2 / 5
オーナーママは、面接する
しおりを挟む
私の帰宅を祝うパーティーは朝まで続き、結局お父様は泥のような眠りについてしまわれました。最後まで起きていたのは女性陣。三人のなかでは誰よりも弱く見えるお母様も、実はかなりの酒豪でございます。
シャンパンから始まり数本のワインをひとりで開けた私ですが、朝方寝て目覚めた昼にはスッキリしていて、我ながら頑丈な腎臓肝臓に感謝しかありません。
「今日は最終確認だったわよね」
恐らくお父様は夜まで…へたすれば明日の朝まで起きてこないかもしれません。ですがこれから始める事業の経営者は私なのですから、細部に至るまでしっかり確認して進めてしまいましょう。
「エルザ、身支度をお願い」
「畏まりました」
私の一回り上のエルザは生まれた時からついている専属侍女。父親は執事長、母親は侍女長というサラブレッドな娘であり、エルザの家系は代々我が家に勤めている。ちなみに、六歳になるエルザの子供(双子の女の子)も侍女見習いのさらに見習いとしてお手伝いに励んでいて、そのあまりの可愛さについついお駄賃を弾んでしまっては私がよく怒られている。
「今日の護衛はランドルフ?」
「はい、左様でございます」
私の専属騎士はふたり。その内のひとりランドルフはエルザの旦那様。ランドルフの家系は優秀な騎士を輩出することで知られていて、その多くが我が公爵家に配属されているんだけれど、その規模と実力は一国に匹敵すると言われているのよね。しかも美形揃い。眼福です。
そんなわけで、我が公爵家は就職希望者が後をたたない人気の職場らしい。
「「クリスティアさま、おはようございます」」
「おはよう、カルラとミルラ」
「お食事のご用意ができたの?」
「「はい、お母様」」
「ありがとう、すぐに向かうわね」
ぺこりとお辞儀をして走り去っていく小さな侍女の姿のなんて可愛らしいこと。やっぱり、子供サイズで作らせた甲斐があったわ。次は子供サイズで騎士服も作らせようかしら。
あ!お駄賃あげてないじゃない。だめね、うっかりしていたわ。あとで渡してあげましょう。
「クリスティア様、くれぐれも子供らしい適度な額でお願い致しますね。子供に大金は必要ございませんので」
「…分かっているわ」
エルザって読心術でも習得してるのではないかしら。いっつも私の考えを読んでしまうんだもの。
「クリスティア様は分かりやすいですから」
「そんなことないはずよ。王妃教育でも淑女の仮面は完璧だって褒めてくださったもの」
「わたくしにはお見通しでございます。さぁ、編み上がりました。食堂へ参りましょう」
それはそうね。生まれた瞬間から常に私の傍にいて、誰よりも私の事をみてきてくれたのはエルザだもの。仮面なんて通用するわけがないのよ。
「いつも綺麗にしてくれてありがとう」
「有り難きお言葉」
私の事業にはエルザとランドルフの協力が必要不可欠だから、大まかには話してあるけれどあとできちんと説明して書面を交わさないと。
まずは朝…もうお昼ごはんね。お腹ペコペコだししっかり食べて午後の訪問者に備えましょう。
******
広げられた契約書やら申請書に全て目を通し、同席してくれている執事長のマーカスにも確認をしてもらって、それぞれに署名を記していく。
「内装工事はいつ頃から始めらるかしら」
「明日からでも動けますよ」
「そうなの?じゃぁ、それでお願いするわね。念のために私も昼過ぎに現場へ参ります」
「畏まりました。では、書類も全て揃いましたので私はこれで失礼致します」
「宜しくね」
公爵家お抱えの法務担当者は、似合いすぎる銀縁眼鏡の縁をクイッとあげて去っていった。
「さてと」
今日から本格的にやることがいっぱいよ。
******
王都で一番高級なホテルの一室、ここに私は容姿端麗な女性達を次から次へと部屋に呼んでいる。
「ふぅぅ…」
「お疲れ様でございます、こちらどうぞ」
「ありがとう」
三十名を越える女性とひたすらお喋りしすぎて、さすがに喉が痛くなってしまった。こんな時、私の様子を見てお茶の種類や温度を変えてくれるエルザに深く感謝するのよね。
「なかなかいい人材が揃いそうね」
前もって話題を広めておいたおかげで、面接第一弾はかなりの収穫だったと思う。現役貴族、元貴族、平民まで幅広く来てくれたけれど、今日だけでもキャストや裏方までだいぶ揃ってしまいそうだわ。
「でもまぁ、あと四回残っているしね」
さて、今日はもう帰って明日の現場確認に備えてゆっくり休みましょう。私が休まないとエルザやランドルフも休めないしね。目指すはホワイト企業なんだら。
「クリスティアお嬢様」
「あら、ロベルトじゃないの。ここで何してるの?あなた今日はお休みでしょう?」
