで、行ったり来たりが面倒だからと言って残っているということだ。

 ちなみに、モフモフ軍団は朝食後に魔神様の転移で先に帰っていった。精霊樹の植樹場所を決めるかららしい。だから残っている者は、おデブカーバンクルとユグドラン親子だけである。

「それじゃあ、転移する前にラース君はダンジョンコアを返して」

「あっ! 忘れてた。でも、もらってもいいんですよね?」

「神力が詰まっていないコアは、不安定だから危ないのよ。彼らに吸い取られていたから、ほとんどないと思うわよ。ボムちゃんも滅多打ちにしてたでしょ? あの盾と剣は神力を吸い取って、母体に転送する仕組みだったのよ。何をするつもりかは、あとでセルちゃんに聞きましょう」

 危険と言われてしまえば、返すことに否はない。【無限収納庫】から取り出して返却する。

「ありがとう」

 すると、コアに手を当てる創造神様。そのせいか、コアから一つの球体が雫のように飛び散り、床に転がり落ちた。創造神様はそれを拾うと、俺に手渡したのだ。

「本当はダンジョンマスターが試練達成者に渡すのよ。今回みたいに全員が試練達成した場合は、大きめの物を一つだけね。未達成者が使用すると呪いがかかるけど、達成者は大きさによって願いが叶うわよ。【コアの雫】って言うのよ。それじゃあ、オークの国に行きましょう!」

 お礼を言った後、創造神様は微笑みながら両手を叩く。直後、俺たちはオークの国にいた。

 オークの国は様変わりしていた。どう変わっているかと言うと、穴だらけになっているのだ。

「救世主様! おかえりなさいませ! 生命のダンジョンに行ったと聞いていたのですが、お止めになったのですか?」

 自ら土木作業を行うキングが話し掛けてきた。出発してから五日で帰ってきたら、途中で止めたと思われても仕方がないだろう。俺は指輪にした攻略の印をオークに見せた。

「な、なんと! こんな短期間での攻略とは……さすがは救世主様御一行です!」

 オークが納得してくれたところで、再び指輪に戻して左手の薬指につける。

「ありがとな。それよりも、この穴はどうしたんだ?」

「この穴は上下水道の工事です。まだ家を建てていませんが、区画整理の計画の一つですね。綺麗な街並みを目指しています。入り組んでいる街並みも、風情があっていいという意見が出たのですが、魔物が作るから汚くなると言われたくないのです。救世主様の名に泥を塗る行為は許容できませんので。ということで、王都では綺麗な街並みを採用しました。それと、事後報告になってしまいますが、隣国と同盟を結ぶことなりました。お互いに技術交流を行っています!」

 人間の国の王よりも優秀だと思ってしまうのは、身内だという色眼鏡で見ているからだろうか。自身が魔物であることで生じる問題を、可能性のうちから潰そうという思考を魔物のオークが持っているのだ。創造神様も驚き固まっていた。

 それにこの世界には生活魔法という便利な物があるせいか、上下水道というものは存在していない。壷型便器で用を足した後、生活魔法で綺麗にするのだ。だから、必要かと聞かれれば必要ないと言えるが、彼らは鍛冶仕事のときに水が必要で鍛冶魔術に魔力を割きたいから、魔力を使わなくても済むようにしたいと考えたそうだ。

 魔力量が少ないオークが魔力の節約を考えることは当然だが、発想と行動力には驚かされる。こんな優秀なオークがいることは奇跡と言えるだろう。

「同盟や国同士のことはキングたちの自由だから、許可も報告も必要ないよ。必要な物や助けが欲しいときに連絡してくれればいいから。だから、キングには子機を渡しておくね。基本的に、俺たちには不要な物を入れておくから好きに使って」

 この子機に入れる不要な物の筆頭は、当然蛇である。でも、俺たちが嫌いなだけで高ランクの蛇は高級食材であり、高級素材でもあるのだ。故に、オークたちにはいつも感謝されていた。

 現在入れてあるのは、ワイバーンの群れのほとんどと密林の大蛇に、精霊樹階層の獣ゾーンの毛皮以外だ。ストレージいっぱいに入れておいた。だが、質よりも数を選んだせいで三つ子はまだ手元にある。

「国宝にします!」

「あっ! 国宝で思い出した。国宝に相応しい装備を身につけてこそ国王らしいと思って、ダンジョンで見つけた宝から武器や鎧を贈ろうって話になったんだ。あとで見繕って子機に入れておくからな!」

