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第4話 作戦会議
しおりを挟む途中恥ずかしい思いもしたが、いよいよ男子の自己紹介が始まる。
朝倉先生の順番決めどうします~?と間延びした一声に俺達男子一同は教室の端に寄って話し合ったけど、結局はじゃんけんで決めることになった。
そうして決まった順番は、一樹、もう一人の男子である佐久間君、オオトリ俺。解せぬ。
順当に当たり触りのない二人の自己紹介が済み俺の番となる。
「みなさん初めまして、七瀬達也です。部活動は入りませんが、大会の応援には積極的に行こうと思ってます。クラスメイトのみんなと仲良くなりたいと思っています、これから一年間よろしくおねがいします。」
いやあ、まあ、おれも当たり触りないんだけどね。最初って大事じゃん。ハニー事件でコケた気はするけど…。
それに、先の二人はこの世界では普通ではあるんだけど、最低限の人数や会話でやり過ごそうとしてる感じだったけど、俺はみんなと仲良くなりたいからね。
そう本心も乗せての自己紹介は上手くいったらしく、男子の自己紹介が始まってから一言一句聞き逃さないぞって感じの張り詰めたような空気感も、「みんなと」って言ったところで、若干緩んだ気がして良かった。
さて、そうして自己紹介も終わり最後に先生が締めてこれで今日の学校行事は終わりなんだが、男子にはまだすることがある。
「沙耶ごめん、少し待っててー!それじゃ自己紹介終わったし、俺達は作戦会議するか!」
「え、なんで?」「そうだな」
沙耶に一言伝え、男の二人にも声掛けする。
「わかった、待ってるー」と沙耶からの返事も混ざる。
ちなみに、沙耶も同じクラスだ。先程の自己紹介でも早速俺の婚約者です。って恥ずかしそうに言ってた。かわいい。
同じクラスになれたのもイージーモードの男性特権で、入学前に聞いたら普通に通った。
その時は、一緒のクラスがいいなってよく考えもしなかったが、よくよく思い返せば、今朝のプロポーズ失敗してたら相当やばかったな。
すんなり通してくれたけど、国は結果知ってた…?とか。え、ないよね…?
でも、普通にこういう裏取りしてそうで怖くなったわ今!!
俺の提案に一樹は、なぜかピンと来てないみたいだ。すぐさま同意がこないことに、逆になんで?なんだが。
紹介してなかったが、俺の提案に同意し理解してくれているのはもう一人のクラスメイトの男子、佐久間亮君だ。
なにもこの提案は、俺が下世話に誰がタイプなんだよーとか茶々入れしたいがための興味本位で聞いているわけではない。
なにせ俺達男の高校生活は、本気の婚活だ。まあ、女子もそうだろうけど。
なので、伝統?というか文化?みたいなもんが、高校生活では多々ある。
それが自己紹介後に男たちは集まって第一印象の意見交換会だ。
あの子がちょっと気になるかも。とかの情報共有を日頃からして、なるべく相手方にも気持ちが揺るがないようにお互い注意しようねって感じだな。
こっちも本気だけど、相手の女の子も本気だし、意思も尊重しないといけないので、結構複雑な感じなんだけどな。
「第一印象の意見交換がメインだな。被って取り合いになったりしたら目もあてられないだろ?」
「あー…そういうのもあるんだね」
「そうそう。それじゃ俺からいくわ。龍宮寺さんだな。」
「「だろうね」」
俺のベスト第一印象は龍宮寺美麗。あの金髪縦ロールだ。
自己紹介の時間に立ち上がってまで質問してたしな。
二人は即答しつつ言わなくてもわかってたよ、なんて顔しやがる。
いやまあ、そりゃそうか。
それに視線感じるなって思って、そっちを見れば龍宮寺とバッチリ目が合い、ウィンクを飛ばしてくる。
か、かわいい。じゃねえ!ウィンクなんか飛ばしてきやがって…こ、この!
