暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~

暇人太一

文字の大きさ
137 / 167
第六章 ガイスト辺境伯領都フェスティオ

第百二十二話 交渉

しおりを挟む
「閣下なんて止してくれ。いつも通り、辺境伯で構わないさ」

「では、御言葉に甘えさせてもらいます」

「それでは、積もる話もあるだろう。領主城に案内するよ」

 どうやら、辺境伯領に到着すぐに地獄イベントが発生してしまうようだ。特にボムにとっての。

「ラース、転移で連れて来い。あの可愛い熊を連れて来るんだ!」

「……諦めろ!」

 肩を落として領都内に向かうボムは、辺境伯が乗ってきた馬車に近づいていく。

「ちょっ、ちょっと! ボムに普通の馬車は無理だから、バイク馬車に乗ってくれ!」

「……そうだったな……」

 元気がないボムに気づいたカルラが心配そうな表情を浮かべていた。優しいカルラなら、もしかしたら自分を責めてしまう可能性がある。

「ボム。カルラの顔を見ろ! 泣きそうだぞ! いいのか?」

「んっ? ……カルラ! どうした?」

『父ちゃんが元気ないのは、カルラがわがまま言ったせい……?』

「ち、違うぞ! 父ちゃんは……別れが悲しかっただけだぞ! 熊さん、可愛いかったからな!」

『本当?』

 モフモフを嫌がっていることを知っているカルラは、無理して嘘をついているように見えるのだろう。ボムは言い訳が下手だから仕方がないのだ。

「本当だぞ! 父ちゃんの目を見ろ!」

『キラキラしてる』

「そうだろ? 本当のことを言っているから、キラキラしているんだぞ!」

 カルラには輝いて見えたのだろうが、俺には泳いで見えていた。ボムの中の天秤はカルラに傾いたようだが、動揺までは隠せなかったのだろう。今も周囲を警戒しながらカルラを抱きしめている。

「ラース。悪魔を見つけたら教えろよ!」

「ここにいるわよ!」

 と、小声で俺に指示を出すボムと、いつも通りふざけるセルをバイク馬車に乗せ領都に向かうのだった。ちなみに、ボムを驚かせたセルはボムチョップを喰らっていた。





「ここが私たちの領都である『フェスティオ』だ。王都のように色々なものが手に入る訳ではないが、辺境ならではのものを手に入れることができるぞ。時間があるなら、色々と見ていくといい!」

 領都である城塞都市の外壁をくぐり、城に向かっている最中なのだが、辺境伯が簡単に街の案内をしてくれていた。というよりも、自慢したいだけのようだ。

 確かに、俺でも自慢したくなるような街並みだった。ここは辺境だからか、魔物を刺激しないように配慮された落ち着いた色の建物ばかりだが、領民は落ち着いた建物と違って明るく元気な者が多く、街全体が活気に満ちているように感じられたのだ。

 色とりどりだが、光と闇が明確に分かれている王都よりも好印象だったのは間違いないだろう。ボムたちも観光したいようだった。

「さぁ、ここが領主城だ。応接室に案内させるから、少し待っていて欲しい!」

「分かりました」

 辺境伯が部下を引き連れ去って行くと、王都にある辺境伯の邸宅にいた家宰が応接室に案内してくれた。当然だが、カトレアとガルもついてくる。

「なぁなぁ、ラース! あの人間は誰だ?」

「王都にいるときに泊めてもらったんだ。ボムの威圧に堪えていたから、ボムの組み手相手でもある。賢い系真面貴族筆頭だから話しやすいと思うぞ。ただ、奥さんたちがな……」

「私がどうかしたかしら?」

「あ、悪魔……悪魔が来たぞ……」

 フェンリルたちにモフリスト筆頭の話をしようとした途端、背後から声を掛けられた。それに対するボムの口から出た言葉は、悪魔だったことはボムの絶望を表しているのだろう。

「そんな……。熊さん酷い……!」

 どさくさに紛れてボムに抱きつこうとするローズさんのモフリスト魂は、ボムの気持ちはどうであれすごいと言わざるを得ない。

「抱きつくな!」

 抱きつこうとするローズさんの猛攻を、ボムはデブな体の割に機敏に動き回避していた。

「待たせたね」

 そこに辺境伯が大勢を連れて応接室に入ってきた。そのおかげで、ボムはようやくローズさんの猛攻から解放されたようだ。

「あ、悪魔が増えた……。それに子熊も……。何故、ここにいる!」

 辺境伯が連れてきた中に、ゼクス公爵夫妻と王女と護衛のエルザさんがいたのだ。モフリストが増えたことで、ボムの包囲網もより強固になってしまい、それ故にボムは近づかせないように威圧していた。

 ただ、ボムの威圧は十大ダンジョンの魔物も寄せつけないほどであり、普通の人間に堪えられるものではなかった。その結果、辺境伯たちは顔を青くして気絶寸前の状態になってしまったのだ。

