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しおりを挟む「私は、ララさんが大切なので、ララさんが嫌がることは出来るだけしたくないと思っています。……ララさんは、男性に触れられるのが苦手なように感じるのですが、私が、ララさんに触れるのは、嫌では、ないですか?」
レオンに遠慮がちに聞かれ、ララは、子供の時のことを思い出していた。
「…………父は、私が小さい時に出て行ったんです。そのあと、私が9才くらいの時に、初めて母に恋人ができたんです……その、その相手の男の人に、身体を、触られたことがあって」
レオンの眉間に皺が寄り、ぐっと身体に力が入っている。
「その時はなんでなのか分からなくて、でも、気持ちが悪かったことだけは覚えていて……だから、男の人に、急に触られるのを、怖く感じる時は、あります」
「…………そんなことが、あったんですね」
レオンの声が硬い。
「……でも、レオンさんに触れられて、嫌だと思ったことも、怖いと思ったこともありません! 誰かに、男の人に、触れて欲しい……と思ったのは、レオンさんが、初めてだったんです」
レオンの顔が真顔になり、額に手を当てる。
「……頭が真っ白になります」
「っ、レオンさんが、真顔になるのは、どういう時ですか?」
「……怖くないですか? おそらく、ララさんのことになると、感情が追いつかなくて、頭が真っ白になることが多くて……」
あ、今度は顔が赤くなった。
額に手を当てながら照れているレオンを、可愛いと思ってしまう。
「怖くなんてありません」
自分の言葉で、こんなにも心を動かしてくれているこの人が愛しくて、ララは、レオンを受け入れたいと思った。
「……レオンさん、今日、泊まっていきませんか?」
レオンが目を見張り、表情がまた固まる。
「っ、いいんで、しょうか……?」
掠れた声で、レオンが呟く。
「はい。レオンさんと、一緒にいたいです」
自然と、そんな言葉が口から出てきた。
二人でパスタを食べ、ワインを飲み、お風呂は別々に入った。下着は一番可愛いのにした。レオンが、タオルで髪を拭きながらお風呂から上がってくる。ハーフパンツの様な下着だけ身につけている。男の人の、下着ってあんなのなんだ。初めて見た。上は何も身につけておらず、初めて見るレオンの裸に、思わず目を逸らしてしまう。思っていたよりも、筋肉のついた身体に、ララはどきどきしてしまう。
寝室のベッドで待っているのが恥ずかし過ぎて、ソファに座って待っていた。レオンが、ララの隣に座る。
「ララさん……」
レオンに熱っぽい目で見られてしまう。
こ、声が、なんか色っぽい?!
「あ、あの、ベッドが小さくて……、レオンさんの足がはみ出てしまうかもしれません」
レオンが、目をぱちくりとさせる。
「……一緒に、寝ても良いということでしょうか?」
「は、はい! もちろん」
「っ」
レオンが、一瞬真顔になり、前髪をくしゃっと崩す。ララの方を、横目でちらりと見る。流し目!! 色っぽい!! あ、耳が赤くなってる。可愛い。初めて見る、レオンの表情にララは釘付けになってしまう。
「……抱きしめても、いいでしょうか?」
「えっ、は、はいっ」
上半身が裸のレオンに、ぎゅっと抱きしめられる。シャワーを浴びたばかりだからか、素肌だからなのか、以前レオンに触れた時よりも、身体がより熱く感じた。ララの頬が、レオンの素肌に触れる。
「ララさんは、とても柔らかいですね」
「……レオンさんみたいな、筋肉がないからでしょうか?」
「それもあるかもしれませんが……女性の身体は、こんなに柔らかいのかと、ララさんに触れるたびに驚きます」
「レオンさんの、胸は、硬くて、なんだか不思議です……」
と言いながら、レオンの胸を指先で触れる。押しても硬い。筋肉って凄い。
「私とは、全然ちがいます」
レオンが無言だ。ふと見上げると、また真顔になっている。それに真っ赤だ。
「レオンさん?」
「っ」
レオンの身体がびくっと揺れる。
「いえ、ララさんとは、随分と違うなと」
「そうですね……」
同じ人間の身体でも、男女で全然違うのだなあと、新鮮な気持ちになる。レオンと目が合い、顔が近づいてくる。ふわりと唇を重ねられる。すぐに離れ、唇を指でそっと触れられる。
「……ララさん、これ以上のことを、してもいいでしょうか?」
ララから、泊まっていきませんかと誘ったのに、こうやって律儀に聞いてくれるレオンを、改めて好きだと思う。
「……はい。あの、初めてなので、うまく応えられるか分かりませんが……」
「私も、初めてなので……、座学では色々と教えてもらったのですが……」
「座学?!」
え、何それ気になる。そんな授業があるの?!
「あ、いえ、その話は、また……」
「……気になります」
「すみません、余計なことを言いました……早く、ララさんに、触れたくて堪らないです」
レオンに、熱っぽい目で覗かれる。
「っ」
再び唇が重なる。今度は、すぐには離れなくて、唇の感触を確かめるかの様に、端から喰みながらなぞられていく。上の唇も下の唇も。息をするのを忘れて、苦しくて、レオンの腕を、ぎゅっと掴んだ。端までいって、ゆっくりと唇が離れた。は、と息をすると、レオンが心配そうに覗き込む。
「大丈夫、ですか?」
いつもより、甘く優しい声で聞かれた。もしかしたら甘く聞こえるのは、自分の頭が溶けそうだからかもしれない。
「はい……」
身体が熱っぽい。耳がむずむずする。
レオンが、目を見張った。
「ララさん、耳が……」
「……出ちゃいました」
レオンが、ぐっと何かに堪える様に、一瞬身体に力が入った。
「レオンさ、んっ」
頸に手を添えられ、貪る様に唇を重ねられる。
「ふ……んっ」
体重をかけられ、後ろに倒れてしまう。置いていたクッションに押しつけるように、口づけられた。
「んっ、ふ……」
い、息が!
吸えなくて、ぷるぷるしていると、レオンがぱっと離れた。はっと、息を吐く。
「す、すみませんっ」
「いえ……」
ララに覆いかぶさっているレオンの身体が、ソファからはみ出てしまっている。ララの使っているソファが小さく感じる。
「……ソファ狭いですね。ベッドに、いきましょうか?」
「っ、良いんでしょうか?」
「はい。ベッドも狭いかもしれませんが」
ふふ、と笑うと、レオンの顔がまた赤くなった。レオンの手を取り、寝室へと向かう。
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