「この近くに用事があって来ていたんです。このホテルでお嬢様が面接されていることを思い出しまして、様子を見に行こうかと思っていたんですが…もう終わったみたいですね」
ホテルを出ようとしたところで、もうひとりの専属騎士ロベルトと出くわしました。ロベルトも遠縁ながらランドルフの家系に入る血筋のせいか、剣術は長けるし見目がいい。
「ロベルト…今日は三つ編みなのね?」
腰まである金髪をいつもみたいに高い位置で縛っている姿も麗しいけれど、こうして緩く三つ編みをして流しているのも…控えめに言って最高。
そして何より手触りが極上なの。男性なのに艶々のサラサラで、なのにこうして編み込んだりしているとなんだかふわふわしていて…暇さえあればロベルトの髪を触っているような気がする。
「今日はふわふわね」
「おきに召しましたか?」
「貴方の嫌いなところなんてないわ」
鍛え上げられて引き締まった体格も、そこについているしなやかな筋肉も、一見冷たく思える射抜くように鋭いブルーの瞳も、形のいい唇も、男性らしい低い声も、全部好き。
「……いい香りがする。いつもと違うのね」
三つ編みに口付けようとして手に取ったら、いつもと違う香りがして胸がツキンと痛んだ。
「隣国から新しく入ってきたという洗髪剤を使ってみました。お気に召したようでしたら私からお送りさせて頂きます。ちなみに試供品を下さったのはマリア様です」
「……お義姉様だったのね、道理で趣味のいい香りがするわけだわ」
ロベルトは私の新しい事業運営に唯一顔をしかめた人物。それが嫉妬からきているということは分かっているけれど、だからこそ貴方のような用心棒が必要なのよ。
「ロベルトはこのあとどうするの?」
「屋敷に戻ります」
「そう…それなら、いい機会だしランドルフとエルザは夫婦水入らずで食事でも済ませてくるといいわ。支払いは私に請求書を回しておいて」
「有り難うございます」
「畏まりました」
エルザ達は何も言わない、聞いてこない。だから私からも言わない。初めて会った時からロベルトの事が好きで、それでも立場の為に心を封じて過ごしていたのに…もうそんなことする必要がないんだと決まった時、真っ先にロベルトへ気持ちを告げた。
『ありがとうございます。私もお嬢様をお慕いしております。ですが…私は継ぐ爵位もない三男に過ぎません。騎士爵こそ持っていますがそれは一代限りのもの。お嬢様に相応しくございません』
私に相応しいってなによ。大きなお屋敷?豪華なドレスや宝石?馬鹿にしないで。こっちは前世含めてあなたの倍以上生きてるのよ。そう簡単に諦めてなんかやらないんだから。
「お嬢様、参りましょう」
差し出された腕に私が迷いなく自分のものを絡める様子を見て、嬉しそうな顔するくせに。
見てなさいよ。
爵位なんてなくても、貴族相手に立ち向かえる事を証明してみせる。大きなお屋敷もドレスも宝石も、欲しいと思えば自分で買えるだけの財産を築いてみせる。
だけど、その隣には貴方にいてほしいの。
貴方と一緒だから頑張りたいと思えるの。
シャンパンから始まり数本のワインをひとりで開けた私ですが、朝方寝て目覚めた昼にはスッキリしていて、我ながら頑丈な腎臓肝臓に感謝しかありません。
「今日は最終確認だったわよね」
恐らくお父様は夜まで…へたすれば明日の朝まで起きてこないかもしれません。ですがこれから始める事業の経営者は私なのですから、細部に至るまでしっかり確認して進めてしまいましょう。
「エルザ、身支度をお願い」
「畏まりました」
私の一回り上のエルザは生まれた時からついている専属侍女。父親は執事長、母親は侍女長というサラブレッドな娘であり、エルザの家系は代々我が家に勤めている。ちなみに、六歳になるエルザの子供(双子の女の子)も侍女見習いのさらに見習いとしてお手伝いに励んでいて、そのあまりの可愛さについついお駄賃を弾んでしまっては私がよく怒られている。
「今日の護衛はランドルフ?」
「はい、左様でございます」
私の専属騎士はふたり。その内のひとりランドルフはエルザの旦那様。ランドルフの家系は優秀な騎士を輩出することで知られていて、その多くが我が公爵家に配属されているんだけれど、その規模と実力は一国に匹敵すると言われているのよね。しかも美形揃い。眼福です。
そんなわけで、我が公爵家は就職希望者が後をたたない人気の職場らしい。
「「クリスティアさま、おはようございます」」
「おはよう、カルラとミルラ」
「お食事のご用意ができたの?」
「「はい、お母様」」
「ありがとう、すぐに向かうわね」
