【完結】夫婦はひたすら愛し合う

Ringo

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夫から女の匂い side妻

本日、私は夫人会なるお茶会に参加中。
誰が主催で何時から何時まで、何処で誰が参加されるのか等は夫へ細かく報告済み。
これは婚約者時代からの習慣で、ご一緒する方の派閥違いを心配して…ではなく、私が誰と何をしているのかを把握しておきたいとの事。

ちなみに、その頃より私が参加を許されているのは女性だけが参加するお茶会のみ。
【ご家族同伴可】とされるものには男性も参加されることがあるので、夫が伴わない限り参加は認められません。
束縛…独占欲…過保護…やりすぎ等々…様々なご意見を頂きますが、それらを当の本人である私は『愛されてる♡幸せ♡』と思うだけなので、もう皆さん何も仰らなくなりました。

さて。
そんな女性限定夫人会でここのところ話題にあがるのは、王太子殿下の元へ輿入れされた隣国の王女様について。
皆様、既にご夫婦で謁見されたらしく、曰く「お若くて小柄でとても可愛らしいお顔立ちをしている」のだそうです。
小国ながら歴史ある国の王女とあって、礼儀作法やマナーなども流石の一言だとか。


夫人A「それにしても王女様…あんなに小柄で細いというのに、は反則だわ。同じ女性でも目を向けてしまったわよ」

夫人B「あら、あなたも?」

夫人A「えぇ。殿方達なんて、必死で目を背けようとしているのがバレバレだったわ」

夫人C「わたくしの夫なんて、盗み見るように視線を固定させておりました」

夫人D「わたくしの夫は鼻の下を伸ばして、何やら手をわきわきとしておりましたわね」

夫人BC「「まぁ!!」」


この王女様、小柄で華奢な体格をしていて庇護欲を唆る可愛いお顔立ち…に加え、それはそれは見事に育ったお胸をお持ちのようです。
まだ十六歳と少女の年齢である王女様のお胸は張りがあり、ドレスの胸元には立派な谷間を覗かせていて…多くの殿方が頬を染めたのだとか。


夫人F「まぁ、それも結婚式が無事に執り行われるまでの事でしょうけれど」

夫人G「そうですね…でもむしろ私は、あのように着こなせる王女様が羨ましいですわ」

夫人B「分かります。少女のようなあどけなさに見事なまでのプロポーション…あのアンバランス加減が絶妙で、目が離せませんでした」


皆様一様に思い出したのか、虚を眺めながら艶かしい溜め息を吐かれました。
王女様が着ていたというドレスは隣国の特徴とも言えるもので、少し露出の多い体のラインに沿うピッタリとしたデザインをしております。
そして多くの王候貴族が、他国へ嫁ぐ際には婚姻の日まで祖国のものを身につけるのです。
露出がある上に体のラインに沿うデザインはこの国ではあまり見かけない為、見慣れていない皆様をドキドキさせたようですね。

そしてそのように刺激的なドレスを着ている王女様ですが、殿方に媚びるような態度や行動をとることは万にひとつもなく、明るく可愛らしいご様子に心を鷲掴みにされる女性が続出中です。
既に王女様のドレスデザインが流行の兆しを見せているのだとか…私も気になります。


夫人A「ハーネスト夫人はまだお会いするご予定ございませんの?公爵は殿下の側近でいらっしゃるでしょう?」

「えぇ…まだお話は頂いておりませんの」


そう、まだお会いできていない。
本来なら側近中の側近である夫の伴侶である私はとうに会っていてもおかしくないのだけれど…問題は王女様のお兄様である隣国の第二王子が同行していること。
この第二王子は独身で、隣国では浮き名を流すほどに女性関係が派手らしい。
よって、夫から登城を禁止されている。


夫人C「まぁ…あの第二王子がご一緒されている以上は、公爵がお許しにならないでしょうね」

夫人F「あぁ…確かに」


皆様から、生温かい視線を頂いてしまいました。
いいんです。
私は夫から許可がおりるまで待つだけですわ。


夫人G「それにしても…公爵も大変ですわね。妃殿下の癇癪が日に日に悪化しているとか。殿下は王女様のお相手にお忙しいそうですし…公爵にそのお役目が回っておられるのではなくて?」


そうなんです。
王女様の輿入れや結婚式に向けて殿下が忙しくされているせいで、妃殿下のフォローに夫が回されてしまっていて…思い出したら怒りが込み上げてきてしまいました。






◇◇◇◇◇◇






────お茶会より四日ほど前のこと。

この日の夫は定時より数時間遅れて帰宅し、ひどく疲れている様子に心配になり抱き締めて差し上げようと近付いたのです。
するとどうしたことでしょう!
夫から私のものではない香水の匂いが!!

【浮気】

この二文字が脳裏に浮かび、両手を広げて私を待つ夫を思わず突き飛ばしてしまいました。
夫は訳がわからないと困惑している様子。
私はその様子にすっとぼける気かと怒り心頭。


「ひどいわ!!ギルのバカ!!」

「ベルエア!!」


一気に溢れた涙を拭うこともせず、皆の前だというのに愛称で罵りその場から逃げ出しました。




が、当然すぐに捕まりまして。
夫がまだ食事をとっていないことなど構わず、連れ込まれた寝室で言葉の限りの罵声を浴びせまくり、挙げ句暴力を働きました。

その結果…私は翌日昼過ぎまでベッドの住人となりましたことは言うまでもありません。








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