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第15章 メカトロニクス・ファイト
第199話 テコロン鉱山へ
「うう~……。あ、頭が痛い……」
「飲み過ぎだ。加減しろよな、絡み酒王子」
二日酔いのロギウスと共に俺達はダウンビーズを出ると、テコロン鉱山へと向かった。
「あれ? ゼロラ殿? なんだか僕に容赦がなくなってないか? そもそも昨日は酒盛りしながら何を話してたんだっけ?」
「酔ってる時の記憶がないタイプか。今後は飲み過ぎないように気を付けることだな」
「???」
ロギウスは『なんのことだかさっぱり』といった表情をしているが、まあいいか。
ダウンビーズを出る前にオジャル伯爵から酔い覚ましも貰ったし、テコロン鉱山に着くころには元に戻ってるだろ。
■
「ここがテコロン鉱山か……」
「ああ、そうだね……。やっと頭痛が収まってきた……」
俺達はテコロン鉱山に到着した。
鉱石を狙って冒険者がいるのも見えるが、俺達の狙いは元王国騎士団二番隊隊長のドクター・フロストだ。
ロギウスが言うには、このテコロン鉱山の"禁則地"と呼ばれる場所にフロストがいるらしい。
「ゼロラ殿。このバッジを身に着けておいてくれ。フロスト元隊長がいる"禁則地"はテコロン鉱山のかなり奥だ。このバッジがあれば、奥に行っても魔物除けの効果がある」
二日酔いから復活したロギウスから俺はバッジを貰って身に着ける。
最悪フロストの科学力を相手に戦う可能性だってある。体力を温存したい身としては有難い。
俺はロギウスの案内の元、テコロン鉱山の奥へと進んで行く。
「この道には冒険者がいないんだな」
「この道は"禁則地"への専用みたいなものだ。"禁則地"に入ろうとする冒険者なんていない。ただでさえ険しい道なのに、ドクター・フロストという危険人物まで居座ってるからね……」
歩きながら俺はロギウスに尋ねたが、確かにそんな場所に好き好んで訪れる人間なんていないか。
ロギウスから貰った魔物除けのバッジの効果もあってか、"禁則地"の前まではすんなり進むことができた。
「ここだ。この洞窟こそがテコロン鉱山の"禁則地"――フロスト元隊長の根城だ」
「こんなところにいるのか……」
俺達が辿り着いた洞窟の入り口、テコロン鉱山の"禁則地"。
険しい道を超えた先に会ったその洞窟は周囲の岩石とは異なり、明らかな人工物で作られていた。
「ん? 洞窟の中から誰か出てきたな?」
「早速門番のお出ましか……」
ロギウスが"門番"と呼んだその人物が洞窟の中から出てきて、俺達の前で立ち止まった。
「これより先、マスターの許可なき者は進入禁止です」
現れたのは水色の髪と瞳をした美人なメイド。
こんなところにメイドがいるのもおかしいが、それ以上にこのメイド――何かがおかしい。
声や振る舞いから、人間らしさを感じない……。
「ロギウス。こいつは……人間か?」
「勘が鋭いね。ゼロラ殿がお察しの通り、彼女は人間じゃない。フロスト元隊長が作り出した、"ヒューマノイド"と呼ばれる機械仕掛けのゴーレムの一種さ」
"ヒューマノイド"? これがゴーレムの一種だと?
見た目だけ見れば、ほとんど人間そのものだ。
こんなものまでドクター・フロストは作り出せるというのか……。
「マスターの許可なき者は進入禁止です。御用がなければお引き取り下さい」
「僕はルクガイア王国王子のロギウスだ。フロスト元隊長にお目通り願いたい」
ロギウスがメイドに自己紹介をすると、メイドは少しの間ロギウスを見つめた後に発言した。
「データベースとの照合が完了しました。ルクガイア王国王子のロギウス様。現在、進入は許可されていません。それにもう一人のお名前をお願いします」
メイドはロギウスの願いを聞き入れず、さらに俺に名乗り出るように申し出てきた。
「……名乗って大丈夫なのか?」
「……物は試し程度で頼む。一応戦う準備もしておいてくれ」
……もうすでに物騒な気配しかしないな。
俺はいつでも戦えるように準備をして名乗り出た。
「俺はゼロラだ。ドクター・フロストという男に会いたい」
俺が名乗ると、メイドはロギウスの時と同じように俺を見つめた後に発言した。
「データベースに一致するお名前がありました。マスターより登録されたデータによると、『排除対象』と登録されています。これよりこの私、ニナーナは戦闘モードに移行します」
門番のメイドは自らをニナーナと名乗ると、突如腰のあたりから炎を噴出して宙に浮かび上がり、俺達に対して両手の平を向け――
ガガガガッ!!
――その手の平から何発もの銃弾を発射してきた!
「な、なんだ!? 手の平に銃でも仕込んでるのか!?」
「そう思ってもらって差し支えないな! どうやらフロスト元隊長は僕達に会いたくないようだ!」
俺は全身にかけた<鉄の防御>で、ロギウスは防御魔法を使うことで銃弾の雨を凌ぐことができた。
「こうなったら……無理矢理にでも突破させてもらおう!」
「そうするしか……ねえな!」
俺は戦いの構えをとり、ロギウスも刀を抜く。
お互いに戦いの準備ができると、すぐさまニナーナの横を通り抜けて洞窟の奥を目指す。
「……侵入者を確認しました。これより、このテコロン鉱山にあるマスターの研究要塞の防御システムの権限をニナーナへ移行。侵入者の撃退を開始します」
俺達が横を通り過ぎるのを見ていたニナーナは少し遅れてそんなことを呟くと、空を飛んで別ルートから洞窟の奥へと向かったようだ。
どうにもこれから俺達が相手をするのは、人間でも魔物でもないようだ……!
