どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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三章 雫ポイズン

みんなでご飯

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僕の蛇責めは確かに強力だ。
大抵のものは物ともしない質量。
魔法なんてほぼほぼ無効化する鱗。
更に毒をまき散らす性質の悪さ。
けれど、あちらには歌姫と勇者がいるから。
歌でパフをかけられた勇者は、恐ろしい戦力を持つらしい。
「どう考えても愚策だよね。まぁ、良いけど。あっちは戦争にしたいなら、影で君らの兵を無力化してくれるって。戦争になると賠償金とかで忙しくなるから。忙しくなると先輩と会えなくなって迷惑なんですよねって颯太が切れてた。賠償金とか要らないから先輩と会う時間をくれってさ。まぁ、当然なんじゃない?別に人魚の国とか興味ないし。あの双子」
あと、雫の国民登録も終わったみたいだからこの国で安心して暮らしなよ、と理久は言った。
そんなあっさりと出来るもんなんだ、と思った。
「美空に頼んだらしてくれたんだ。これで一緒に暮らせるね」
「ま、お前は隣の部屋だけどな!!相部屋は僕だけだし!」
ふふん、と勝ち誇ったように言う理久。
後から聞いた話だと、美空は凪の事を守る宣言をしたのと、こちらに対する敵対心がないのならということらしい。
どうやら凪の事が好きみたいで、それでも近くにいれないから。
だから少しでも戦力があった方が安心できると。
少しイラっとしながらも、これでもう自由なんだと思った瞬間嬉しくて。
ずっと凪と一緒にいられるんだと思うと嬉しくて。
「僕、ここで暮らすよ。今までありがとう、姉さん」
自分の双子の姉。
僕の代わりに煌びやかなパーティーも、何もかも。
親の愛も全部。
何もかも独り占めした姉に。
永遠の別れの意味を込めて、ありがとうといった。
絵美を置いて寮へと帰った。
きっと、次に絵美と会うときは、お互い無関係という風になっているだろう。
いや、そんなの初めからか。
こんな姉弟の形を悲しいという人もいるだろうけど、これが僕達の形だから。
仕方がないんだよ。
 
寮へ帰ってパーティーを開いた。
みんなで騒ぐために。
お疲れ様の会というのが正しいのかもしれない。
きっかけは、凪がパーティーを開きたいといったのだった。
「みんなで何か美味しいもの食べようよ。そうだな…何にしよう…」
「冷蔵庫の中身空っぽだからさ、みんなで買いに行こ?別に僕は凪と二人きりでもいいけど。雫も来るんでしょ?」
そんな感じで出かけた購買。
学校の購買と思えない程に広くて、まるでデパートみたいだった。
制服の替えがあったから、僕と凪の分を買った。
血に濡れすぎて落ちそうになかったから。
 
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