ぺこりとお辞儀をして走り去っていく小さな侍女の姿のなんて可愛らしいこと。やっぱり、子供サイズで作らせた甲斐があったわ。次は子供サイズで騎士服も作らせようかしら。
あ!お駄賃あげてないじゃない。だめね、うっかりしていたわ。あとで渡してあげましょう。
「クリスティア様、くれぐれも子供らしい適度な額でお願い致しますね。子供に大金は必要ございませんので」
「…分かっているわ」
エルザって読心術でも習得してるのではないかしら。いっつも私の考えを読んでしまうんだもの。
「クリスティア様は分かりやすいですから」
「そんなことないはずよ。王妃教育でも淑女の仮面は完璧だって褒めてくださったもの」
「わたくしにはお見通しでございます。さぁ、編み上がりました。食堂へ参りましょう」
それはそうね。生まれた瞬間から常に私の傍にいて、誰よりも私の事をみてきてくれたのはエルザだもの。仮面なんて通用するわけがないのよ。
「いつも綺麗にしてくれてありがとう」
「有り難きお言葉」
私の事業にはエルザとランドルフの協力が必要不可欠だから、大まかには話してあるけれどあとできちんと説明して書面を交わさないと。
まずは朝…もうお昼ごはんね。お腹ペコペコだししっかり食べて午後の訪問者に備えましょう。
******
広げられた契約書やら申請書に全て目を通し、同席してくれている執事長のマーカスにも確認をしてもらって、それぞれに署名を記していく。
「内装工事はいつ頃から始めらるかしら」
「明日からでも動けますよ」
「そうなの?じゃぁ、それでお願いするわね。念のために私も昼過ぎに現場へ参ります」
「畏まりました。では、書類も全て揃いましたので私はこれで失礼致します」
「宜しくね」
公爵家お抱えの法務担当者は、似合いすぎる銀縁眼鏡の縁をクイッとあげて去っていった。
「さてと」
今日から本格的にやることがいっぱいよ。
******
王都で一番高級なホテルの一室、ここに私は容姿端麗な女性達を次から次へと部屋に呼んでいる。
「ふぅぅ…」
「お疲れ様でございます、こちらどうぞ」
「ありがとう」
三十名を越える女性とひたすらお喋りしすぎて、さすがに喉が痛くなってしまった。こんな時、私の様子を見てお茶の種類や温度を変えてくれるエルザに深く感謝するのよね。
「なかなかいい人材が揃いそうね」
前もって話題を広めておいたおかげで、面接第一弾はかなりの収穫だったと思う。現役貴族、元貴族、平民まで幅広く来てくれたけれど、今日だけでもキャストや裏方までだいぶ揃ってしまいそうだわ。
「でもまぁ、あと四回残っているしね」
さて、今日はもう帰って明日の現場確認に備えてゆっくり休みましょう。私が休まないとエルザやランドルフも休めないしね。目指すはホワイト企業なんだら。
「クリスティアお嬢様」
「あら、ロベルトじゃないの。ここで何してるの?あなた今日はお休みでしょう?」
「この近くに用事があって来ていたんです。このホテルでお嬢様が面接されていることを思い出しまして、様子を見に行こうかと思っていたんですが…もう終わったみたいですね」
ホテルを出ようとしたところで、もうひとりの専属騎士ロベルトと出くわしました。ロベルトも遠縁ながらランドルフの家系に入る血筋のせいか、剣術は長けるし見目がいい。
「ロベルト…今日は三つ編みなのね?」
腰まである金髪をいつもみたいに高い位置で縛っている姿も麗しいけれど、こうして緩く三つ編みをして流しているのも…控えめに言って最高。
そして何より手触りが極上なの。男性なのに艶々のサラサラで、なのにこうして編み込んだりしているとなんだかふわふわしていて…暇さえあればロベルトの髪を触っているような気がする。
「今日はふわふわね」
「おきに召しましたか?」
「貴方の嫌いなところなんてないわ」
鍛え上げられて引き締まった体格も、そこについているしなやかな筋肉も、一見冷たく思える射抜くように鋭いブルーの瞳も、形のいい唇も、男性らしい低い声も、全部好き。
「……いい香りがする。いつもと違うのね」
三つ編みに口付けようとして手に取ったら、いつもと違う香りがして胸がツキンと痛んだ。
「隣国から新しく入ってきたという洗髪剤を使ってみました。お気に召したようでしたら私からお送りさせて頂きます。ちなみに試供品を下さったのはマリア様です」
「……お義姉様だったのね、道理で趣味のいい香りがするわけだわ」
ロベルトは私の新しい事業運営に唯一顔をしかめた人物。それが嫉妬からきているということは分かっているけれど、だからこそ貴方のような用心棒が必要なのよ。
「ロベルトはこのあとどうするの?」
「屋敷に戻ります」
