平凡令嬢の、コンプレックスと恋の夢

文字の大きさ
7 / 7

7. 恋の夢、愛の夢 ※

しおりを挟む


 ラルフの指が、下着の中に入ってきて、直接濡れているところに触れられてしまう。指先がつぷりと中に挿入ってきて、浅いところを、くちゅくちゅと擦られる。

「んっ、ん、ふっ」

 花芯を同時に緩く弄られ、メリッサの身体がびくんっと跳ねた。

「っ」

 ラルフの唇が離れる。身体の力が抜け、ラルフの胸にぽすりともたれた。

「メリッサ? 大丈夫?」
「……ピアノが、濡れちゃう……」

 ラルフの指で中を弄られ、粘液が沢山出てきてしまっている。ピアノを濡らしたら大変だと、ぼんやりとした頭で心配になる。

「っ、そう、だね。……メリッサ、ちょっと待ってて」

 ピアノに背をもたれさせられ、ラルフが離れる。着ていたジャケットを脱ぎ、絨毯の上に敷いている。気がついたら、ラルフの首に腕を回し、抱き上げられていた。

「っ、ラルフ?」
「メリッサ、ごめん、こんな場所で」

 ラルフがジャケットを敷いていた場所に、そっと寝かせられる。ラルフが重なるように覆いかぶさり、口づけられた。

「ん、ぅん」

 同級生で、恋人や婚約者と性行為をしている子も、数少ないけれどいて、話を聞いたことはあった。きっと今から、自分もそういったことをするんだと、他人事ひとごとのように思っていたら、ラルフが唇を離し、顔を覗き込まれてしまう。

「……メリッサ、その、最後までしていい?」
「えっ、と、うん」

 メリッサは初めてだったから、どうするのかよく分かっていなかったけれど、愛し合ったもの同士がすることだと思っていたし、ラルフが求めてくれているのが嬉しかった。

「……その、実は初めてで、うまくできなかったら、ごめん。痛かったり、無理だと思ったら言って欲しい」

 ――ラルフも、初めてなんだ。

「分かった……よろしく、お願いします?」

 言いながら、この言い方は変かなと思い、首を傾げると、ラルフの顔が赤らんで、何かに堪えるような顔をする。は、と息を吐き、

「……やばい、メリッサが可愛い」

 と、呟くように言う。ラルフの目は大丈夫だろうかと思いながら、そんな風に言われて嬉しくなってしまう自分もおかしいと思う。ちゅ、と啄むようにキスをされ、さっきとは反対側の胸に舌を這わす。

「ぅんっ、あ」

 舌先で乳輪を舐められ、胸の先に吸いつかれる。舐めては吸うのを繰り返され、先がツンと立って硬くなってくる。

「ぁ、んっ、や」

 ラルフの骨張った手が、再びスカートの中に入り込んでくる。下着の中に指を入れられ、ぐちゅぐちゅに濡れてしまっている中に、ラルフの指が挿入っていく。

 ――ゆ、指が、ニ本に増えてるっ。

「んっ、あ」

 中を広げるように、ラルフの指がパラパラと動き、内壁を擦っている。

「あっ、ん、それ、やぁ」

 ラルフの長い指で、触れたことのない奥の方まで挿入れられてしまう。

「ぅ、んっ」

 ラルフの唇が、胸から離れ、指を中から抜かれた。ラルフが身体を起こし、ズボンのポケットから、何か出している。

「それは……?」
「っ、これ、は、妊娠しないためのものだよ」

 避妊具だ。経験済みの同級生から聞いたことがある。でも、ラルフがなぜ持ってるの? ……もしかして、他の女の子と使ったの? え、でも、ラルフも初めてって言ってた。あれは嘘だった? 頭の中でぐるぐると色んな考えが巡ってしまう。ラルフの顔を見ると、視線が揺れている。

「……メリッサ、ごめん!!」
「えっ」
「メリッサの、胸を触ってから、自分を抑えるのが難しくなってしまって……、メリッサと二人になったらなんてことばかり考えてて……」

 ラルフの顔が真っ赤になっている。

「……軽蔑するかい?」

 ラルフが心配そうな顔をする。

「……ううん。たくさん、考えてくれてたんだなって」

 ラルフがメリッサとのことを思って、準備をしていてくれたのだと分かり、なんだか嬉しくなってしまう。
 
「メリッサ……ごめん、もう」

 ラルフが、ズボンの前をくつろいで自分のものを出している。初めて見た男性のそれは、不思議だった。いつもはズボンの中に収まっているものが、あんな風になるなんてと、ラルフが避妊具をつけているのを、思わずジッと見てしまう。ラルフが恥ずかしそうな顔をする。そんなラルフを見て、可愛いなんて思ってしまった。ぐちゃぐちゃになった下着を脱がされ、足を開かれる。恥ずかしいと思う間も無く、ラルフが覆いかぶさってくる。キスをされ、胸を揉まれながら、ラルフの硬くなったものを、濡れているあわいに押し当てられる。

「ぅん、ふっ、ンンッ」

 割れ目に先を擦りつけられ、腰がびくびくと動いてしまう。ラルフが少し身体を起こし、探るようにして、先をぐちゅりと中へ挿入れた。

「あ」

 少しずつ中へと挿入っていく。

「っ」

 ラルフが苦しそうな顔をする。濡れているからか、入り口は容易に挿入ったけれど、途中できつくなっているところがあり痛みを感じてしまう。ラルフが浅いところを、ぐちゅぐちゅと先を擦りつけるように腰を動かす。

「ンッ、ぅんっ」

 浅いところの上の辺りに、先っぽが当たり、身体がびくんと跳ねた。ラルフが真剣な顔で、そこ・・に当てるように腰を動かす。他の所よりも敏感に感じてしまう場所に、ラルフの硬くなったものが当たるたびに、身体が震え、中からとろとろと粘液が溢れてくる。

「ンンッ、あっ、んっ」

 ラルフの動きが速くなり、勢いをつけて、ぐっと奥へと挿入ってくる。

「ぅんっ」

 痛みは感じたけれど、ラルフの熱を持ったものを、もっと奥まで受け入れたいと、思った。

「っ、メリッサ」

 ラルフが余裕のない表情で、名前を呼ぶ。少し腰を引き、ぐっと押し込むように腰を動かす。引き攣るような痛みがあり、ラルフの動きが止まった。

「……はいっ、た……」

 ラルフが覆いかぶさるように抱きしめる。

「……メリッサ、ごめん、痛くない?」
「ちょっとだけ……でも、嬉しい」
「……やばい……幸せ過ぎる……。メリッサ、動いても良い?」
「う、ん」

 ラルフが身体を起こし、腰を引き、ぐちゅんと奥へと押し当てられる。

「っ、ぁんっ、やぁ」

 ラルフの動きがだんだん大きくなり、水音と共に、パンッパンッと肌と肌が当たる音がする。

「あっ、あぁっ、ぅんっ」

 奥を突き上げるように腰を振られ、頭が痺れるような感覚に、何も考えられなくなってしまう。

「んっ、やぁっ、ラルフ、も、もう、だめ」

 迫り上がるような感覚があり、奥から何かが溢れ出してしまいそうで我慢できなくなる。身体がびくんと反応するたびに、蜜が溢れて、ラルフの動きが益々激しくなっていく。

「っ、メリッサっ、僕も、もうっ」

 ぐちゅんっと奥へ突かれた瞬間、ラルフの熱をもったものが一際膨れた感覚があり、メリッサも、弾けるように中から蜜が溢れ出した。

「あぁっ、ンンッ」

 頭が真っ白になり、身体の力が一気に抜けてしまう。

「ぅ、んっ」

 ラルフが、まだ硬くしたまま中でびくびくと震えている。ラルフが、は、と息を吐き、メリッサの肩に顔を埋めた。

「……一生、こうしていたい……」

 ラルフがぼそりと呟き、メリッサは思わず笑ってしまった。

 しばらく抱き合った後、名残惜しそうに、ラルフがメリッサの中から自身のものを引き抜く。身体を起こし、力が入らず寝そべっているメリッサの、濡れてしまったところを、自身のシャツを脱いで拭いてくれている。

「ラ、ラルフ、ありがとう」
「いや……、ごめん、痛かったよね」

 身体を起こすと、ラルフのシャツに、少し血がついているのが見えた。

「う、ううん。夢中で、頭、真っ白だったから……」
「僕もだ」

 ラルフが、困ったような顔で笑う。つられてメリッサも笑ってしまう。
 
 お互いに服を着て、身なりを整える。

「……メリッサ、卒業パーティーを、僕と一緒に出てくれたら嬉しいんだけど……」
「えっ、あ、もちろん!」
「ハドソン先輩は良いのかな……?」
「ええ、とても優しい方だから、きっと、事情をお話すれば大丈夫よ」
「……もっと、早くに誘えば良かった」

 ラルフが申し訳なさそうな顔で言う。

「ううん。誘ってくれて、嬉しい」

 ラルフがメリッサの腰に手を回し、引き寄せる。啄むように顔中にキスされてしまう。

「ラ、ラルフ?」
「……夢じゃないよな、と思って。……愛は夢なんかじゃない。こうしてメリッサが自分の腕の中にいるんだから」
「……私は、ラルフとこんな風になるなんて、夢にも思わなかったわ」
「…………ずっと、メリッサのことばかり考えていた。夢にだって出てきたんだから」
「そ、そうなの?」