「ボム! 話が進まん!」

 それを見かねたプルーム様の一声で威圧を止めたボムは、周囲に誰も寄らせないために神獣トリオの間に隠れることにしたようだ。

「ラース、早めに話を終わらせて買い物に行くぞ」

 プルーム様は買い物に行きたいから、ボムに威圧を止めさせたようだ。大魔王様が願ったことはしもべである俺たちには絶対であるから、話を早めに終わらせることにしよう。

「お久しぶりです。王女殿下とゼクス公爵閣下。他の皆様もお元気そうで何よりです」

「あぁ、久しぶりだな。ラース殿は色々やっているようで……」

 ゼクス公爵も長城のことを言いたいようだ。何か問題でもあるのだろうか。

「未開地についてですかね? それともオークランド? オークランドは勇者がやったことであって、俺がやったという証拠はないはずですが? それから未開地については、聞いた話によると開拓した者に権利があることは、この大陸の全ての国が認めていて、大陸の人間のほとんどが夢に見ているそうですね。そして、この度俺が叶えさせてもらったというだけの話ですよ」

「それはそうだが……、まだ認められていない以上、圧力のようなものがかかるはずだ」

 つまり、世界に周知される前に事実をもみ消し、王国に組み込もうとするということだ。王国の王都で各種ギルドの登録をしたのだから、国民だと言い張るのだろう。

「それについては御安心を! うちの優秀なガルーダ君がオークランドのときのように、世界に情報紙をばらまいてくれていますから。ここに紙をばらまかなかったのは、直接言うためでしょう。ちょうど世界会議が開かれているようで、そこにも大量に投下してきたそうですよ。これでもみ消しは無理ですね。王国民でもないし、暗殺者を差し向けられもしましたしね。まさか、王国は善良な王国民に暗殺者を差し向けるのが普通なのですか?」

 当然だが、俺がばらまいたわけではない。プルーム様や風狸が考えたことを、ガルーダが眷属を使って実行しただけである。

 俺がこの話を聞いたのは今日の朝だ。同時に牧場計画も聞かされた。ちなみに、後半の牽制は何故か同席している辺境伯の部下に対してである。賢い系真面貴族筆頭は自ら地雷を踏むことなどしないのだが、部下は別であるだろう。特に、領地から出たことがない部下は。

「直接と言うと、何か用でもあったのですか?」

 今度は辺境伯からの質問だ。敬語になっているのは、仮に俺が建国宣言をした場合、他国の国王になるから発言に注意しているのだろう。ばらまかれた紙を見ていない以上、建国したのかは不明である。だからこそ、失礼のないように警戒しているようだ。

「前回王侯貴族を救助した際の報酬をもらいに来ました。報酬として希望するものは、王国南西にある竜ダンジョンと周辺の土地です。国王の命にしては妥当ではないでしょうか?」

「なっ! あのダンジョンを手に入れてどうするつもりですか? それに土地の割譲ということは貴族になるつもりですか?」

 慌てた様子の辺境伯だが、勘違いされるのは困る。

「貴族? なるはずないじゃないですか。俺が欲しいって言っているなら話は別ですが、いらないものを報酬として押しつけて未開地を得るつもりならば、国の恥になりませんか? 受けた恩を仇で返して、魔法紙での契約を破棄しようとする行為。これから先は、他国に同じことされますよ。それにくれないならくれないで別に構いませんよ。そのときは国王として名乗りながら、『貸しにしよう』と言いますから。オークランド侵攻か未開地侵攻があるならば、その時に貸しを返してもらいましょうか?」

 国王への報酬と個人への報酬は、比べなくても個人に対しての方が少なく軽い。国王への報酬を一度でも破ってしまえば、世界からの信頼はがた落ちになり、交渉の場で優位に立つことが難しくなるはずだ。これがオークのように魔物の国王ならば、人間として当然と言い張れるだろうが、残念ながら俺は人間だ。

 そして世界会議で話し合われているであろうオークランドに対しての処遇が、討伐だった場合には貸しを利用して王国に力になってもらう。
 つまり、自動的に討伐から戦争に変わり巻き込まれるわけだ。さらに、未知のオークよりも既知の人間の方が倒しやすいことから、真っ先に標的とされるはずである。

 そのどさくさに紛れて、竜ダンジョンをもらってもいいと思ったのだ。ついでにスタンピートも起こるようだし、北からは獣王国で南からは竜、東からは帝国である。西は山脈と火山地帯で逃げ場はない。これこそ本当の四面楚歌だろう。

 ここまでが俺の『大魔王様に竜牧場献上計画』であり、ムカつく国王を窮地に立たせる作戦である。ちなみに、この牧場計画の次の計画も用意されているのだが、竜ダンジョンを手に入れないことには難しい。

「それと、スタンピートが起きる直前に引き渡すって言うのはなしですよ? スタンピートを押しつけて、被害が多少でも出たら不手際を責めると同時に、賠償させるという狡い方法を使うならば、徹底的に武力行使をさせていただきます。そのときは国名を名乗った武力行使ですから、戦争ということになりますね」

 俺が詳しく話さなくても賢い系真面貴族筆頭である辺境伯ならば、これから起こるであろう問題を想像できるだろう。それに加え、俺たちがスタンピートの情報を持っていることに驚き考え込んでいた。

