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「素直に婚姻届けにサインしたらどうだ? 僕の許可がない限り、独房内で過ごしてもらう」

[独房]結婚したら超高層階が自宅? でも、私の居場所は、牢獄の中という事

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「さあ、天王寺先輩。ここが、君の部屋だ。
 お疲れのようだね。
 身体を預けるベッドの寝心地は、どうかな?
 手狭てぜまだが、安心してくれ――君が何をしているかは、監視カメラですべて見させてもらうつもりだから。
 ふふ。
 どうせ、君の事だ。
 すぐには、婚姻届けにサインをくれないだろうと思って、用意しておいたんだ。
 独房をな。
 だが、妻になると言ってくれるだけで、昨晩過ごしてもらった、洗練されたデザインの調度ちょうどが並ぶ部屋のあるじになれるんだ。
 僕と身体を重ねながら眺めた、超高層階からの夜景が、とても綺麗だっただろ。
 世界の頂点の象徴たる、タワー『スカイ・オブ・パーツ』が、君の私邸となる。
 どうだい?
 早めの決断をおすすめしておくよ」

「……私を縛りあげたり、仕置きをする為の道具が並ぶ、あの部屋のあるじになれと言っているのか……エリオッ……あっ!
 や、やめ……胸に、手を……あっ!
 は、はなして……も、もうやめ……はうっ」

「あはははっ!
 昨日は、久々に二人きりで夜を過ごせて、君も、本当に楽しそうにしてくれて嬉しかったよっ!
 お楽しみすぎて、興奮し、よく眠れなかったのかい?
 ふふふ。
 朝起きて、僕の部屋からこの独房に連れてこられる間、とても大人しくしていたじゃないか!
 電子目隠しに、視力と聴力を奪われ、さらに、手錠をかけられていたとはいえ、反意など見せずに、僕の腕の中にいたっ。
 連れて行かれた先でも、また快楽を与えてもらえるのかもしれないと期待していたんじゃないか!」

「ちが……はぅ……あっ!
 あっ! あっ! ああああっ!」

「ははっ。
 嘘はよくないな。
 上も、下も、まだ下着の隙間から手を入れられているだけなのに、もう、そんなに顔を赤くして、息が荒いじゃないかっ!
 勘違いしてもらっては、困るな。
 独房に収容する目的は、在監者ざいかんしゃから心行こころゆかしになるような娯楽を奪い、改心悔悟かいしんかいごうながす為なんだ!
 僕の手にでられながら、狭いベッドの上で、気持ちよさそうに身体を揺らしたりして――世界の支配者たる、このエリオット・ジールゲンに手向かう行為を散々した罪で、身柄を拘束され、刑徒けいととなった事を、すっかり忘れているんじゃないかっ。
 あははははっ!
 天王寺先輩。
 まだ、が昇ってすぐの時間だというのに、もう夜が待ち遠しいのかい?
 僕の寝所ねどこに連れ込まれ、縛りあげられ、もてあそばれるのを、期待しているんだろっ」

「そ……そん……な……あう!
 エリオッ……ト……。
 はうっ! ああんっ」

「ほら、ほんの少しさわってやっただけなのに、息苦しそうじゃないかっ。
 らされて、苛立いらだち、息が詰まってしまったのかい?
 忘我ぼうがきょうに至るほどのえつに、今すぐれず、いたたまれなくなり、を伴った熱く湿ったものを口から吐き出している。
 ふふ。
 嫌だと思っているのなら、拒絶する素振そぶりを見せてもらいたいものだ。
 おおっと!
 おいおいっ。
 言われて、思い出したように、僕の手をはねのけようとするなんて……くくっ。
 本当に、天王寺先輩は、可愛らしいなあ。
 僕に命令されたら、うやうやしいさまを見せてくれるなんてね!
 ああ。
 そういう事か。
 気づかず、すまない。
 大罪を犯した事、心の底から反省し、これから毎夜、鎖に手足の自由を奪われたまま、処され続けるつもりがあるのか。
 『法』と等しく、統べたる者である、このエリオット・ジールゲンを悦ばせる事で、あがないをしたいと――」

「エ、エリオットっ……し、したぎ……下着っ!
 や……や、やめて……足を持たないで……下着、か、返して……きゃあっ!」

「ふふ。
 二人で横になるには、せせこましすぎるベッドだが、天王寺先輩がそれほど強く望んでくれているのなら、『夫』となる僕としては断る訳にはいかない。
 いろいろおこなうには、余裕のない環境だが、それは、夜の楽しみとしてとっておこうじゃないか」

「わ、私を……ど、どうする気……や、やめ……あっ!
 ああっ!
 はうっ! はううううっ!」

「どうするって……ははっ。
 縛られてもいないのに、シーツの上で大人しくするさま――そんなに快楽に溺れてどうしたんだいっ!
 シャツのボタンを、一つ一つ外されても、あだなすような素振そぶりを見せなかったじゃないかっ。
 あはは。
 さらけ出された胸の先が、すでに尖っているっ。
 そのを捧げたいと、みずから申し出てきてくれるなんてね。
 昨晩、数年ぶりに、僕に貫かれた事が、嬉しかったんだろ!
 あーあ。
 天王寺先輩。
 君を――天王寺アリスを、僕の軍事政権を倒す為の戦術を授けてくれる、正義の軍師だと信じていた連中は、どう思うのだろう?
 『敵対』相手のエリオット・ジールゲンのとぎに臨んで、胸や陰部をもてあそばれながら、喘ぎ声をあげているような女の事をな!」

「や、やめ……はうぅ……あっ!
 ああっ!」

「うんうん。
 ベッドに鎖で繋がれたまま、『敵対』相手からの尋問をたっぷり受けたので、ぐったりとしているのだったな。
 ははは。
 よかったじゃないか。
 あつらえ向きの言い訳があって!
 実に申し開きがしやすい!
 あはっはははっ。
 捕虜の待遇は、思わしいんじゃないか!
 僕と身体を重ねて楽しんでいる癖に、そのすべては、強要された事だとすればいいんだからなっ」
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