 メリッサは、顔が熱くなってしまう。

「これからは、ずっと一緒にいられるんだ」
「……そうだったら、嬉しい」

 メリッサは、まだ夢見心地な気分で答える。

「……死ぬまで、ずっと」
「あの、愛の歌みたいに?」
「ああ……メリッサが死んだら、僕がお墓の前で泣くかもしれない」

 ラルフが情けない声を出す。メリッサは、ラルフに今抱きしめられているだけでドキドキして、そんな先のことまで考えられないと思ってしまう。

「ラルフったら、そんな先のこと……一緒に、長生きしましょう?」
「もちろん!……ああ、そうか、死が二人を別つなら、愛は夢の中で生き続けるんだ、きっと」

 ラルフが嬉しそうに言い、メリッサの顔を覗き込む。ラルフの綺麗な青色の目に、メリッサの姿が映っている。

「……そうね。夢の中でも、現実でも、一緒にいられたら嬉しい」

 メリッサがそう言うと、ラルフは目を細め、もう一度メリッサにキスをした。



 
 
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

片想いの相手と二人、深夜、狭い部屋。何も起きないはずはなく

おりの まるる
恋愛
ユディットは片想いしている室長が、再婚すると言う噂を聞いて、情緒不安定な日々を過ごしていた。 そんなある日、怖い噂話が尽きない古い教会を改装して使っている書庫で、仕事を終えるとすっかり夜になっていた。 夕方からの大雨で研究棟へ帰れなくなり、途方に暮れていた。 そんな彼女を室長が迎えに来てくれたのだが、トラブルに見舞われ、二人っきりで夜を過ごすことになる。 全4話です。

貴族のとりすました顔ばかり見ていたから素直でまっすぐでかわいいところにグッときたという

F.conoe
恋愛
学園のパーティの最中に、婚約者である王子が大きな声で私を呼びました。 ああ、ついに、あなたはおっしゃるのですね。

普通のOLは猛獣使いにはなれない

ピロ子
恋愛
恋人と親友に裏切られ自棄酒中のOL有季子は、バーで偶然出会った猛獣(みたいな男)と意気投合して酔った勢いで彼と一夜を共にしてしまう。 あの日の事は“一夜の過ち”だと思えるようになった頃、自宅へ不法侵入してきた猛獣と再会し、過ちで終われない関係となっていく。 普通のOLとマフィアな男の、体から始まる関係。

シャロンはまたしても気づいていなった本物のジェリーフィッシュを見失った事に

はなまる
恋愛
 シャロンはついにジェリーとの愛を手に入れ幸せに浸っていた。だがジェリーが帰った後会社の先輩であるレックスがお見舞いに来ると、彼はシャロンに驚くべき事実を突きつけた。シャロンはまたまたショックでジェリーが信じれなくなる。レックスはシャロンが自分に振り向かないことが気に入らなかった。そしてレックスはジュリーに恨みもあった。レックスはシャロンに付き合いたいと申し込む。シャロンはジェリーへの思いを断ち切るためにもそれがいいかもと思ってしまう。ところがレックスは思った以上に完璧な男性でシャロンはレックスに気持ちが傾いて行く……  他のサイトで投稿していたものです。舞台は外国現代。もちろん全くの空想のお話です

身体の関係からGet back together

鳴宮鶉子
恋愛
3年前に別れた元彼がわたしの前に現れた。共通の友人と縁を切り、住み慣れた土地を捨てて移住したのに。

婚約者が追ってくる

鳴宮鶉子
恋愛
婚約者が追ってくる

ハイスペ男からの猛烈な求愛2

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペ男からの猛烈な求愛2

『私はあなたの“元”恋人です。記憶を失った公爵様に復讐するはずが、なぜか溺愛されています』

春夜夢
恋愛
彼は言った。 「……はじめまして。君のことを知っている気がする。けれど、思い出せないんだ」 私を捨て、別の令嬢と婚約した男──公爵家の御曹司・アデル。 けれど事故により、彼は私と付き合っていた記憶だけを失った。 ……だったら、利用させてもらう。 「あなたが私にした仕打ち、全部思い出させてあげる」 復讐心から始まった“やり直しの恋”は、 なぜか記憶喪失のアデルの異常なまでの溺愛により、思わぬ方向へ転がっていく。 そして次第に、彼が記憶を失った「本当の理由」が明かされていき・・・

処理中です...