「そう…それなら、いい機会だしランドルフとエルザは夫婦水入らずで食事でも済ませてくるといいわ。支払いは私に請求書を回しておいて」
「有り難うございます」
「畏まりました」
エルザ達は何も言わない、聞いてこない。だから私からも言わない。初めて会った時からロベルトの事が好きで、それでも立場の為に心を封じて過ごしていたのに…もうそんなことする必要がないんだと決まった時、真っ先にロベルトへ気持ちを告げた。
『ありがとうございます。私もお嬢様をお慕いしております。ですが…私は継ぐ爵位もない三男に過ぎません。騎士爵こそ持っていますがそれは一代限りのもの。お嬢様に相応しくございません』
私に相応しいってなによ。大きなお屋敷?豪華なドレスや宝石?馬鹿にしないで。こっちは前世含めてあなたの倍以上生きてるのよ。そう簡単に諦めてなんかやらないんだから。
「お嬢様、参りましょう」
差し出された腕に私が迷いなく自分のものを絡める様子を見て、嬉しそうな顔するくせに。
見てなさいよ。
爵位なんてなくても、貴族相手に立ち向かえる事を証明してみせる。大きなお屋敷もドレスも宝石も、欲しいと思えば自分で買えるだけの財産を築いてみせる。
だけど、その隣には貴方にいてほしいの。
貴方と一緒だから頑張りたいと思えるの。
1
あなたにおすすめの小説
「愛想がなく可愛くない」と捨てられた私、最強の竜騎士に拾われる。「その美しさに僕だけが狂わされたい」と、愛の重さでベッドから下ろしてくれない
唯崎りいち
恋愛
夜会の最中、王子に「愛想がなくて可愛くない」と婚約破棄された無表情令嬢。
だが彼女の美しさに一目惚れした隣国最強の竜騎士に連れ去られ、
「君はもう僕のものだ」
と毎晩愛の重さでベッドから下ろしてくれない生活が始まる——。
安らかにお眠りください
くびのほきょう
恋愛
父母兄を馬車の事故で亡くし6歳で天涯孤独になった侯爵令嬢と、その婚約者で、母を愛しているために側室を娶らない自分の父に憧れて自分も父王のように誠実に生きたいと思っていた王子の話。
※突然残酷な描写が入ります。
※視点がコロコロ変わり分かりづらい構成です。
※小説家になろう様へも投稿しています。
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
モブなので思いっきり場外で暴れてみました
雪那 由多
恋愛
やっと卒業だと言うのに婚約破棄だとかそう言うのはもっと人の目のないところでお三方だけでやってくださいませ。
そしてよろしければ私を巻き来ないようにご注意くださいませ。
一応自衛はさせていただきますが悪しからず?
そんなささやかな防衛をして何か問題ありましょうか?
※衝動的に書いたのであげてみました四話完結です。
家族の靴を磨いていた私が、実は【神の加護を磨き上げた聖女】だった件。隣国の冷徹皇帝に「君の献身は世界を救う」と誘拐、24 執着されています
唯崎りいち
恋愛
「お前は一生、靴でも磨いていろ」
家族に虐げられ、靴を磨き続けた私。
実はその靴、磨くたびに『神の加護』が宿る聖具になっていました。
噂を聞きつけた隣国の冷徹皇帝に、出会い頭にさらわれて――
「君は俺のものだ。24時間、指一本触れさせない」
靴を履かせてもらえず、移動は常に皇帝の腕の中!?
磨き上げた加護のせいで、皇帝の執着が神レベルに育ってしまう溺愛物語。
感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました
九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」
悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。
公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。
「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」
――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。
頭頂部に薔薇の棘が刺さりまして
犬野きらり
恋愛
第二王子のお茶会に参加して、どうにかアピールをしようと、王子の近くの場所を確保しようとして、転倒。
王家の薔薇に突っ込んで転んでしまった。髪の毛に引っ掛かる薔薇の枝に棘。
失態の恥ずかしさと熱と痛みで、私が寝込めば、初めましての小さき者の姿が見えるようになり…
この薔薇を育てた人は!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる