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◇式前30日の記録
7.シューマ、初めての御使い⑵
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御使いシラサギはクチバシに挟んだ神樹の葉っぱをクイッと差し出す。
「は.........初めて.........私にも.........」
「シューマ.........受け取って差し上げろ」
涙ぐむシューマにテオルドは手を出すように促した。
「あ、は、はい!失礼しました御使い様。頂きます」
シューマは震える手を御使いシラサギの前に差し出す。
シラサギはシューマの手の上にソッと葉っぱを乗せた。
「.........え?.........本当に?」
「.................」
シラサギはフイッとテオルドの顔を見上げた。
このシラサギはリリアが鳥だった時よりもっと大きい身体をしている。巨大だ。テオルドの肩辺りに頭が有る。そして、瞳の色に見覚えがあった。
「あ.........あの時の!........お前リリアを襲った雄か?」
「.................ゴアァ!」
そう威嚇にも似た一鳴きをするとテオルドをギッと睨みつけ、踵を返して窓に歩いていく。窓枠に飛び上がりバサリと羽を広げて、月明かりが照らす夜の空に飛び立って行った。
「もしかして.........諦めてないって言いたいのか?だが、もうリリアは人の身体になってる。そして俺の妻になるんだよ。残念だったな。あの日逃したお前にはもう二度とチャンスは無い!」
テオルドはそう言いながら開け放った窓をゆっくりと閉めた。
ガチャンと鍵をしてクルリと振り返ると、シューマが神妙な顔で葉っぱを見ている。口の中で書かれている『御神託』を何度も反芻しているようだ。
「.................シューマ.........」
「テオルド様.........」
「.........お前にとって、良い事か?」
「.................解りません。ですが.........誰かが此処に訪れる様です」
「訪れる?」
「ええ。そして、その方は私にとって.........これだけでは良いかどうかは解りません」
「.................」
「はぁ.......。また一波乱来そうだな。ふっ」
「ええ。ですが.........悪い事では.........無いのかも」
《解決ノ道 運命ノ者キタレリ 実直ニ向キ合ウガ良》
「ふぅむ。.........運命ノ者?単純に考えれば伴侶かとも思われるが、その後に向き合えとある。何か打ち消してるな.........」
「.........解決ノ道?........何の解決なんでしょう.......」
「悩みがあるのか?」
「今は.........特に」
「.........まあ、その運命なる人物が現れたらその時考えるか。それこそ解決出来んからな。シューマ、俺は寝る前にもう一仕事するわ。お前は下がって良いぞ」
「はい。分かりました。お休みなさいませ、テオルド様」
「ああ、また明日」
そして、次の日の朝。
運命ノ者が公爵家の門前に現れる事となる。
「は.........初めて.........私にも.........」
「シューマ.........受け取って差し上げろ」
涙ぐむシューマにテオルドは手を出すように促した。
「あ、は、はい!失礼しました御使い様。頂きます」
シューマは震える手を御使いシラサギの前に差し出す。
シラサギはシューマの手の上にソッと葉っぱを乗せた。
「.........え?.........本当に?」
「.................」
シラサギはフイッとテオルドの顔を見上げた。
このシラサギはリリアが鳥だった時よりもっと大きい身体をしている。巨大だ。テオルドの肩辺りに頭が有る。そして、瞳の色に見覚えがあった。
「あ.........あの時の!........お前リリアを襲った雄か?」
「.................ゴアァ!」
そう威嚇にも似た一鳴きをするとテオルドをギッと睨みつけ、踵を返して窓に歩いていく。窓枠に飛び上がりバサリと羽を広げて、月明かりが照らす夜の空に飛び立って行った。
「もしかして.........諦めてないって言いたいのか?だが、もうリリアは人の身体になってる。そして俺の妻になるんだよ。残念だったな。あの日逃したお前にはもう二度とチャンスは無い!」
テオルドはそう言いながら開け放った窓をゆっくりと閉めた。
ガチャンと鍵をしてクルリと振り返ると、シューマが神妙な顔で葉っぱを見ている。口の中で書かれている『御神託』を何度も反芻しているようだ。
「.................シューマ.........」
「テオルド様.........」
「.........お前にとって、良い事か?」
「.................解りません。ですが.........誰かが此処に訪れる様です」
「訪れる?」
「ええ。そして、その方は私にとって.........これだけでは良いかどうかは解りません」
「.................」
「はぁ.......。また一波乱来そうだな。ふっ」
「ええ。ですが.........悪い事では.........無いのかも」
《解決ノ道 運命ノ者キタレリ 実直ニ向キ合ウガ良》
「ふぅむ。.........運命ノ者?単純に考えれば伴侶かとも思われるが、その後に向き合えとある。何か打ち消してるな.........」
「.........解決ノ道?........何の解決なんでしょう.......」
「悩みがあるのか?」
「今は.........特に」
「.........まあ、その運命なる人物が現れたらその時考えるか。それこそ解決出来んからな。シューマ、俺は寝る前にもう一仕事するわ。お前は下がって良いぞ」
「はい。分かりました。お休みなさいませ、テオルド様」
「ああ、また明日」
そして、次の日の朝。
運命ノ者が公爵家の門前に現れる事となる。
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