「いえ! この子機というもので十分です!」

 ボムたちにも許可は得ているし、セルもモフモフ天国にもあげるならってことで、不要な物の中から渡すことになった。不要な物の多くは武具なのだ。俺たち一行の中で二足歩行の者は少ないし、鎧を必要とする者は俺しかいない。だからか、ボムたちには不要なのだ。

「あと、精霊樹を植えたいんだけどどこがいい?」

「えっ? 隣国に植えるようにお願いしたはずですが?」

 キングはセルを見ながら話している。

「精霊樹はモフモフ天国に植えるけど、オークの国には種を植えるんだよ。そのあと、こちらにいる創造神様が大きくしてくれるんだ」

 創造神様の姿を確認すると、すぐにキングが跪き、それに気づいた他のオークたちもその場に跪いた。この素直さが人間にはないのだろう。まずは疑いから入るのだから。

「大丈夫だから仕事を続けて。それよりも、一つだけ聞かせて。どうして話せるの? 知能があっても話せないはずよ?」

「はっ! 救世主様がネックレス型の魔道具を開発してくださったのです。音の原理を基本に大地魔術と暴嵐魔術を応用すれば、人間の発する音を再現できるはずだと。あとは、音と意味を勉強するだけです」

 キングの話を聞いた創造神様は、口を開けて驚いていた。魔道具の話も驚いていたのだが、音を再現できたから勉強しただけと言うが、人間と言ってもおかしくないレベルの言語を短期間で習得しているのだ。言うなれば、赤ちゃんが数カ月で大人並みに話せている状況だ。

「最初は単語だけでしたが、隣国の技術者を招いてからは、言語や魔術の習得が加速しましたね! 技術者は聖獣でしたので」

 補足の説明を聞き納得した。短期間で従魔魔術を習得できたのには、しっかりとした理由があったのだと。というか、聖戦前から同盟を結んでいたということじゃないか。セルと同じで、準備が終わっていなかったから隠していたのだろう。モフモフ天国が気になる。

「それでは、種を植える場所を教えてくれる?」

「はっ! 創世教の大聖堂がありますので、その近くにお願いしたいのです。大聖堂の周囲は公園にしようと思っていますし、水脈も見つけていますので泉もつくれるはずです!」

「いいじゃない! 嬉しいわ! みんなに大切に育てられたら、精霊樹も喜ぶと思うわよ。大切にしてあげてね」

「はっ!」

 俺はキングに指示された場所を大地魔術で穴を開けると、もらってきた精霊水を少しずつ撒いて森羅魔術でなじませる。その真ん中に種を植え土を戻すと、創造神様が魔力と神力を込めてくれた。その直後、芽が出て徐々に大きくなっていく。そして、高さが五mくらいになると、ようやく成長が止まったのだ。

「「「うわぁー。すげー!」」」

 俺以外にも同じ事を口に出して感動している者がいたが、気にならないほど目の前の光景に目を奪われていたのだ。人によっては神秘的だったり幻想的だったり、色々感想を言うかもしれないが、あえて言葉にするならば全てをひっくるめてすごいと、俺なら言うだろう。というか、それしか言えない。

 本当にすごいものを見た瞬間は、言葉に起こすことなどできず、無心で見て感じてしまうということを、このとき身をもって知ることができた。

 我に返った後は、穴掘りを行い泉を作る。その中にはもらってきた精霊水を並々と注ぎ、鉱山階層で採れた精霊石の原石を設置してあげた。

「あと、一つ言い忘れた。精霊樹の実をストレージに入れておいたから、説明書を見ながら好きなタイミングで食べてくれ。みんなで分けるんだぞ!」

「ありがとうございます!」

「じゃあ、また来るから。何かあったら連絡してくれ!」

「畏まりました!」

 俺たちはオークたちにあいさつを済ませると、創造神様にモフモフ天国の座標を教えてもらい、同行メンバー全員で転移した。このときヘリオスは身内に説明していなかったことが気になり、説明しに行くかをヘリオスに聞くと……。

「一度完全踏破された十大ダンジョンは、しばらく守護しなくていいのだ。そのことは、親族も感知しているだろうから説明は不要だ。そして、俺は自由だ!」

 満面の笑みを浮かべるヘリオスに対して、他二体の神獣たちは悔しそうな顔をしていた。彼らはまだ自由の身ではないからだ。いつ連れ戻されるか怯えているのか、たまにうなされている。

 とりあえず、確認できたことで心置きなく転移すると、目の前にはおかしな光景が広がっていた。

「ここが……モフモフ天国?」


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