32 / 34
Act 12
Ritual
しおりを挟む
「い……やぁ……尻尾を入れないで……あは、あは……ち、ちがう……違うの……はあ、あは……いやぁ……このままだと……あ、あ、あ……い、いや……し、尻尾を……奥に入れようとしないで……いや……いや……」
「頬を赤くし、熱い息を吐き、顔を艶めかしく歪めて――嫌がっているようには見えないな。
ははっ!
瞼を閉じて、目に何も入れないようにしても無駄だよ! ふふ。背の向こうの事を教えてあげる。祭壇の上に、偽りの神さまはいない。悪魔がいるんだ。
雨樋の役の悪魔は、翼を閉じているが、僕らの婚礼を見守るつとめを果たす像は違うんだね。
魔界の空には、泥土の暗色でくすんだ朧雲が、禍々しい様で漂っている。大地を陰で覆う為だ。悪魔の像は、その空に相応しい闇色の翼を大きく開いている。颯々と響きを立て、君臨する者になるだろう。これは、君自身を表現しているのではないか?
僕は、君の麗しい黒と一つになりたい。魔王エリオット・ジールゲンが纏うべき真の烏夜は、花嫁の身そのもの。されば、僕も衣など必要ない。アリスが選んでくれた、あるべき姿で婚礼の儀に臨みたい」
「もう、やめて……あ、あ……い、糸が、胸に巻きついて……ひぁ……ゆ、ゆっくり、胸を刺激しないで……あは……糸なのに、どうして、こんなにやわらかい……あは、あは……糸に巻かれているのに、揉まれているような感覚が……はあ、はあ……あは、私の胸の中……これ以上、だめ……ひぁ! エ、エリオット……どこを舐めて……あはは」
「……翼の根を舐められるのは、気持ちいい? 人の身だった頃、背を舐めてやると嬉しそうな様子を見せてくれる事はあったが、今の反応は明らかに違う。極致に達するほどの快感が襲ってきたんだろ? 人ならざる者になった故の甘美を堪能してほしい」
「あ、あ、あ……翼を舐めないで……あは……やめて、私の罪の権化に等しい、その黒い翼を、刺激しないで……あ、あっ! くんっ! くんっ! し、尻尾を、裂け目に押し込まないで……あはは……こ、腰を撫でないで……すごく、変な気持ちに……はあ、あは……」
「この婚礼の儀により僕の妃となり、アリスは、魔族の王侯になる。
人間どもは、絶大な『聖なる力』を宿す君を崇めていたが、それは、無根の風説も同然。利用価値が高い、便益な持ち駒を飾り箱に閉じ込めていただけ。掌中の珠ではなかった。しかし、魔王をも魅し、縁付く事になった君は、まさに生まれながらに統べる力を宿す天子であった! 光も闇も、聖も魔も、あまねくを知ろしめす女王となる定めだったんだ。さあ、覇者としての威容を誇るように、背の黒翼を揺らしてくれ。その羽ばたきから生じた魔風で、煩わしさしかない人間どもの俗界を滅尽に至らせてしまうといい!」
「……私は、覇を唱える証の札を持っていない。人間の世界に戻る門札も持っていない。そして、エリオットと愛の文を通わす為に書札に向かって筆をとった記憶も持っていてはいけない。
魔王に仇なす『聖なる力』を宿して生まれたのに、人の聖女として果てる事を唯一とできず、欲深く、エリオットを愛してしまった。滅尽に至るべきは、貪婪な私よ……消して……このままでは、きっと、胸が裂けてしまうから……早く。エリオット、お願い」
「アリス、胸が裂けると思うほど、慶祝の日を迎えられた事が嬉しいのかい? 落ち着いてくれ。大きな変化に際し、考えが偏狭になってしまっているだけだよ。案じず、僕に注がれた『魔の力』に従ってしまえばいい。大丈夫。本質的な変化に至ろうとする君の想いに応じ、生命としての構造のすべてが魔へと転じ……ああ。身の奥より流れてきて止まらぬ強大な力に、畏怖の念を抱いてしまったのではないか? 怯えているというのなら、顔をほころばせてやりたい。翼を弄んでやれなくなるが、君の前に回るね。悦んでいる表情をたくさん見せてほしい」
「お願い。黒い翼を背に負い、魔の者になり果てようとしている私を、あなたの前から消して……魔王であるあなたの目の前から消してしまって……あ! あ、あ、あうっ! や、やめて……胸を、揉まないで……やめて……あはっ! し、下……あ、あ、あ……ゆ、ゆっくり、指を動かさないで……い、陰核を弄らないで……あ……あ……」
「下、もっと触ってほしいの? ねっとりと僕の指に絡んできてくれて嬉しいな。
そうだっ!
