【完結】初恋は淡雪に溶ける

Ringo

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💀浮気相手・part4💀

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お父さまが継母達を連れていなくなって、アルビスさまとふたりきりの生活…それは夢だったはずなのに、現実は全然違った。


「レイラ……水をくれないか…?」


アルビスさまは頭の怪我が酷く痛むらしくて、一日の殆どを寝台の上で過ごしてる。


「あの……買ったお水はもうなくて…」

「……なら汲みに行けばいいだろう?」


そんなこと、したことないのに。

お屋敷で暮らしていた時はいつだって綺麗なお水があって、お風呂も好きな時に入れた。

だけどそれはとてもお金が掛かるらしい。

飲み水はひと瓶でも高くて、お風呂をいっぱいに溜めるなんて夢のまた夢。

じゃぁ平民はどうしてるの?と思って近所の人に聞いてみたら、井戸から水を汲んで運ぶんだって。


「そんなことしたら汚れちゃう」


お洗濯をする人がいないから、替えのドレスやワンピースもない…下着だってあとわずか。


「……もういい」


アルビスさまは横になってしまった。

お腹空かないのかな…食べる物なんてないけど。


「……お腹空いた………」


この前、パン屋さんが端っこを無料で配っていたのを見たけど…貰いに行こうかな。

他のお店も何か無料で配ってるかもしれない。


「アルビスさま、ちょっと出掛けてくるね」


返事がないから眠っちゃった?

とりあえず赤ちゃんの為にも何か食べなくちゃ。

お医者さんがそう言っていたから。






*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜






「あれ?レイラちゃん?」


パン屋さんで端っこを貰えた帰り道、アルビスさまのお友達にバッタリ会った。

えっと…確かアンドロスさま。

わたしのお友達が人。


「この辺に住んでるの?」

「えっと……はい…」


アンドロスさまは「へぇ…」と言いながらわたしの体をジロジロ見てくる。

お風呂に入れなくて、濡らした布で拭いてるだけだから汚れてるのかもしれない。


「大変だったみたいだね…アルビスは?ふたりで暮らしてるんだろ?」


そう聞かれて、怪我して動けないことやお金がなくて困ってることとか色々話した。

お腹が空いて端っこを貰ったことも。

そしたら「頑張ったね」って言われて…なんでか分からないけど涙が出た。

アルビスさまはあれしろこれしろって言うばかりで、ちっとも優しくない。

赤ちゃんも出来て幸せになるはずだったのに…どうしてこうなっちゃったの?


「レイラちゃん、良かったらもっとゆっくり話聞くよ?少し休めるところに行こうか。お腹も空いてるんだろう?」

「……うん……」


アルビスさまも空いてるかもしれないけど、寝てるから少しくらい大丈夫だよね?






*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜






アンドロスさまが連れてきてくれたのは、アルビスさまと何度も来たことがある宿屋だった。


「……え……ここ……」

「そんなに不安そうな顔しないで。ここは食事も頼めるし…レイラちゃん、お風呂に入りたいって言ってただろう?」

「………お風呂……?」

「そう。ここのお風呂は大きいし、手足を伸ばしてのんびり浸かれるよ」


知ってる。

それに凄くいい匂いのする石鹸もあって…


「赤ちゃんの為にも清潔にしたいだろ?」


あと三ヶ月くらいで産まれてくる、わたしとアルビスさまの赤ちゃん。

お母さまが汚いのはイヤだよね?


「ほらほら、遠慮しないで。何もしないから」


アンドロスさまに手を引かれて、久し振りに懐かしい宿屋に入ることになった。






そう言えばお友達が言ってたっけ…


『男が言う“何もしない”は詭弁で、結局はヤラレて終わり。その気がないならついてっちゃダメ』


その通りだった。


「すっげ…っ…初めて妊婦とやってやった…っ」


何もしないって言ってたのに、アンドロスさまは『ひとりで洗うのは大変だろう?』とお風呂にもついてきて…たくさんの泡で汚れを洗い流したあと、その場で後ろから挿入してきた。


「レイラちゃんて元から浅いの?それとも妊婦だから?…あ~気持ちいい…っ…胸も大きくなったよね…でも母乳はまだ出ないんだ?」


妊婦だからって中に出されて、そのあと寝台に移動してからも抱かれてる。

アンドロスさまはアルビスさまより大きいみたいで少し痛い。

でもそれも最初だけ…すぐに気持ち良くなった。


「締め付け凄いねっ…アルビスが言ってた通り、凄く感じやすいし…っ……」

「あっ、だめ…っ…」

「ダメじゃないだろ?そんなに嬉しそうな顔してるくせに…っ……本当に淫乱なんだなっ…」

「ちが…っ、」

「あ~…もう、出るっ…!!」


アルビスさまじゃない子種を出されて、いけないことなのに気持ちいい。


「やっば…ん…っ……妊婦、いいかも…」








それから何度もアンドロスさまに抱かれた。

他にもお友達を連れてきた日もあって、みんな妊婦としてみたかったとわたしを抱く。

アルビスさまと暮らす家には帰らなくなって、産まれた赤ちゃんは孤児院に預けて…


「今度は誰の種だろうな?」


わたしは四度目の妊娠をした。

最近は「気持ち良くなる」という薬を飲んで、たくさんの人と性交をしてる。

アルビスさまはどうしてるんだろう。

まだ寝てるのかな。

もしかしたらお腹が空いてるかもしれないけど、優しくしてくれないアルビスさまが悪いの。

だってわたしは人気者で可愛いんだもん。

優しくしてくれて、たくさん愛してくれる人と一緒にいたい。


「レイラちゃん、いっぱい気持ち良くなろうね」


気持ちいいこと、大好き。










──────その後、元伯爵家が所有していたでひとりの遺体が発見された。

死因は餓死。

手に握り締めていた紋章からとある侯爵家縁の者ではないかと調査されるも、該当の家は無関係だと引き取りを拒否。

同居していたという元伯爵令嬢は行方不明とされていたが、数年後に違法薬物の依存者として保護された女性がその令嬢だと判明。

確認出来るだけで六人の乳児を孤児院へ預けており、保護された屋敷の庭からは三人の乳児とみられる遺体が掘り起こされている。


「わたしは幸せよ。だってみんなに愛されてるんだから。今日は誰が抱いてくれるの?」


女性は虚ろな目をして肌を晒し、保護施設職員や患者へ関係を迫ろうとする為に隔離部屋へ収容。

窓もないその部屋からは常に卑猥な声が響き、食事も取らず自慰行為に耽る。

重度の性感染症に罹患していた女性はそのまま隔離部屋で息絶え、身内もいないことから施設の集合墓地に埋葬された。









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