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Act 09
白い無~堂外の魔
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「……僕の可愛い聖女さま、君を、非道な人間どものところに帰さない事を約束しよう。
ふふ。しっかりと愛慾に溺れた後故、僕の唇に吸われる痛みが快感へと変わったようだね。荒い息を吐きながら、最後は、この魔王エリオット・ジールゲンに仕留められる事を受け入れてくれたので嬉しかった。
アリスが呼吸を御そうとしながら、首もとに愛の証たる痣が刻まれていくのをただ待ってくれていて、僕も快然とした思いのままこの愛撫を行う事ができたよ」
「せ……聖女に生まれた私が、免れぬ罪咎を背負ってしまったから……はあ、はあ……だから、大聖堂のみんなは……おどろ……い……いっ! あは、あはっ! エ、エリオット……ゆび、入れないで……わたし、あしが閉じられないのに……さ、裂け目に指を入れられた……ら……あは、あは、あ、あ、ああ……あはっ!」
「先ほど、裂け目に尻尾を入れられ悦びを感じてくれていたが、今は、僕の指に貫かれる事を楽しんでほしい。濡れている音、君の耳にも届いているだろ? 大丈夫。空いている方の手は、アリスの肩に触れていてあげよう」
「ゆ……ゆび……押し込まないで……はあ、あは」
「ここには、君を傷つけようとする者などいないから、安心して。
君の腕を繋ぐ磔台は、咎人が縛られる罪木ではない。乱暴で、下劣な人間どもの行いからアリスを護る役を担っているんだ。君自身だって、奴らのもとに戻るのを怯えているんだろ?
聖女の一族の者が、胸を突かれて果てる時、『聖なる力』が放たれるという。
悪魔と契り、『聖なる力』が残り僅かになってしまったというのなら、胸を突かれて果てろと――人間どもの世界では禁忌の呪とされる悪魔召喚を執り行い、君の命を使って、できる限り多くの魔を絶つという……俗衆統制に誂え向きの横謀を、大聖堂の連中は、底企みしたのではないかな?
人間に化けていた頃、君も心を痛めていると聞かせてもらったが……広場で、俗衆監視のうちに催される、下らない誅罰の見世物に、聖女であるアリス自身が使われそうになった……そういう事だろ!」
「ゆ、指……くんっ! くんっ! エリオットの指が、出て入って……出て入ってが、激しくて……はあ、はあ……濡れていく音が……激しくて……あは……くんっ! くんっ! ち、ちがう……聖女なのに、私が、魔王を好きになってしまったから……だから、人の世界においては、罪を背負う身になってしまったから……あは、あは、あは……む、胸を、触手が強く締めてきていて……さ、先っぽを……胸の先っぽを……触手に弄られていて……あは、あは……」
「僕だけの聖女さま、心の内のすべて、快楽に委ねてしまえばいい。その磔台は、君を悦楽の極みへと導く手助けをする為にあるとも考えてもらってよいんだ。
二人共に楽しむ時間も重要だが、アリスを楽しませてやる事が最も大切だよ。枷や魔力で拘束しているのは、悦びにひたすら沈んでほしいから。胸を突き出していた方が、先端を触られたり、やわらかな部分を揉まれたりした時に気持ちいいだろ? 足を大きく開いていた方が、陰部を弄られた時に心地よいだろ? 首や腹などに迫るものがいると気づいても、逃げられない。目や耳で、そう知覚した後に快感が襲ってくる方が、より深い味わいになるのではないかな。
さあ、人間どもに与えられた苦痛を忘れる為にも、この魔王エリオット・ジールゲンが用意した、色欲くすぐる興を楽しんでほしい。
ああ。
足、もう少し持ちあげてやろう」
「や……やめて……わ、私が、聖女としてのつとめを果たせなかったから、みんなは……あは、あは……ひっ! あ……あ……細いの……ほ、細い触手で、裂け目をひろげないで……やめ……あっ! あ、あ、ああ、ああっ! し、尻尾っ! 尻尾が、入ってる! あはっ! あはっ! え……あ……や、やめて……そんなに、優しい手つきで……く、首を撫でないで……息を吹きかけながら……耳に迫ってきて……甘く、噛まないで……はあ、はあ……聖女の私は、魔王の花嫁になってはいけないの……私は、魔を滅ぼす『聖なる力』を宿しているから……だから、だめ……」
「……赤い横髪の下に覗く君の耳、唇の内に含んで味をたしかめたくなるほど美しく見えたから。
ふふふ。
派手な粧飾を施しただけの無価値の神像などより、大聖堂の構えから排されそうなぐらい突き出ている悪魔に惹かれていたんだろ?
