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しおりを挟む今日も、中庭で昼食を食べながら、会話の練習をする。お弁当は、卵サンドとフライドポテトだ。卵はオムレツタイプで、少し甘めに味つけをした。
ララは、レオンと話してみて、疑問に思っていたことを聞いてみる。
「今までお話をして、やっぱりレオンさんは、女性とお話しするのが苦手なようには感じないのですが」
「……それは、ララさんがお話し上手だからじゃないでしょうか。私は……農家の男兄弟ばかりの家で育って、そのまま従士になったので、女性とお話しする機会がほとんどなかったんです。何度か、女っ気の全くない私を見かねて、同僚が知り合いの女性を紹介してくれたのですが、まともに話すことができなくて……今回のお見合いの話も、上司がそんな私を見かねて、話を持って来てくれたんです。なので、せめてまともに会話ぐらいはできなければ、上司の面目が立たないと思いまして……」
――ま、真面目だ!!
「確かに、異性と接する機会が少なければ、緊張してしまいますよね。私も昔はそうでしたよ? 母の職場の食堂のお手伝いをする様になってからは、色んな人と接する機会が増えて、平気になりましたけど。なので、慣れです!」
「慣れ、ですか……」
「はい。私も始めは、男性と接するのが怖かったのですが、だんだんと緊張しなくなったので」
4才の時に、ララの父は、母とララを置いて家を出ていった。女手ひとつで育てられ、ララは、男性の免疫があまり無かった。学校を卒業し、司書の資格を取る傍ら、食堂の手伝いをし、ララのことを本当の娘の様に可愛がってくれる、気のいいおっちゃん達に出会ったことで、普通に話せるくらいにはなったのだ。
「なるほど……、確かに、ララさんは小柄ですし、男性に対しては恐怖心を抱いてしまうかもしれません。私は男なのに、女性に緊張してしまうなんて情けないです。ララさんは偉いですね。自分が苦手なことにも、ちゃんと向き合っている」
「いえ! 知らないことは、誰でも怖いです。でも、それだって、きっかけさえあれば知ることができるんですから。たまたまレオンさんは、お仕事を一生懸命にされていて、知る機会が無かっただけですよ。だって、始めから姉妹に囲まれて育ったら、そんなことはなかったと思いますよ?」
レオンが、目をぱちくりとさせる。その表情が、なんだか可愛いと思ってしまう。
「……確かに。そうかもしれませんね」
ふ、と笑って、優しい声で言われ、なぜかドキドキしてしまった。
春は、一番発情しやすくなる時期だ。
毎日、自分を慰める事をしていても、時折、日中疼く様な時があり、ララは、嫌々ながらも何度か達するまで、自分を慰めることをしていた。中々達しない、自分の身体を弄り続けていては、敏感な部分が痛くなってしまう。保湿用のオイルなどを塗ったりもするが、ヒリヒリとした痛みが常にあった。なんとか、簡単に達する事ができないかと考えながら、今夜も自分を慰めていた。そういえば、男性が自分を慰める時に、頭の中で好きな人や、好みの女性を思い浮かべると聞いたことがあるのを思い出す。その時は、そういった行為を気持ち悪いと思ってしまったけれど、苦痛でしかないこの行為をなんとかしたくて、ララは、レオンの声をふと思い浮かべてしまった。
――ララさん
「っ、んっ」
ぞわりと肌が粟立ち、一瞬で達してしまい、ララは呆気にとられる。レオンに対する申し訳なさと気まずさで、いたたまれなくなって、布団にぼふっと突っ伏した。
「わー、ごめんなさい!」
と、思わず叫ぶ。
自分がされて気持ち悪いと思ったことを、よりにもよって超真面目なレオンに対してしてしまい、申し訳なさが倍増する。
――こんなことをしていたら、レオンの顔をまともに見られなくなってしまう。
ララは深く反省し、もうしません。と、心に誓った。
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