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第5話 沙耶とこれからの話
しおりを挟むようやく落ち着いた沙耶と共に、学生にも人気なリーズナブルな値段で美味しい和食屋にきていた。
入ってすぐに店員さんが案内にきてくれる。
「いらっしゃいませ。二名様でしょうか?」
「はい。あ、奥でお願いします。」
店員さんが踵を返す前に、先に申告しておく。
外食時は、こう言っておかないと基本的に男が居る場合は外からよく見える席にされるからな。場所によってはテラス席に案内されるし。
飲食店は、だいたいどこもガラス張りの席がある。それには理由があって男が入りやすく且つ、見通しを良くして性犯罪を未然に防ぐためにそうなったらしい。
まあ、メリットもあるみたいで、外から男が見える位置にすると多少は客入りに影響があるのと、男性も安心して来れる店です!って宣伝の為だとか。
今後は売上に貢献してもいいんだけど、今日は落ち着いて沙耶と話したいので、奥のテーブル席にしてもらう。
「そういや入学式後、俺ら男が抜けたあとってなにやってたの?」
「共学になるからそこらへんの諸注意を改めてされた感じかなぁ。」
「あー、こっちと似たようなもんか。そういや詳しい部活動の紹介とかなかったの?サクッと終わったけど、壇上脇にはユニフォーム着た先輩っぽいのが居たじゃん。」
「うん。あったよ?」
「まじかよ!みたかった!おもしろかった?」
「ん~…特には?中学の時と変わんなかったよ?」
「そんなもんかあ」
気になって深掘りしてみたけど、一回目で出てこなかったってことは…ってやつだな。沙耶視点ではなんともないもんでも、俺は見たかったよ…。
まあ、いいか。ねだって見れるもんでもないし。大事なこれからの話をしよう。
「話かわるけど、いつから同棲する?俺のほうは、部屋も空いてるしいつでも大丈夫だけど。沙耶次第かなって。」
「ん~…今日からでもできるよ?」
「え、まじで!?------準備良すぎない?」
「そうかなぁ?大半の子は高校決まってからある程度は準備してるものだよ?希望も込めていつでもいけるように。ってね。」
「へえーそうなのか、全然知らなかった。」
「わざわざは言わないよぉー。私も重いかなぁって心配してたもん」
「重い?あぁ、気持ち的な意味か。俺は全然大丈夫だぞ、それにすぐ来てくれるんだって嬉しいくらいだ。」
「よかったぁ。いくら達也でも心配だったんだよねぇ。」
「うん。うん?どういう意味??釈然とはしないが、今はいいか。それじゃあ、今日から一緒に住むか。」
「うん!よろしくね!」
「こちらこそよろしく!今日は必要なものだけ持ってきて、休日にまとめてって感じにしとくか。それで足りない物は、買い物にも行くって形で。食器とかは全然ないからな。」
「あれ?このあいだ家具とかいろいろ買いに行ってなかった?食器は買わなかったの?」
「いや、自分の分は最低限買ってあるぞ。沙耶は自分で選びたいと思って買わなかった。」
「えっ」
ん?なんで驚いてんだ…?-------------あーそういうことか。ナチュラルに沙耶との同棲考えてましたよって言っちゃってんだ俺!はずいな…。
沙耶は沙耶で耳が赤くなってるし、ちょっと俯いて照れてるっぽい。かわいい。
意図せず甘ったるい空間を形成してしまっていたが、ちょうどよく料理がきて自然と普段通りにもどり、会話しつつ食事を楽しんだ。
モグモグと美味しそうに食べ続けてた沙耶が食べ終わり、そろそろいいかなと会話を再開する。
「さっきの同棲の話の続きだけどさ、俺、結婚相手全員と暮らしたいって考えてるんだよね…」
「うん。-------------------知ってるよ?」
「あ、あれ?」
反応見たくて間を置いてたんだけど、思ってたのと違うぞ?
「小学生の時に言ってたよぉー。達也の言ってたことはちゃんと覚えてるんだから!」
かわいい。ああ、いや、まじか。言った本人が忘れてるんだが。
「そうだったっけ、ごめん。忘れちゃってた。そ、それで、大丈夫、かな…?」
「大丈夫だよ。多分そうじゃないかなって思ってたし」
「おぉ、よかった。ありがとう。それで、これからの俺の婚活なんだけど、沙耶と相談しながら決めていけたらなって。」
「相談?よくわかんないけど、達也の為になるならもちろんいいよ。」
「ありがとう。えっと、色々あるけど、例えば高校の間に3人は婚約者が出来るわけじゃん?それで女性同士の合う合わないが出てくるかもって不安があったりね。」
「そうだねぇ。普通は持ち回りが多いからそういったトラブルも出てこないけど、達也はみんな一緒がいいんだもんね。私もがんばるよ!」
「助かる…。先にこの子とは合いそう?とか事前に聞くようにするね。」
「うん。わかった。一緒にがんばろうね!」
「ありがとう。あっ、早速なんだけど…龍宮寺さん大丈夫そう?」
「あはは、そうだよね。うん。まだちょっと話しただけでそこまで関わりないけど大丈夫かなとは思ってるよ?」
「ほほう。俺にとっては吉報だが、そりゃまたなんで?」
「達也が作戦会議?で集まって話してた時に、挨拶にきてくれたんだよね。」
「挨拶?」
「うん。自己紹介で私が達也の婚約者って知って、挨拶しなきゃってきてくれたんだぁ。ほら、167cm事件の」
「おいやめろ。それにサラッと事件にしてんじゃねえ!」
「あはは。それでね、わざわざ謝りにきてくれたんだよね。勝手にダーリン呼びしてごめんなさいって」
「あーそんなことがあったのか。全然気付かなかった。」
「うん。だから私は、彼女はいい子だと思うし大丈夫かなぁって。」
「なるほど…。それ聞いて俺の中でも好感度ぐんぐん上昇したわ」
「ふふ。よかった、のかな?-------長居しちゃったし、そろそろ帰ろっか。このあとも、家に荷物取りに行ったりしなきゃだし」
「おっけ、そうしよっか。」
流れで伝票を取り、席から立ち上がろうとする。
「あっ、まって。」
「あー…ごめん。はい、これ。ありがと、ご馳走様。」
苦笑いしつつ、伝票を沙耶に手渡す。
ついつい前世の癖が出て俺が払おうとしちゃったけど、これは悪手だ。
基本的に、男は驕られる側だし女性の分も払ったりなんかしたら正気を疑われるだろうし、悪目立ちしてしまう。
いくらお互いに指輪を嵌めていても、女性を立てるのが良い男ってやつだ。例え財布が同じだとしてもな。提精頑張るか…。
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