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第一章 ラスト=エゴ・アルター
第二話 自我
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☆ エギラ
僕らが今生きているのは、彼女のおかげだった。
「アルトラ・ルーシャ」彼女は途轍もない魔力の持ち主であり、900年前頃に生まれたとされている、魔力を大量消費する《古代魔法》を自由に操る使い手だった。
そんな彼女は、人の為「劣性魔法遺伝者」のために自らを売った。
国のトップ《翼》が、劣性魔法遺伝者の支援を引き換えに交渉を待ちかけてきた。それが、「アルトラ・ルーシャ」の身柄だった。
彼女は《翼》との交渉に乗った。いや、乗らされた。今、僕の横にいる美少女。「ミクス・ジュエラ」の為に。
《翼》は、卑怯な手を使った。彼女にとって、一番の大切な人を利用して脅した。「君が来ないなら、この村の全員……君の親も、友人も、恋人も、全てを滅ぼす。それでもいいのだな?」と。
そして間もなく、契約を結ばされた彼女は新科学で作られた城へ向かうこととなった。
そしてそれから7年後、《翼》はまだよからぬ事を考えている。最近、明らかな爆発音……ニトロマジカグリセリン爆弾だろうか。それがこの地域の外、昔の言葉で言うと外国から聞こえるようになった。1,2年前には無かった。
戦争が始まりかけているのではないか。
《翼》にそれを認めるつもりは無いだろうが、生憎こっちは証拠も掴んでいる。「ローズ」彼女は「無魔法遺伝者」であり、何より優れた隠密のプロだった。「ローズ」は一年前、《翼》にスパイとして侵入し、見事成果をあげたらしく、それによって、《翼》が戦争を起こそうとしている点、アルトラ・ルーシャを魔法の器……つまり生贄にしようとしている事を知った。
だからこそ、僕ら《革命派》は《翼》と戦うこと、彼女を救うことを、運命へと誓った。
「どうかな?この始まり方!」
周りはドン引きといったような表情でこちらを見ていた。
「なんだよーその反応!せっかく考えたのに!」
「そもそも何それ……」
「僕の自叙伝の冒頭部分(妄想)‼」
こいつは何か気が狂っているのではという視線が僕を刺した。痛い。痛すぎる。
特に「ユキ・テルラ」、我ら革命派のリーダーで頭が良い。人前で演説をする時は、とにかく誰よりもふざける……が、それも作戦の一部らしい。彼曰く、「誰よりも注目を集めることによって、革命への関心を人々へもたらす為」らしい。他にも「こんな奴がリーダーなら俺が革命派仕切ってやる!!」という意識を持たせ、村の人々が革命派への支援や、参加者を増やす為でもあるらしい。頭が良すぎて、男の僕でも惚れてしまいそうだ。
彼の服装は基本青ネクタイに黒スーツで、髪の毛は金髪ツーブロックにしている。髪と服で少しちぐはぐな印象を受ける。しかし、それに本人は気が付いていないらしい。無言が続く中で、リーダーが口を開いた。
「はい。エギラ。一旦お話は止めて。この空気じゃ新メンバーさんも入りづらくなるでしょう?」
そういえばそうだった。今日は新しい革命派のメンバーが来る。
三回、コンコンコンとノックが鳴った。
扉が開き、上につけてあった鈴がカランコロンと音を鳴らす。
さぁ、新メンバーの登場だ。
『ようこそ、僕ら革命派へ』
僕らが今生きているのは、彼女のおかげだった。
「アルトラ・ルーシャ」彼女は途轍もない魔力の持ち主であり、900年前頃に生まれたとされている、魔力を大量消費する《古代魔法》を自由に操る使い手だった。
そんな彼女は、人の為「劣性魔法遺伝者」のために自らを売った。
国のトップ《翼》が、劣性魔法遺伝者の支援を引き換えに交渉を待ちかけてきた。それが、「アルトラ・ルーシャ」の身柄だった。
彼女は《翼》との交渉に乗った。いや、乗らされた。今、僕の横にいる美少女。「ミクス・ジュエラ」の為に。
《翼》は、卑怯な手を使った。彼女にとって、一番の大切な人を利用して脅した。「君が来ないなら、この村の全員……君の親も、友人も、恋人も、全てを滅ぼす。それでもいいのだな?」と。
そして間もなく、契約を結ばされた彼女は新科学で作られた城へ向かうこととなった。
そしてそれから7年後、《翼》はまだよからぬ事を考えている。最近、明らかな爆発音……ニトロマジカグリセリン爆弾だろうか。それがこの地域の外、昔の言葉で言うと外国から聞こえるようになった。1,2年前には無かった。
戦争が始まりかけているのではないか。
《翼》にそれを認めるつもりは無いだろうが、生憎こっちは証拠も掴んでいる。「ローズ」彼女は「無魔法遺伝者」であり、何より優れた隠密のプロだった。「ローズ」は一年前、《翼》にスパイとして侵入し、見事成果をあげたらしく、それによって、《翼》が戦争を起こそうとしている点、アルトラ・ルーシャを魔法の器……つまり生贄にしようとしている事を知った。
だからこそ、僕ら《革命派》は《翼》と戦うこと、彼女を救うことを、運命へと誓った。
「どうかな?この始まり方!」
周りはドン引きといったような表情でこちらを見ていた。
「なんだよーその反応!せっかく考えたのに!」
「そもそも何それ……」
「僕の自叙伝の冒頭部分(妄想)‼」
こいつは何か気が狂っているのではという視線が僕を刺した。痛い。痛すぎる。
特に「ユキ・テルラ」、我ら革命派のリーダーで頭が良い。人前で演説をする時は、とにかく誰よりもふざける……が、それも作戦の一部らしい。彼曰く、「誰よりも注目を集めることによって、革命への関心を人々へもたらす為」らしい。他にも「こんな奴がリーダーなら俺が革命派仕切ってやる!!」という意識を持たせ、村の人々が革命派への支援や、参加者を増やす為でもあるらしい。頭が良すぎて、男の僕でも惚れてしまいそうだ。
彼の服装は基本青ネクタイに黒スーツで、髪の毛は金髪ツーブロックにしている。髪と服で少しちぐはぐな印象を受ける。しかし、それに本人は気が付いていないらしい。無言が続く中で、リーダーが口を開いた。
「はい。エギラ。一旦お話は止めて。この空気じゃ新メンバーさんも入りづらくなるでしょう?」
そういえばそうだった。今日は新しい革命派のメンバーが来る。
三回、コンコンコンとノックが鳴った。
扉が開き、上につけてあった鈴がカランコロンと音を鳴らす。
さぁ、新メンバーの登場だ。
『ようこそ、僕ら革命派へ』
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