ちなみに、俺もキメ顔でウィンク返しておいた。
その後、教室の端に移動し小声での会議を再開し、二人は各々別の名前を挙げた。
ふむふむ、一樹は文芸部希望の子で佐久間君はバスケ部推薦の子か。なるほどなるほど。
一樹は大人しめの子がタイプなのか。自己紹介の時も、読書が好きですって言ってた子だな。
自己紹介終わって座る時に机の上に乗っかっちゃった胸を見たから覚えてる。大変ご立派でした。
そういう子に限って性欲強そうって思うのは俺だけかな?
まあなんだ…もしそうだったら一樹頑張れ。俺にとってはご褒美だが、この世界の男はそうでもないからな。
対して、佐久間君は元気っ子か。勉強は全く出来ません!でも、バスケは出来ます!って言ってた子か。
そこはかとなくアホの子っぽい波動を感じたんだが佐久間君も、それを感じてて選んだのかな。そこんとこ気になるが。
まあでも、わかるよ。抜けてる子かわいいよね、沙耶なんかもねスカートを裏表逆に履いてたことがあってだね、それに気付いたのがアイスこぼしてからだったのがまた可愛くて------------------------(長々語り始めたのでry
まあ、まだ一番最初の意見交換だし、お互い話してどうだったかとか決めればいいし被ってても、いまはそこまで大きな問題じゃないんだけどね。問題なのは後々だな。
ある程度人間関係出来上がっちゃってて、男二人ともが相手を好きってパターンが一番怖い。
それじゃ、二人とも告白して相手に選んでもらえばいいじゃん。って思うじゃん?
甘いね、激甘だね。この世界の男の打たれ弱さなめてるそれは。
フラれようもんなら、三年は使い物にならんぞ(ブーメラン)
とりあえずの第一印象で、良さそうかも?と思った人を挙げてるので今後も変わるようなら、逐一報告する感じになる。
これまでのぬるい自由登校な男子校と違って、男も平日は毎日学校に通って話すことになるから、そうそう被りはしないかなとは思ってるけどね。
記念すべき第一回目の男子会は問題なく終わって、その後に一樹と佐久間君に沙耶の紹介をして沙耶と共に帰路につく。
「昼メシどっかで食ってかない?」
「いいねぇ~私牛丼食べたい!」
「おぉう…出たな食いしん坊。それならどっか適当な和食屋行くか。」
「うん!なんかいいよね、こういうの。」
帰り道。ちょうどお昼時だったので、沙耶をご飯に誘ったんだけどノータイムで牛丼コールされた。この屈託のない澄んだ瞳よ。
まあ、ご飯行く時に、なんでもいいやって気持ちの時に相手がちゃんと意見言ってくれるのは助かるよね。牛丼か。とはなったけど。
さすがに某チェーン店じゃなく、和食屋にして俺の選べる範囲を広げることには成功した。
前世でデートとは言わずもがな、女性と二人でメシ行くかってなった時に、即答で牛丼!とは言えなかったけどな俺は。牛丼は好きだけど。
やっぱすげぇや沙耶は…。簡単に越えていくんだもん。
「ん、なんかってなに?」
「小さい頃からの夢だったんだぁ。こうやって一緒に学校帰りに寄り道したりすること。小学3年生の終わりに学校も離れ離れになっちゃったじゃない。その頃は、校庭で遊んだりはしたけど出掛けてはなかったし。だから、嬉しいなって。」
ふと、脳裏にそれほどだったのに牛丼チョイスかと驚愕したが。
結構な衝撃ではあったが表に出さないようポーカーフェイスを心がける。
「俺も嬉しいよ。それじゃあ、一個夢叶ったのか。よかった。うん。これからは一緒にいろんなとこ行こうな。」
「うん!それじゃあ、水族館にも行きたいし動物園もいいなぁ。あ、海とかもいいかも!山でキャンプも捨てがたい。むむむ…」
はいかわいい。今日はずっと嬉しそうで俺も嬉しいよ。
そんなこんなで、アクセル全開で行きたいとこをしゃべり続ける沙耶と会話を楽しみながら、俺たちは和食屋に向かった。
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