人間どもの言葉を借りて言うなれば、雨は、天からの恵み。『聖なる力』の象徴だと誇示する為に用意された堂舎には不要であると、天からの恵みを弾き出すという野放図な振る舞い。人間どもは、己が利に反すると思えば、霊験あらたかだと祭りあげたものすら、いとも容易く切り捨ててしまう生き物だ。だが、アリスは違う! 気づいていた! 天からの恵みを民に与えているのは、悪魔の方であると……そうだよ。『魔の力』を得る事こそ、君が護りたいと願ったすべてのものを救う術――」
「あは、あは……あああ、あ、あ、あんっ! ……胸を、ゆっくりと、撫でないで……はあ、あは……エリオットの手に、優しく扱われると……私、おかしく……おかしく……あは……あは……あれ? ……みんなを救うには、『魔の力』が必要……私自身が、魔の者になれば……みんなを護れる……あれ? 私、どうしたのかしら……あれ……あは、あは……エリオット……胸の先を、舐めないで……あは、あは……ほっぺを、舐めないで……あはあは」
「頬への口づけも、楽しんでくれた? 初めての晩のように、気恥ずかしそうに顔を赤くする様、可愛らしかったよ。
聖女さま、君は、立派につとめを果たしているじゃないか。魔王エリオット・ジールゲンの心をつかんで離さない。君が、その役になった事で消えぬ人里がいくつあったと思うんだ!
愛しい君のそばにいたいと考えてばかりで、災厄をもたらす暇もない。手空きに、炎や風や水を操り、人間どもに奇禍を与えてやる事はあったが、聖女さまが愛らしい様で寄り添ってくれるというのに、それを差し置いてまで事変を起こしに行こうとは思わない。
ああ。
今度は、陰核を舐めてあげよう……」
「ああ……ああ……ゆっくりと、舌で舐めないで……あっ! は、激しくしないで……あは……あは……ひっ! す、吸いついている? す、吸っている! エ、エリオット……く、唇を、陰核にあてないで……あはは」
「……魔王を虜にするほど、魅せる様の聖女が、世界を救う物語……」
「あは……あは……やめて……下を舐めないで……あはは……え……あ……魔王を虜にするほど魅せる? ……聖女の私が、魔王を虜にすると、天地の禍が鎮まる……聖女の私が……魔王を……」
「……聖女が、魔王に身も心も捧げ、世界を救う物語……」
「う……う……くんっ! エリオット……し、舌を……裂け目に、入れないで……あは、あは……あ、足を大きく開かれて……裂け目に舌を入れられたら、変な気持ちに……あ、ああ、ああ……はあ、はあ……し、舌が入って……あは、あは……はあ、はあ……聖女の私が、魔王エリオット・ジールゲンに身も心も捧げる物語……あは、あは……」
「……永遠の愛を誓った聖女が、魔王と繋がり、世界を救う物語」
「ああっ! エリオット、やめて! わ、私に『魔の力』を注ぐ気……こ、こんな風に、磔台に縛られたままの私に注ぐ気……やめて、裂け目にあてがわないで……や、やめ……あれ……そう、私は、聖女として世界を救う……そういう物語……魔王と聖女が、繋がる物語……」
「聖女が、魔王の花嫁になり、世界を救う物語――」
「あ、あ、ああ……エリオット、裂け目にあてがわないで……ああ……ま、魔王の花嫁に、聖女がなれば……私が、魔王エリオット・ジールゲンの花嫁になれば……世界が救われる……そういう物語……あ、あ、あ、あっ!」
「……聖女さま、大祭壇の上の神さまと僕、どちらが好き?」
「あ、ああ……わ、私は……わたしは……私は、エリオットを受け入れられたのね……初めてで、少し怖かったけど、大好きなエリオットと一つになれている事、嬉しいの。入ってきてくれる時、少し痛みがあったって言ったら……心配されるかな? でも、エリオットと一緒だから、大丈夫……初めては、赤いものが見えてしまうと聞いた事がある……後で、それを見てしまっても、私は、大丈夫だったと思ってね。
