運命の息吹

梅川 ノン

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16章

王太子の婚約者

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「あなた、お帰りなさいませ」
「ああ、ルシアはどうしているか? 殿下はまだなのか?」
「もう来ると思うのですが……。 ルシアは部屋で静かにしておりますわよ」
 朝からルシアの発情の兆候があった。すぐにアレクシーには知らせたが、外せない公務があるため行けるのは夕刻になるとのことだった。ルシアは部屋でアレクシーの到着を待っていた。
「そうか……殿下もお忙しい、外せない公務もあるからな、ルシアはさぞ待ちわびているだろうな……」
「ええ、セリカが付いているから安心ではありますが……」
 そこへアレクシーが、息せき切って到着した。
「すみません、遅くなりました。ルシアは部屋ですか?」
 返事を聞く前に、ルシアの部屋に駆け込んでいく。それを公爵夫妻は唖然と見送る。
「あなた、ルシアが嫁ぐ前の最後の発情になりますわね」
「そうだな、寂しくなるな……花嫁の父の心境だよ」
「ええ私も……ルシアがここに来てから、本当に楽しくて私ルシアが大好きになりましたわ」
「それは私もだよ、ルイーズありがとう、君のおかげで得難い人の兄になれた」
「あなたの尽力のおかげでここまでこれたのですわ、私もあなたには心から感謝いたします」
 二人はお互いに感謝し合い、その労を労わり合った。そしてルシアが嫁ぐその日までは勿論、それ以降も支えていくことを確かめ合うのだった。

「ルシアすまない、遅くなった」言うなり、ルシアを抱きしめた。体が熱い、そして得も言われぬ香りがする。発情しているオメガの、アルファを誘う香り、アルファを求める香りだ。
「辛いか? もう大丈夫だ。我が抑えてやるからな」
 ルシアは、朝からアレクシーを待っていた。公務のあるアレクシーがすぐに来られないことは、頭では分かっているが、オメガの本能は理性を超える。待って、待って、待ちわびていた。アレクシーの香りが、ルシアを心からの安堵で包む。熱い体でアレクシーに抱きつく。ルシアはアレクシーを全身で求めた。
 アレクシーがルシアの着衣を脱がすと、白い肌は発情の熱で薄紅に染まっている。アレクシーが触れると、しっとりと熱も帯びていて吸い込まれるように弄る。弄る手が胸に触れると、ピックと尖る。アレクシーの愛撫を期待するそこに応えてやると、待ちわびたルシアの体は喜びに震える。
「ああうっ……」
 ルシアが甘い喘ぎを漏らすと、褒美とばかりにアレクシーは益々そこを攻め、ルシアの官能を高めていく。
「ああうっ、うふんっ……」
 ルシアの身体中の官能がざわめき、ルシアは身を捩らせ、喜悦の喘ぎを洩らす。アレクシーの愛撫に翻弄されてルシアは乱れた。アレクシーが欲しいと、啜り泣きながらアレクシーを求めた。
 アレクシーがルシアの秘めた蕾に触れると、そこは既に花の蜜で溢れていた。アレクシーの指は吸い込まれるように入っていく。ルシアの全身は喜びに震える。
「そなたのここは、我を待ちわびているようだな。ルシア、欲しいか?」
「欲しいっ……お願い……は、早く……」
 快感に乱れて、自分を制御できなくなっているルシアは、直截的に強請る。己に対して随分と慣れてきたなと、アレクシーは嬉しくなる。もう少し焦らしてやりたいが、己も限界だ。
 アレクシーが、ルシアの両脚を掲げ上げると、ルシアの白磁のような双丘が晒される。ルシアの花蕾は、蜜を溢れさせアレクシーの牡を迎え開花の時を待っているかのようだ。
 アレクシーはいきり立った牡を、ルシアの花蕾にあてると吸い込まれるように深く沈めていく。
 ルシアの蜜に濡れた花蕾は、アレクシーの逞しい牡を歓喜と共に受け入れる。ルシアの目じりから歓びの涙が零れた。
 アレクシーは、口唇でルシアの涙を吸い取ってやる。ルシアのものは涙まで甘い。
「ルシア、きれいだよ。そなた以上にきれいな人を私は知らない。最高だ! 素晴らしい! 愛している」
 ルシアは、アレクシーの数々の賛辞を歓びに震えながら受け止める。アレクシーに抱きつく力が強まる。ルシアの精一杯の応えだった。
「ルシア動くぞ、よいか」
 アレクシーが抽挿を開始した。初めはゆっくりと優しく、徐々に早く激しく。
「ああうっ……アレクシーっ……アレクシーっ」
 ルシアは、沸き起こってくる快美感に身体を震わせながら、喘ぐようにアレクシーの名を呼ぶ。
 アレクシーもまた、ルシアの肌の色が美しく光沢を帯びていき、挿入している自身の牡を締め付けてくる感触に悦楽を感じる。
 アレクシーの突き上げは激しさを増し、ルシアの官能を追い上げ陶酔にいざなっていく。ルシアの清楚な美貌に、妖艶さも合わさり、神がかった美しさに変じていく。
 アレクシーが、牡の精を迸らせ始める。ルシアはアレクシーの全てを受けとめながら、陶酔に身を委ねると、全身に快美感を感じ、官能の昂りに上り詰めていく。
 アレクシーが精を放ち終えたその時、ルシアも多幸感の中、陶酔の頂に上りつめ自失した。
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