 そして俺の話が一段落したことで、今まで話を黙って聞いていた辺境伯の部下が我慢の限界なのか、突然抗議してきた。

「さっきから聞いていれば、あなたは人としての責任はないのか!? 魔物が国王になるなど前代未聞! オークランドのことは絶対に認めてはならないのだ!」

「おい! 何を言っている。少し黙っていろ!」

 部下の抗議を慌てて止める辺境伯だが、これに対しての策も考えてある。

「何が問題なんですか?」

「魔物だからだ。人間という姿形をせず、人間を襲い意思疎通もできない怪物だ。人間の害でしかないではないか! それに未開地を覆ったら、製薬技術が進まないんだぞ! 人であるならば人類の未来を考えるのは当然だろう!」

「やめんかー! 失礼しました。どうかお許しを……!」

 許すも何も欲しい言葉を言ってくれたのだ。心の底から感謝させてもらった。

「謝罪は受け取りますよ。辺境伯もいい加減敬語をやめてもらえませんか? まだ個人として話しているんですから。それと質問にはお答えしますよ。それよりも、辺境伯の部下が人種差別をするとは思いませんでした。他の貴族に攻撃されそうですね」

「人種差別……?」

 部下の話から気づきそうなものだが、誰も気がついていないようだった。

「人間という姿形と言いますが、俺には獣の耳も尻尾も角も生えていませんよ。どの種族を基準に人間と判断するのですか? 確か、獣王国には豚か猪の獣人もいたはずです。その人に向かってオークと言うのですか? オークも二足歩行ですよ。それから意思疎通ができないと言われましたが、意思疎通はできますし話せますよ。まるで、聖獣みたいですね。
 反対に王都近辺にいたときに、どこぞの国の兵に寝ているところ問答無用で襲われたそうです。対話を求めたが話が通じず、一方的に攻撃されたようですよ。聖獣を崇めている国が聖獣らしいオークを襲ったという事件がありましたね。どちらが怖いですかね? オークからしたら、その者たちは魔物に見えたかもしれませんね。話し掛けても無視されるんですから」

 これが人種差別という内容である。俺の前世のように、基本的に肌の色が違う以外は同じだと言うのならば、オークは人と姿形が違うというのも分かる。だが、この世界は多種多様の生物がおり、王国は人族至上主義国家ではない。つまり、何をもってして人間だというのだろうか。

 真っ先に浮かぶ定義は会話できるかどうかだろう。さらに、敵であるかどうかだ。同じ二足歩行の獣であるボムがモフリストに好かれているように、オークは女性の敵であることと魔物である印象が強いことから、忌避感を激しく感じてしまうから駄目なのだろう。

「あっ! 魔物だから話が通じないというのはあり得ないですからね。ここにいるボムも話しましたから。それと魔物は害でしかないと言いますが、魔物の素材の恩恵を受けているくせに何を言っているんですか? 人間の行動全てが未来を考えているんですか? 戦争も? 戦争の先の未来ってどんな未来ですか? 製薬のためと言いますが、では何故未開地の開拓をしなかったのですか? 恩恵は欲しいけど面倒事はいらないってことでしょ? 人類の未来のためと言うのならば、面倒事と言って楽するのはいかがなものでしょうか。それに薬草ならば、【創世の塔】周辺の森があるじゃないですか。未来のために採取しに行くべきでしょ? それが人としての責任なのでは?」

 ボムに手を向けオークと話せると言うと、辺境伯の部下はボムのことを見て言ってはならないことを口にした。

「魔物だから魔物同士の能力で話せるんじゃないですか? 証明になりませんよ」

 ボムは魔物と言われることが嫌いで、言われると不機嫌になってしまう。当然、モフリスト共は全員知っている。だからか、辺境伯が止める前にセシリアさんが辺境伯の部下の首の後ろを掴み、自身に向き合わせるようにすると腹パンを叩き込み、うずくまりそうになる部下の頭を両手で持ち、顔面に膝蹴りをぶちかました。

 流れるような手慣れた動きに、不機嫌になりかけたボムも驚いていた。そして何よりも俺が驚いたのは、攻撃したときの冷たい瞳だ。
 いつもボムを追いかけているときのだらしない瞳を持つ人物とは、全くの別人であるほどの違いに衝撃を受けたのだ。でも、その衝撃のおかげで忘れそうになっていることを思い出せた。

「あっ! 忘れるところでした。俺たちと敵対すると、モフモフ天国には一生行けませんよ」

「「どういうこと!?」」

 モフリスト筆頭のローズさんとモフリスト筆頭補佐のセシリアさんの二人は、モフモフ天国と聞き過剰に反応していた。特にセシリアさんは辺境伯に対して謝罪している最中だというのに、反応して質問してきたのだ。

「どういうことも何も未開地に創った国には、人間は俺一人だけですからね。あとはモフモフです!」

「「えぇぇぇぇぇぇぇー!」」

 俺の言葉を聞いた二人の最強モフリストの絶叫が応接室に轟いたのだった。


しおりを挟む
感想 76

あなたにおすすめの小説

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

処理中です...