「飲み過ぎだ。加減しろよな、絡み酒王子」
二日酔いのロギウスと共に俺達はダウンビーズを出ると、テコロン鉱山へと向かった。
「あれ? ゼロラ殿? なんだか僕に容赦がなくなってないか? そもそも昨日は酒盛りしながら何を話してたんだっけ?」
「酔ってる時の記憶がないタイプか。今後は飲み過ぎないように気を付けることだな」
「???」
ロギウスは『なんのことだかさっぱり』といった表情をしているが、まあいいか。
ダウンビーズを出る前にオジャル伯爵から酔い覚ましも貰ったし、テコロン鉱山に着くころには元に戻ってるだろ。
■
「ここがテコロン鉱山か……」
「ああ、そうだね……。やっと頭痛が収まってきた……」
俺達はテコロン鉱山に到着した。
鉱石を狙って冒険者がいるのも見えるが、俺達の狙いは元王国騎士団二番隊隊長のドクター・フロストだ。
ロギウスが言うには、このテコロン鉱山の"禁則地"と呼ばれる場所にフロストがいるらしい。
「ゼロラ殿。このバッジを身に着けておいてくれ。フロスト元隊長がいる"禁則地"はテコロン鉱山のかなり奥だ。このバッジがあれば、奥に行っても魔物除けの効果がある」
二日酔いから復活したロギウスから俺はバッジを貰って身に着ける。
最悪フロストの科学力を相手に戦う可能性だってある。体力を温存したい身としては有難い。
俺はロギウスの案内の元、テコロン鉱山の奥へと進んで行く。
「この道には冒険者がいないんだな」
「この道は"禁則地"への専用みたいなものだ。"禁則地"に入ろうとする冒険者なんていない。ただでさえ険しい道なのに、ドクター・フロストという危険人物まで居座ってるからね……」
歩きながら俺はロギウスに尋ねたが、確かにそんな場所に好き好んで訪れる人間なんていないか。
ロギウスから貰った魔物除けのバッジの効果もあってか、"禁則地"の前まではすんなり進むことができた。
「ここだ。この洞窟こそがテコロン鉱山の"禁則地"――フロスト元隊長の根城だ」
「こんなところにいるのか……」
俺達が辿り着いた洞窟の入り口、テコロン鉱山の"禁則地"。
険しい道を超えた先に会ったその洞窟は周囲の岩石とは異なり、明らかな人工物で作られていた。
「ん? 洞窟の中から誰か出てきたな?」
「早速門番のお出ましか……」
ロギウスが"門番"と呼んだその人物が洞窟の中から出てきて、俺達の前で立ち止まった。
「これより先、マスターの許可なき者は進入禁止です」
現れたのは水色の髪と瞳をした美人なメイド。
こんなところにメイドがいるのもおかしいが、それ以上にこのメイド――何かがおかしい。
声や振る舞いから、人間らしさを感じない……。
「ロギウス。こいつは……人間か?」
「勘が鋭いね。ゼロラ殿がお察しの通り、彼女は人間じゃない。フロスト元隊長が作り出した、"ヒューマノイド"と呼ばれる機械仕掛けのゴーレムの一種さ」
"ヒューマノイド"? これがゴーレムの一種だと?
見た目だけ見れば、ほとんど人間そのものだ。
こんなものまでドクター・フロストは作り出せるというのか……。
「マスターの許可なき者は進入禁止です。御用がなければお引き取り下さい」
「僕はルクガイア王国王子のロギウスだ。フロスト元隊長にお目通り願いたい」
ロギウスがメイドに自己紹介をすると、メイドは少しの間ロギウスを見つめた後に発言した。
「データベースとの照合が完了しました。ルクガイア王国王子のロギウス様。現在、進入は許可されていません。それにもう一人のお名前をお願いします」
メイドはロギウスの願いを聞き入れず、さらに俺に名乗り出るように申し出てきた。
「……名乗って大丈夫なのか?」
「……物は試し程度で頼む。一応戦う準備もしておいてくれ」
……もうすでに物騒な気配しかしないな。
俺はいつでも戦えるように準備をして名乗り出た。
「俺はゼロラだ。ドクター・フロストという男に会いたい」
俺が名乗ると、メイドはロギウスの時と同じように俺を見つめた後に発言した。
「データベースに一致するお名前がありました。マスターより登録されたデータによると、『排除対象』と登録されています。これよりこの私、ニナーナは戦闘モードに移行します」
門番のメイドは自らをニナーナと名乗ると、突如腰のあたりから炎を噴出して宙に浮かび上がり、俺達に対して両手の平を向け――
ガガガガッ!!
――その手の平から何発もの銃弾を発射してきた!
「な、なんだ!? 手の平に銃でも仕込んでるのか!?」
「そう思ってもらって差し支えないな! どうやらフロスト元隊長は僕達に会いたくないようだ!」
俺は全身にかけた<鉄の防御>で、ロギウスは防御魔法を使うことで銃弾の雨を凌ぐことができた。
「こうなったら……無理矢理にでも突破させてもらおう!」
「そうするしか……ねえな!」
俺は戦いの構えをとり、ロギウスも刀を抜く。
お互いに戦いの準備ができると、すぐさまニナーナの横を通り抜けて洞窟の奥を目指す。
「……侵入者を確認しました。これより、このテコロン鉱山にあるマスターの研究要塞の防御システムの権限をニナーナへ移行。侵入者の撃退を開始します」
俺達が横を通り過ぎるのを見ていたニナーナは少し遅れてそんなことを呟くと、空を飛んで別ルートから洞窟の奥へと向かったようだ。
どうにもこれから俺達が相手をするのは、人間でも魔物でもないようだ……!
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