絡むと言えば、君の腕の自由を奪っている糸は、魔界蜘蛛の糸張りを思い浮かべながら術を使ってみたんだ。蜘蛛は、道行く標として糸を引いて歩くという。それは、危難が生じた際に身を護る術の一つ。君に迫る害があったとしても、繋がっていれば、すぐに僕の庇護下にたぐり寄せてやれる。大慶至極の日だからこそ、験を担ぐような趣はいくつあってもよいはず。
ふふふ。
もちろん、魔界の賀儀に相応しいものでなくてはならない。花嫁のすべてが魔王のものになる意を表す為、罠にかかった獲物として、アリスを喰ってしまうのも一興かな?
四方八方へ伸びず、ひとすじふたすじであるが、僕の魔力で作られた糸は、決して君の身をはなす事はない」
「あ、足に糸が巻きついて……ひっ! ひ、開かないで……糸で引っ張って、足を開かない……で……え……ひぁ……や、やめて……よ、横から、舌を伸ばして……おしり、舐めないで……あはぁ……腰やおなかに、舌をあてないで……足が開いたままなのに……そんなところを、舐められたら……あは、あは」
「……ああ。雫を垂らしてくれたね。嬉しいな。実に、愛らしい。
糸と糸を交わらせて、円を描くように編んだ網で絡め取った後に獲物を狩る様、魔の戯れとして感興をそそるが、すじ網にかかったアリスを引き寄せるように僕のもとに招くのも、情交を結ぶ前に接するあり方として面白いと思わないか?
足腰や翼を揺らし、抗する可愛らしい仕草を見せている君の身に、少しずつ糸を巻きつけていく。魔糸の白に彩られながら吊られ、動けぬ捧げものになり果てた君を、優しく抱きしめてあげる。
触れられるたび、艶めかしく顔を歪める様を見せ、婀娜なる大きな声を響かせ、魔王の目や耳の放楽になるんだ。それは、糸に包まれていく道すがらも同じ。ほら、胸の下を糸で巻かれてしまうといい。膨らみの頂にある美しい紅を、僕の唇に預けて――」
「ああっ! む、胸の先……や、やめて、胸の先を咥えて、し、舌をあてないで……く、唇の奥に含んで、胸の先を舐めないで……ひぃ……も、腿に糸が……糸が、這うように、あがってきて……足に絡みついて……あ……む、胸、糸が食い込んで……あ……胸、咥えたまま、は、激しく吸わないで……心が、これ以上、おかしくなったら……私は……あは、あは」
「……苦役を課せられ、生命の必滅をもたらすという禁断の果実。今、僕が口に含んでいたのがそれだとしても、損なうものなど何もない。このように色を感じる深い味わいを得て、快楽に耽溺せぬというのなら、その方が我が花嫁に対し不徳と言えよう。
ああ。
人間どもの神話に出てくる生り木の果実の話を、君がしてくれた時の事を思い出したんだ。嫁いでもらった後も、何も知らぬ俗人として過ごした記憶は、二人の大切なものとして残していこうと考えているので安心してほしい。魔界に愛の園を築き、僕と君の為の理想郷を形にしていこう。
花嫁、もう一度、胸の先を僕の口の中へ――美酒佳肴並ぶ、絢爛たる婚儀の卓は、その膨らみ……」
「く……くぁああ……胸の先、咥えたまま……な、舐めないで……あは……胸の先を、優しく、唇で噛まないで……くぁあ……い、糸が、腰に巻きついてきて……ああ、腰を刺激しないで……あは……こ、腰の下……両手で、おしりを撫でないで……あ、あ、あ……あ……し、尻尾で、い、陰核を弄らない……で……こ、これ以上、現に想いを残したくない……はあ、はあ……『聖なる力』と『魔の力』が重なったら……すべてが……すべてが、おかしくなるかもしれない……はあ、はあ……だから……あ、あ、あ、ああっ! し、尻尾が、裂け目のなか……に……あ、あ、あ、あ!」
「頬を赤くし、熱い息を吐き、顔を艶めかしく歪めて――嫌がっているようには見えないな。
ははっ!
