どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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三章 雫ポイズン

どうしようもない苦しみ

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「あの蛇もあいつと同類の馬鹿。名前を呼んだらすぐ来てよぉ。怯える様子も見せねぇの。俺の顔じぃーっと見つめてよ。解体して肉にしてやったぜ」
そこからの記憶が無い。
ただ、辛くて、悲しくて、どうしようもなくて、そんなふがいない自分が許せなくて、どれだけ叫んでも、足りなくて、もう戻ってこない、なんていう現実を信じられなくて、いくら泣いたって足りなくて、吐き出せなくてただただたまっていくだけで、どうにもならない絶望の底に落ちていくようで。
苦しくて苦しくて苦しくて苦しくて。
気が付いたらあの子と同じ白蛇となっていた。
どうしてそうなったのか全く分からないけれど。
あの子よりもくすんだ白い鱗。
なんて醜いことだろう!
思わずむせび泣いてしまいたくなったが、涙が出なかった。
ただ欠けたものを埋めるかのように箱に入ったものをむさぼった。
この渇きを満たしてくれるなら、飢えを満たしてくれるなら何でもよかった。
なんでも口に入れた。
なのに、何を食べても満たされない。
心の中にドロドロが溜まってどうにもならない。
次第に人間に対する嫉妬心が高まっていった。
私はこんなに地に堕ちたような姿になったというのに。
なのに、今ものうのうと暮らしているあいつらが憎かった。
私は毎晩のように叫び声をあげた。
それを見た人間は顔を顰めて私を見下ろした。
叫び声が収まらないとわかるが否や、何かをこちらに放り投げる。
それでも口に入れて黙っていろという意思表示らしかった。
しかし、それさえもどうでもよかった。
食べたら満たされるなんて。
一時的にだけど満たされるなんて。人
間のそんなところにすら憎たらしかった。
そんな思いでこの小さな体は満たされていた。
そんな気持ちばかりが高まっていくけれど、私は箱から出られない。
文字通り、この箱に魂が囚われているのだ。
だから逃げ出すことができない。
その事実は私の心を毒のように蝕んでは人間としての心を無くしていくのだ。
まるで真綿で首を絞められるかのように。
じわじわと私の人間性というものを蝕んでいくのだ。
それが苦痛で、苦痛で仕方なくて。
怖くて、怖くて、たまらなくなって、耐えきれなくて。
仮に逃げ出したとしてもこの姿だ。
狩られて終わるだけだろう。
そう思うとこの胸は痛いなんて言葉が生ぬるくなるような感覚に襲われる。
いつも思い出すのは蛇と過ごした日々の事だった。
それも日を追うごとに消えていった。
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