さっきも言ったけど、私が身も心も捧げたいのは、そこにいる神さまの像じゃない。エリオット、あなたよ。一つになれて、本当に嬉しいの。うん。私は、エリオットのお嫁さんになる……あれ? 私、どうして磔になっているの……あ、そっか……私、魔王エリオット・ジールゲンの生贄になったのだった……動いて、大丈夫……このまま、何度も、貫いてください……」
「アリス、いい子だ。
我が妃として相応しい様を見せてくれたね。まあ、まだ魅惑の魔法が解けてしまえば、心の迷いに振り回されるのだろうが――よしよし。頬に触れてやっただけで、舌を伸ばして、僕を求めてしまうのか。指を舐めてくれるなんて、実に可愛らしいよ。
磔台に、まだ縛られていたいのか?」
「はい……私は、魔王の花嫁であり生贄だから……おぞましい『聖なる力』が、私の中からすべて消えるまで、何度も、何度も、貫いてください……生贄の私は、貫かれる為に、磔台に縛られているのだから……魔王に貫かれる為に、磔になっているのだから……」
「妃からの願い、聞き届けない訳にはいかないな。では、情事を二人で楽しもう。アリスがしっかりと快楽に溺れる事で、僕は、何度でも君を貫けるよ。たっぷりと『魔の力』を注いであげよう――」
「はい……私は、私は……あれ……あれ? エリオット? ……悪魔の像の事、エリオットは知っている? みんな、怖いって言うけど、私は嫌いじゃない。大聖堂にはいろいろな像があるけど、一番自由なのは、あの悪魔たち。私も、悪魔になったら自由を得られるのかしら? エリオットに『魔の力』を注がれたら、私も、悪魔に……あは、あは……私の中で、激しく動いている……エリオットが、激しく動いている……ああ、あ、あ……うん。胸も触って……あは、あは……身体のすべてを感じさせて……心がおかしくなるほど弄って……聖女の私が、魔王エリオット・ジールゲンにすべてを捧げる事で、世界が救われるんだから……でも、私は自由なの……あれ? どうなっているの……あれ……?」
ふふ。しっかりと愛慾に溺れた後故、僕の唇に吸われる痛みが快感へと変わったようだね。荒い息を吐きながら、最後は、この魔王エリオット・ジールゲンに仕留められる事を受け入れてくれたので嬉しかった。
アリスが呼吸を御そうとしながら、首もとに愛の証たる痣が刻まれていくのをただ待ってくれていて、僕も快然とした思いのままこの愛撫を行う事ができたよ」
「せ……聖女に生まれた私が、免れぬ罪咎を背負ってしまったから……はあ、はあ……だから、大聖堂のみんなは……おどろ……い……いっ! あは、あはっ! エ、エリオット……ゆび、入れないで……わたし、あしが閉じられないのに……さ、裂け目に指を入れられた……ら……あは、あは、あ、あ、ああ……あはっ!」
「先ほど、裂け目に尻尾を入れられ悦びを感じてくれていたが、今は、僕の指に貫かれる事を楽しんでほしい。濡れている音、君の耳にも届いているだろ? 大丈夫。空いている方の手は、アリスの肩に触れていてあげよう」
「ゆ……ゆび……押し込まないで……はあ、あは」
「ここには、君を傷つけようとする者などいないから、安心して。
君の腕を繋ぐ磔台は、咎人が縛られる罪木ではない。乱暴で、下劣な人間どもの行いからアリスを護る役を担っているんだ。君自身だって、奴らのもとに戻るのを怯えているんだろ?
聖女の一族の者が、胸を突かれて果てる時、『聖なる力』が放たれるという。
悪魔と契り、『聖なる力』が残り僅かになってしまったというのなら、胸を突かれて果てろと――人間どもの世界では禁忌の呪とされる悪魔召喚を執り行い、君の命を使って、できる限り多くの魔を絶つという……俗衆統制に誂え向きの横謀を、大聖堂の連中は、底企みしたのではないかな?
人間に化けていた頃、君も心を痛めていると聞かせてもらったが……広場で、俗衆監視のうちに催される、下らない誅罰の見世物に、聖女であるアリス自身が使われそうになった……そういう事だろ!」
「ゆ、指……くんっ! くんっ! エリオットの指が、出て入って……出て入ってが、激しくて……はあ、はあ……濡れていく音が……激しくて……あは……くんっ! くんっ! ち、ちがう……聖女なのに、私が、魔王を好きになってしまったから……だから、人の世界においては、罪を背負う身になってしまったから……あは、あは、あは……む、胸を、触手が強く締めてきていて……さ、先っぽを……胸の先っぽを……触手に弄られていて……あは、あは……」
「僕だけの聖女さま、心の内のすべて、快楽に委ねてしまえばいい。その磔台は、君を悦楽の極みへと導く手助けをする為にあるとも考えてもらってよいんだ。
二人共に楽しむ時間も重要だが、アリスを楽しませてやる事が最も大切だよ。枷や魔力で拘束しているのは、悦びにひたすら沈んでほしいから。胸を突き出していた方が、先端を触られたり、やわらかな部分を揉まれたりした時に気持ちいいだろ? 足を大きく開いていた方が、陰部を弄られた時に心地よいだろ? 首や腹などに迫るものがいると気づいても、逃げられない。目や耳で、そう知覚した後に快感が襲ってくる方が、より深い味わいになるのではないかな。
さあ、人間どもに与えられた苦痛を忘れる為にも、この魔王エリオット・ジールゲンが用意した、色欲くすぐる興を楽しんでほしい。
ああ。
足、もう少し持ちあげてやろう」
「や……やめて……わ、私が、聖女としてのつとめを果たせなかったから、みんなは……あは、あは……ひっ! あ……あ……細いの……ほ、細い触手で、裂け目をひろげないで……やめ……あっ! あ、あ、ああ、ああっ! し、尻尾っ! 尻尾が、入ってる! あはっ! あはっ! え……あ……や、やめて……そんなに、優しい手つきで……く、首を撫でないで……息を吹きかけながら……耳に迫ってきて……甘く、噛まないで……はあ、はあ……聖女の私は、魔王の花嫁になってはいけないの……私は、魔を滅ぼす『聖なる力』を宿しているから……だから、だめ……」
「……赤い横髪の下に覗く君の耳、唇の内に含んで味をたしかめたくなるほど美しく見えたから。
ふふふ。
派手な粧飾を施しただけの無価値の神像などより、大聖堂の構えから排されそうなぐらい突き出ている悪魔に惹かれていたんだろ?
人間どもの言葉を借りて言うなれば、雨は、天からの恵み。『聖なる力』の象徴だと誇示する為に用意された堂舎には不要であると、天からの恵みを弾き出すという野放図な振る舞い。人間どもは、己が利に反すると思えば、霊験あらたかだと祭りあげたものすら、いとも容易く切り捨ててしまう生き物だ。だが、アリスは違う! 気づいていた! 天からの恵みを民に与えているのは、悪魔の方であると……そうだよ。『魔の力』を得る事こそ、君が護りたいと願ったすべてのものを救う術――」
「あは、あは……あああ、あ、あ、あんっ! ……胸を、ゆっくりと、撫でないで……はあ、あは……エリオットの手に、優しく扱われると……私、おかしく……おかしく……あは……あは……あれ? ……みんなを救うには、『魔の力』が必要……私自身が、魔の者になれば……みんなを護れる……あれ? 私、どうしたのかしら……あれ……あは、あは……エリオット……胸の先を、舐めないで……あは、あは……ほっぺを、舐めないで……あはあは」
「頬への口づけも、楽しんでくれた? 初めての晩のように、気恥ずかしそうに顔を赤くする様、可愛らしかったよ。
聖女さま、君は、立派につとめを果たしているじゃないか。魔王エリオット・ジールゲンの心をつかんで離さない。君が、その役になった事で消えぬ人里がいくつあったと思うんだ!
愛しい君のそばにいたいと考えてばかりで、災厄をもたらす暇もない。手空きに、炎や風や水を操り、人間どもに奇禍を与えてやる事はあったが、聖女さまが愛らしい様で寄り添ってくれるというのに、それを差し置いてまで事変を起こしに行こうとは思わない。
ああ。
今度は、陰核を舐めてあげよう……」
「ああ……ああ……ゆっくりと、舌で舐めないで……あっ! は、激しくしないで……あは……あは……ひっ! す、吸いついている? す、吸っている! エ、エリオット……く、唇を、陰核にあてないで……あはは」
「……魔王を虜にするほど、魅せる様の聖女が、世界を救う物語……」
「あは……あは……やめて……下を舐めないで……あはは……え……あ……魔王を虜にするほど魅せる? ……聖女の私が、魔王を虜にすると、天地の禍が鎮まる……聖女の私が……魔王を……」
「……聖女が、魔王に身も心も捧げ、世界を救う物語……」
「う……う……くんっ! エリオット……し、舌を……裂け目に、入れないで……あは、あは……あ、足を大きく開かれて……裂け目に舌を入れられたら、変な気持ちに……あ、ああ、ああ……はあ、はあ……し、舌が入って……あは、あは……はあ、はあ……聖女の私が、魔王エリオット・ジールゲンに身も心も捧げる物語……あは、あは……」
「……永遠の愛を誓った聖女が、魔王と繋がり、世界を救う物語」
「ああっ! エリオット、やめて! わ、私に『魔の力』を注ぐ気……こ、こんな風に、磔台に縛られたままの私に注ぐ気……やめて、裂け目にあてがわないで……や、やめ……あれ……そう、私は、聖女として世界を救う……そういう物語……魔王と聖女が、繋がる物語……」
「聖女が、魔王の花嫁になり、世界を救う物語――」
「あ、あ、ああ……エリオット、裂け目にあてがわないで……ああ……ま、魔王の花嫁に、聖女がなれば……私が、魔王エリオット・ジールゲンの花嫁になれば……世界が救われる……そういう物語……あ、あ、あ、あっ!」
「……聖女さま、大祭壇の上の神さまと僕、どちらが好き?」
「あ、ああ……わ、私は……わたしは……私は、エリオットを受け入れられたのね……初めてで、少し怖かったけど、大好きなエリオットと一つになれている事、嬉しいの。入ってきてくれる時、少し痛みがあったって言ったら……心配されるかな? でも、エリオットと一緒だから、大丈夫……初めては、赤いものが見えてしまうと聞いた事がある……後で、それを見てしまっても、私は、大丈夫だったと思ってね。
さっきも言ったけど、私が身も心も捧げたいのは、そこにいる神さまの像じゃない。エリオット、あなたよ。一つになれて、本当に嬉しいの。うん。私は、エリオットのお嫁さんになる……あれ? 私、どうして磔になっているの……あ、そっか……私、魔王エリオット・ジールゲンの生贄になったのだった……動いて、大丈夫……このまま、何度も、貫いてください……」
「アリス、いい子だ。
我が妃として相応しい様を見せてくれたね。まあ、まだ魅惑の魔法が解けてしまえば、心の迷いに振り回されるのだろうが――よしよし。頬に触れてやっただけで、舌を伸ばして、僕を求めてしまうのか。指を舐めてくれるなんて、実に可愛らしいよ。
磔台に、まだ縛られていたいのか?」
「はい……私は、魔王の花嫁であり生贄だから……おぞましい『聖なる力』が、私の中からすべて消えるまで、何度も、何度も、貫いてください……生贄の私は、貫かれる為に、磔台に縛られているのだから……魔王に貫かれる為に、磔になっているのだから……」
「妃からの願い、聞き届けない訳にはいかないな。では、情事を二人で楽しもう。アリスがしっかりと快楽に溺れる事で、僕は、何度でも君を貫けるよ。たっぷりと『魔の力』を注いであげよう――」
「はい……私は、私は……あれ……あれ? エリオット? ……悪魔の像の事、エリオットは知っている? みんな、怖いって言うけど、私は嫌いじゃない。大聖堂にはいろいろな像があるけど、一番自由なのは、あの悪魔たち。私も、悪魔になったら自由を得られるのかしら? エリオットに『魔の力』を注がれたら、私も、悪魔に……あは、あは……私の中で、激しく動いている……エリオットが、激しく動いている……ああ、あ、あ……うん。胸も触って……あは、あは……身体のすべてを感じさせて……心がおかしくなるほど弄って……聖女の私が、魔王エリオット・ジールゲンにすべてを捧げる事で、世界が救われるんだから……でも、私は自由なの……あれ? どうなっているの……あれ……?」
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