瞼を閉じて、目に何も入れないようにしても無駄だよ! ふふ。背の向こうの事を教えてあげる。祭壇の上に、偽りの神さまはいない。悪魔がいるんだ。
雨樋の役の悪魔は、翼を閉じているが、僕らの婚礼を見守るつとめを果たす像は違うんだね。
魔界の空には、泥土の暗色でくすんだ朧雲が、禍々しい様で漂っている。大地を陰で覆う為だ。悪魔の像は、その空に相応しい闇色の翼を大きく開いている。颯々と響きを立て、君臨する者になるだろう。これは、君自身を表現しているのではないか?
僕は、君の麗しい黒と一つになりたい。魔王エリオット・ジールゲンが纏うべき真の烏夜は、花嫁の身そのもの。されば、僕も衣など必要ない。アリスが選んでくれた、あるべき姿で婚礼の儀に臨みたい」
「もう、やめて……あ、あ……い、糸が、胸に巻きついて……ひぁ……ゆ、ゆっくり、胸を刺激しないで……あは……糸なのに、どうして、こんなにやわらかい……あは、あは……糸に巻かれているのに、揉まれているような感覚が……はあ、はあ……あは、私の胸の中……これ以上、だめ……ひぁ! エ、エリオット……どこを舐めて……あはは」
「……翼の根を舐められるのは、気持ちいい? 人の身だった頃、背を舐めてやると嬉しそうな様子を見せてくれる事はあったが、今の反応は明らかに違う。極致に達するほどの快感が襲ってきたんだろ? 人ならざる者になった故の甘美を堪能してほしい」
「あ、あ、あ……翼を舐めないで……あは……やめて、私の罪の権化に等しい、その黒い翼を、刺激しないで……あ、あっ! くんっ! くんっ! し、尻尾を、裂け目に押し込まないで……あはは……こ、腰を撫でないで……すごく、変な気持ちに……はあ、あは……」
「この婚礼の儀により僕の妃となり、アリスは、魔族の王侯になる。
人間どもは、絶大な『聖なる力』を宿す君を崇めていたが、それは、無根の風説も同然。利用価値が高い、便益な持ち駒を飾り箱に閉じ込めていただけ。掌中の珠ではなかった。しかし、魔王をも魅し、縁付く事になった君は、まさに生まれながらに統べる力を宿す天子であった! 光も闇も、聖も魔も、あまねくを知ろしめす女王となる定めだったんだ。さあ、覇者としての威容を誇るように、背の黒翼を揺らしてくれ。その羽ばたきから生じた魔風で、煩わしさしかない人間どもの俗界を滅尽に至らせてしまうといい!」
「……私は、覇を唱える証の札を持っていない。人間の世界に戻る門札も持っていない。そして、エリオットと愛の文を通わす為に書札に向かって筆をとった記憶も持っていてはいけない。
魔王に仇なす『聖なる力』を宿して生まれたのに、人の聖女として果てる事を唯一とできず、欲深く、エリオットを愛してしまった。滅尽に至るべきは、貪婪な私よ……消して……このままでは、きっと、胸が裂けてしまうから……早く。エリオット、お願い」
「アリス、胸が裂けると思うほど、慶祝の日を迎えられた事が嬉しいのかい? 落ち着いてくれ。大きな変化に際し、考えが偏狭になってしまっているだけだよ。案じず、僕に注がれた『魔の力』に従ってしまえばいい。大丈夫。本質的な変化に至ろうとする君の想いに応じ、生命としての構造のすべてが魔へと転じ……ああ。身の奥より流れてきて止まらぬ強大な力に、畏怖の念を抱いてしまったのではないか? 怯えているというのなら、顔をほころばせてやりたい。翼を弄んでやれなくなるが、君の前に回るね。悦んでいる表情をたくさん見せてほしい」
「お願い。黒い翼を背に負い、魔の者になり果てようとしている私を、あなたの前から消して……魔王であるあなたの目の前から消してしまって……あ! あ、あ、あうっ! や、やめて……胸を、揉まないで……やめて……あはっ! し、下……あ、あ、あ……ゆ、ゆっくり、指を動かさないで……い、陰核を弄らないで……あ……あ……」
「下、もっと触ってほしいの? ねっとりと僕の指に絡んできてくれて嬉しいな。
そうだっ!
