H・E・ S~せっかく桃太郎の世界に来たので逆に桃太郎を退治したいと思います~

D×H

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第一章桃チャンの世界…俺がまるっとハッピーエンドにしてやるぜ!

第2話初めましてこんにちはっ……って、挨拶している場合じゃない!?

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「ここはどこ、私は誰?」って、そんなお約束事を考える余裕がある自分に驚きだが、元々俺はこういう奴だ。
一度きりの人生だ、今を楽しまなくてどうする?
何かに囚われて生きて、そして終わる何て冗談じゃない。
だからハッピーエンドが好きなんだ。

誰かは、「ハッピーエンドで終わりじゃない、その先だって続くんだ。その先がハッピーだと言い切れるか?」と言う。
でも、今起こっていない事まで考えてどうするんだ?……その心配事に囚われて今を楽しめない、それは本当に正しいのか?
精一杯今を生きた先に何が有ったとしても、そこには後悔だけは無いだろう、そう俺は思うんだ。

何て、アホな事を考えて現実逃避しているが、勿論俺は記憶喪失でも無ければ、自暴自棄にもなってはいない。
俺には記憶もあるし、家族構成は元より、今までの生きざまを、4部作構成で語り尽くす事だって出来る。
(ここで言う4部作とは、産まれてから幼稚園迄、小学校編、中学校編、高校は今だから、差詰め現代編とでも言うべきか?……の4部編成の事だ)

「さて、どうすっかな~」

まるで、ま⚪が日⚪昔話見たいな……和な、何処か懐かしい優しい日本の元風景の一本道を俺は母さんの電動機つき自転車を手で押しながら歩いた。
横には下まで見えるんじゃないかって位透き通った河が流れており、もう片方は山々。
こんな景色をスピード狂よろしく走り去るなんて、そんな風情がない事出来ないだろう?

どんな時でも楽しむ!、それが俺のモットーだ。
このモットーって実は日本語じゃなくて、イタリア語の語源だったりとか何とかだった気がするが、元々うろ覚えでこの辺は曖昧だ。
確かなのは、日本語じゃ無いってこと。
初めて知った時「日本語じゃねーんだ!!」と変に興奮した事を覚えてる。
その実、常識や価値観すら、実は曖昧な記憶の羅列から産まれた産物なのかも知れない。

「どうすっかな~」

本日二度目の{どうすっかな}を言った当たりで、前方に人影が見えた。
人影……だと思うンだが、結構遠いので不確かだ。
自慢じゃないが、俺は目が良い方だ。
だからこそ、豆粒程の人影?を捉える事が出来たのだろう。

「しょうがねーから行ってみるか!」
{どうせ行こうとした道の先だしね😃}

気を取り直した俺は、電動機つき自転車に股がると思いっきりペダルを踏み込んだ。
せめてここが何処なのか位は流石の俺もを知りたい。

思いっきり踏み込むと、恐ろしいスピードが出る。
{おいおい、電動機つき自転車はこんなにスペックが高かったのか!?流石、メードインジャパンだぜ!}
自身で考えているよりも速く人影に近付いて行く。
すると大柄な男達に手を掴まれた小柄な女の子でも姿が見えてきた。
多分、俺とそう年齢差はないであろう女の子。
どう見たって好意的な掴みかたじゃないし、彼女の手を掴んだ男達は見た目がゴツく悪人面だった(←酷い)
ここは助ける巾だろう!?
そこは、そう男として!
近付く程に、声まで聞こえてくる。「離して」確かに彼女はそう言っている。
俺は思いっきり加速するとそのスピードのまま彼女の手を掴んでいる男目掛けて突っ込んだ。
相当の衝撃が、俺にも、勿論俺以上に
相手にもあり、男は思いっきり前のめりにた折れ込み、俺の自転車は奴を下敷きにして停車した。
突っ込む間際俺はチャリから飛び降り、手は付いてしまったが無事に着地する事が出来た。
見たか!?現役高校生の運動能力を!
お外で元気に遊ぶのが何より大好きなお子さんだった俺は、そこそこに運動神経だけは良い方だ。
その分、勉強は八割、シックスセンスに頼ってここまで来た。
後の二割は、好きな事だけには特殊な集中力を発揮したお蔭で得た、片寄った知識を持ち合わせており、そこが良い感じに助けになったのだ。
男は倒れたが、彼女まで一緒に倒れてしまったのは計算外だった。
(まあ、計算して行った行動じゃ無いけどね✨)
ここに今は亡き(←別にお亡くなりになった訳ではなく、この場にいないだけ)茂がいたら、
「考えれば解った事だろうが!」と言われた事だろう。



男は三人。
一人は下敷きにして、その下敷きになった男の下敷きになった男が一人。
もう一人も衝撃で倒れている。
よっぽど衝撃が大きかったのだろう。
うっかり、殺していなければいいが。
自転車の殺傷能力を理解していても、手加減をしていて良い状況ではなかった。

俺は彼女の手を取ると、自転車を急いで立たせ、後ろの荷台に彼女を乗せると奴らが正気に戻る前にその場から離れた。
彼女を守りながら三人とやり合うのは分が悪い。
喧嘩は消して弱くはない方だとは思うが、ここで意地を張っても何の意味も価値もない事位、俺でも解る。
俺が爆走している道は、田舎の畦道見たいで、正直凸凹しているが、俺はスピードを緩めなかった。
だが、かなり走った辺りで彼女が先に根を上げた。
それもそうだろう。道が悪い上に荷台にクッションもなく座っているんだ、お尻が痛くなるのもしょうがない事だった。
彼女を降ろすと、奴らが追ってきていない事を確認してから彼女に声をかけた。

「あの、大丈夫?…何で彼奴らは君を捕まえてたの?」

俺の言葉で、何故か彼女は理解できない、と言った表情を見せる。
もしかして、言語事態が違うのか?……いや、でも先程確かに日本語を話していたし、使っている言語は共通だとみて先ず間違いはないと思うのだが?

「……どうして………貴方は私を助けてくれたのです?……私の容姿をみて気持ち悪いとは思わないのですか?」

色々な事が一気に起こりすぎて、どうやら自分で思っているよりテンパっていたらしい俺は、そこでやっと彼女の容姿をまじまじと見詰めた。
それまでは、女の子というだけのカテゴリーだったのが、そこに美少女という項目も付け加えられる。
先ず目につくのは、光が当たると銀色に輝く白い髪。
同じ様に、透ける様な白い肌。
大きな目に、小さな顔。
お人形の様に、作られた様に整った容姿。
小柄な身体は、身長150cm位だろうか?

「いや?……君の年齢では見慣れない髪の色だと思うけど、可愛い事に違いは無いんじゃない?……気持ち悪いとは、違うよね」

「………可愛い?……私がですか?」

尚もビックリした!という表情の彼女。

「え?…普通にかなり可愛いでしょ?……もしも可愛いいね👍と、言われた事が無いのなら、回りの男が見る目無いんじゃない?」

日本語の言い回しがおかしいが、言いたいことは間違ってはいない。

「おかしな人ですね」

ポカンとした、先程よりも幼い表情を見せて彼女が呟く。
おかしいとは俺に対して、誉め言葉ではなく、失礼だと思うが不思議と頭に来る言い方じゃなかった。

「改めまして……助けて頂いて、有難う御座います。……もう少しで、私は殺されるところでした」

小首を傾げ少しの微笑みを浮かべた彼女の殺傷能力は、一発で瀕死クラスだ。
危ない何時もの俺だったら、既にゲームオーバーだ。

だがそれよりもその言葉に、俺は絶句した。
俺と同じくらいの年齢の女の子が平気でする話じゃないし、その子の言い方からは、まるでそうされる事が日常茶飯事に起こりうると言うくらい淡々としていたからだ。

「何であんたが殺されなきゃいけないんだよ!?…あんた、殺されなきゃならない事でもやったのか?」

「そうですね……何かをしたというより……強いて言えば……産まれてきた事が罪だと言う事位でしょうか?」

「はああ!?……何だそれ!?」

段々と頭に血が上ってくる。
こんなところを母さんが見たら肘鉄を食らった上に「あんたのその短気なところを治しなさい!!」と怒鳴られている事だろう。

「でもこの国では、白の髪は忌むべき物……災いの象徴ですから」

伏し目がちで、悲しそうな彼女。
見てられなかった。

「だからさ!!!……髪が白いだけで殺されるなら、年寄りは皆殺されなきゃいけない事になるだろうがよ」

「貴方は、知らないだけです。……この国では、私は、災いです」

「はあ?!…確かに知らねーよ。知らねーさ。今来たばかりだからな!?」


道端でする会話じゃないが、俺は納得が出来ない物には例え誰で有ろうと、とことん突っ込む主義だ。
主義だが、怖い思いをした女の子に摘めよって良い法律は、何処にも無い訳で、俺はそこで冷静になれた。
元々、俺はこの場所、この状況を知りたいと思っていたのだ。

「教えてよ……この世界の、ここ国の常識って奴をさ。…まあ、知ったからって、俺の考えが変わるとは限らん無いけどね」

俺はまだ、彼女の名前さえ聞いていないんだ。
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