どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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二章 美空ミカエル

瞳へのトラウマ

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そんないいものであったらよかったけど。そういうわけではないのだ。
学校、というものは先輩にとっては刺激的なコンテンツだ。
だって先輩には行けないから。
いつかは行けるけど今はいけない場所。
それが先輩の学校への認識。
僕はずっと先輩には塔に閉じこもっていて欲しいけど。
けど、だからこそ、先輩は学校の話に凄く興味を持つ。
とても目を輝かせて話してほしいという。
だから行く。
少しでも僕に興味を持ってもらうために。
先輩の喜んでいる顔を見るために。
その選択に後悔した事は今のところ一度も無い。
むしろ少しその点に関しては誇らしく思うくらい。
そもそも僕は。
僕は、他人と関わる事が嫌い。
話すことが嫌い。
視線が交差するのが嫌い。
意見を伝えて対立することが嫌い。
目と目を合わせて会話する事が嫌い。
…、いや、一番嫌いなのは瞳だ。
瞳を見つめているとどこまでも吸い込まれてしまいそうな感覚に陥ってしまう。
目は口ほどに物を言うという言葉があるが、その通りだと思う。
目を見れば、何を言いたいのか分かる。
だからこそ怖くて仕方ない。
誰よりも人の視線という物を気にして生きてきた僕だから言えること。
僕に対して何を抱いているのかがわかる。
どんな感情を抱いているのかがわかってしまう。
理解してしまう。
僕に対して悪感情を抱いているのか、それとも好意的なのか。
呪われているときに、多くの人と目を合わせた。
目を合わせざるを得なかった。
多くの目を見た。
きっと僕と同年代で僕以上に人間の瞳を見た人間なんていないだろうと思う。
それくらい見てしまったのだ。
最初は好意的なふりをして、段々耐え切れなくなって、吐き捨てるように僕に醜いと言い放ち外に出るのだ。
その繰り返し。
何度も、何度も。
相手をしたくない国が来たとき、僕が対応した。
面倒な事に巻き込まれるとか、そういう勘が鋭い父は、そのたびに僕を狩りだした。
僕を出すことによって、人々はそういった行動に出る。
まるで徐々に耐え切れなくなったような振りをする。
しかし、その間、その瞳はずっと嫌悪感を滲ませる。
瞳だけは嘘をついていないのだ。
瞳だけは初めから相手が僕にどんな感情を抱いているのか教えてくれていた。
ずっと、ずっと。
その瞳の中には、僕が映っている。
僕しか映っていない。
僕に対していつも嫌悪感をにじませている。
虚像の僕は、本来の僕となんら変わらない顔をしているけども、この人の中の僕はこれじゃない。
呪いの力でこの人にとって最も嫌悪感の生まれる見かけとなっている。
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