絡むと言えば、君の腕の自由を奪っている糸は、魔界蜘蛛の糸張りを思い浮かべながら術を使ってみたんだ。蜘蛛は、道行く標として糸を引いて歩くという。それは、危難が生じた際に身を護る術の一つ。君に迫る害があったとしても、繋がっていれば、すぐに僕の庇護下にたぐり寄せてやれる。大慶至極の日だからこそ、験を担ぐような趣はいくつあってもよいはず。
ふふふ。
もちろん、魔界の賀儀に相応しいものでなくてはならない。花嫁のすべてが魔王のものになる意を表す為、罠にかかった獲物として、アリスを喰ってしまうのも一興かな?
四方八方へ伸びず、ひとすじふたすじであるが、僕の魔力で作られた糸は、決して君の身をはなす事はない」
「あ、足に糸が巻きついて……ひっ! ひ、開かないで……糸で引っ張って、足を開かない……で……え……ひぁ……や、やめて……よ、横から、舌を伸ばして……おしり、舐めないで……あはぁ……腰やおなかに、舌をあてないで……足が開いたままなのに……そんなところを、舐められたら……あは、あは」
「……ああ。雫を垂らしてくれたね。嬉しいな。実に、愛らしい。
糸と糸を交わらせて、円を描くように編んだ網で絡め取った後に獲物を狩る様、魔の戯れとして感興をそそるが、すじ網にかかったアリスを引き寄せるように僕のもとに招くのも、情交を結ぶ前に接するあり方として面白いと思わないか?
足腰や翼を揺らし、抗する可愛らしい仕草を見せている君の身に、少しずつ糸を巻きつけていく。魔糸の白に彩られながら吊られ、動けぬ捧げものになり果てた君を、優しく抱きしめてあげる。
触れられるたび、艶めかしく顔を歪める様を見せ、婀娜なる大きな声を響かせ、魔王の目や耳の放楽になるんだ。それは、糸に包まれていく道すがらも同じ。ほら、胸の下を糸で巻かれてしまうといい。膨らみの頂にある美しい紅を、僕の唇に預けて――」
「ああっ! む、胸の先……や、やめて、胸の先を咥えて、し、舌をあてないで……く、唇の奥に含んで、胸の先を舐めないで……ひぃ……も、腿に糸が……糸が、這うように、あがってきて……足に絡みついて……あ……む、胸、糸が食い込んで……あ……胸、咥えたまま、は、激しく吸わないで……心が、これ以上、おかしくなったら……私は……あは、あは」
「……苦役を課せられ、生命の必滅をもたらすという禁断の果実。今、僕が口に含んでいたのがそれだとしても、損なうものなど何もない。このように色を感じる深い味わいを得て、快楽に耽溺せぬというのなら、その方が我が花嫁に対し不徳と言えよう。
ああ。
人間どもの神話に出てくる生り木の果実の話を、君がしてくれた時の事を思い出したんだ。嫁いでもらった後も、何も知らぬ俗人として過ごした記憶は、二人の大切なものとして残していこうと考えているので安心してほしい。魔界に愛の園を築き、僕と君の為の理想郷を形にしていこう。
花嫁、もう一度、胸の先を僕の口の中へ――美酒佳肴並ぶ、絢爛たる婚儀の卓は、その膨らみ……」
「く……くぁああ……胸の先、咥えたまま……な、舐めないで……あは……胸の先を、優しく、唇で噛まないで……くぁあ……い、糸が、腰に巻きついてきて……ああ、腰を刺激しないで……あは……こ、腰の下……両手で、おしりを撫でないで……あ、あ、あ……あ……し、尻尾で、い、陰核を弄らない……で……こ、これ以上、現に想いを残したくない……はあ、はあ……『聖なる力』と『魔の力』が重なったら……すべてが……すべてが、おかしくなるかもしれない……はあ、はあ……だから……あ、あ、あ、ああっ! し、尻尾が、裂け目のなか……に……あ、あ、あ、あ!」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる