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◇本編
97.
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コツコツコツ.........
「.................ほう.........生きて帰ったのね?偉いじゃない。流石は第四公女ね。素敵」
コツコツコツコツ.........
「あら?今日は赤は着ないの?貴方のトレードマークじゃなかったっけ?似合わないわね、その色」
コツコツ.........コ...
「で?おめおめと帰って来た訳を教えて貰おうかしら。返答次第によっては.........処理も有り得るわよ?第四公女」
それは真っ白なマーメイドドレス。裾はくるぶしまでで豪勢なレースとシフォン。胸元は豊満な胸を隠す様に誂えたレースが美しい。プラチナブロンドを上の方で巻き上げ白い花の髪飾りで固定してあった。ピアスは大粒の真珠。贅を凝らした全身の装飾だった。全てシャリルが整えた。
ビオルテルダに与えられたモノは作戦時のドレスだけだった。だが今着ているドレスはシャリルが用意した物だ。既製品だがあーでもないこーでもないと悩みながらビオルテルダに選んだ物だった。
不思議な気持ちになった。感情が抜けてしまっている自分にはもう解りはしないのだが、きっとこれは好意なのだと思う。
幾度と無く殺戮を繰り返して来た。切った首を瓶詰めにした。綺麗な血にする為に。
それでもいつもポッカリと胸に頭に空いた穴は埋まらずいつの間にか戦争の道具に成り果てていた。それで良いと、そう思っていた。
「ビオルテルダ様。最後は満足して死にましょう。その時はお供致します」
そう言ってシャリルは笑った。
そうか。それも良いな、と思う。
まずは.........こいつらを排除する。
邪魔だ。
「.........で、どう処理するの?私をどうやって殺す?」
「そうねぇ。じゃあ、この窓から飛び降りなさいな。命令よ」
「.........何それ?」
「! 貴方.........暗示が.........解けてるの?どうして!!」
「暗示?.........ああ、そう言えば私薬飲んだのよ。貴方が絶対飲むな、て言うから飲まなかったんだけど。チャズールで飲まされたのよ.........無理矢理ね?解除の鍵、多分あれでしょ?まあ、セオリーよね」
「ちっ!衛兵!暗殺者を排除せよ!衛兵!」
「.................あのねぇ.........私が此処に居る意味解らないの?貴方の兵士なんかとっくに始末したわよ。さあ、言い残した事は無い?行くわよ?」
ザッ.........
「じゃあね」
ブシュ.........
コツコツコツコツ.........
「次はあれね。公王。まだ居るかしら。この白いドレス汚す訳にはいかないのよ.........私のドレスなんだから。........ちょっと気に入ってるし。あんまり手こずらせないで欲しいわ.........。ふふ。汚さないで帰ったらシャリルビックリするかしら?」
コツコツコツコツコツコツ.........
胸の痛みが無いビオルテルダの剣技は神がかった白亜の剣が煌めく美しい無駄の無いものだった。
返り血さえ浴びる事無くビオルテルダは自国であるカンザリー公国の頭二つを首から切り離し、シャリルの指示通り任務を完了した。
こうしてカンザリー公国は一日で政権が変わる事になる。ただ、静かに粛清が行われたのだ。
美しい従順な狂人一人の手によって
「.................ほう.........生きて帰ったのね?偉いじゃない。流石は第四公女ね。素敵」
コツコツコツコツ.........
「あら?今日は赤は着ないの?貴方のトレードマークじゃなかったっけ?似合わないわね、その色」
コツコツ.........コ...
「で?おめおめと帰って来た訳を教えて貰おうかしら。返答次第によっては.........処理も有り得るわよ?第四公女」
それは真っ白なマーメイドドレス。裾はくるぶしまでで豪勢なレースとシフォン。胸元は豊満な胸を隠す様に誂えたレースが美しい。プラチナブロンドを上の方で巻き上げ白い花の髪飾りで固定してあった。ピアスは大粒の真珠。贅を凝らした全身の装飾だった。全てシャリルが整えた。
ビオルテルダに与えられたモノは作戦時のドレスだけだった。だが今着ているドレスはシャリルが用意した物だ。既製品だがあーでもないこーでもないと悩みながらビオルテルダに選んだ物だった。
不思議な気持ちになった。感情が抜けてしまっている自分にはもう解りはしないのだが、きっとこれは好意なのだと思う。
幾度と無く殺戮を繰り返して来た。切った首を瓶詰めにした。綺麗な血にする為に。
それでもいつもポッカリと胸に頭に空いた穴は埋まらずいつの間にか戦争の道具に成り果てていた。それで良いと、そう思っていた。
「ビオルテルダ様。最後は満足して死にましょう。その時はお供致します」
そう言ってシャリルは笑った。
そうか。それも良いな、と思う。
まずは.........こいつらを排除する。
邪魔だ。
「.........で、どう処理するの?私をどうやって殺す?」
「そうねぇ。じゃあ、この窓から飛び降りなさいな。命令よ」
「.........何それ?」
「! 貴方.........暗示が.........解けてるの?どうして!!」
「暗示?.........ああ、そう言えば私薬飲んだのよ。貴方が絶対飲むな、て言うから飲まなかったんだけど。チャズールで飲まされたのよ.........無理矢理ね?解除の鍵、多分あれでしょ?まあ、セオリーよね」
「ちっ!衛兵!暗殺者を排除せよ!衛兵!」
「.................あのねぇ.........私が此処に居る意味解らないの?貴方の兵士なんかとっくに始末したわよ。さあ、言い残した事は無い?行くわよ?」
ザッ.........
「じゃあね」
ブシュ.........
コツコツコツコツ.........
「次はあれね。公王。まだ居るかしら。この白いドレス汚す訳にはいかないのよ.........私のドレスなんだから。........ちょっと気に入ってるし。あんまり手こずらせないで欲しいわ.........。ふふ。汚さないで帰ったらシャリルビックリするかしら?」
コツコツコツコツコツコツ.........
胸の痛みが無いビオルテルダの剣技は神がかった白亜の剣が煌めく美しい無駄の無いものだった。
返り血さえ浴びる事無くビオルテルダは自国であるカンザリー公国の頭二つを首から切り離し、シャリルの指示通り任務を完了した。
こうしてカンザリー公国は一日で政権が変わる事になる。ただ、静かに粛清が行われたのだ。
美しい従順な狂人一人の手によって
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