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二章 美空ミカエル
運命は交差していく
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そっと頭を撫でられる。
「怖かったよね。ナイフをあんな風に突き付けられて。もう大丈夫だよ」
そう言われて抱きしめられたら、さっきまでの恐怖が涙に変わってしまう。
みっともなく大声で怖かったと泣く俺を、ずっとあやしてくれた。
かっこ悪いのに。
こんな俺を見ないでという感情と、こんな俺でも認めてほしいなんて相反する感情が浮かぶ。
王族の中では泣いちゃいけないから。
泣くような弱い子はいらないから。
いつも笑っていないといけないから。
「貴方の名前はなんていうんですか?」
そう聞くと、その人は笑ってこう答えた。
「僕は神月 凪。森の奥に住んでいるんだ」
これが凪先輩との出会いだった。
運命だったとしか言えない。
あの日からずっと俺は凪先輩に恋をしている。
ずっと。
目が覚める。
顔を洗う。
欠伸を一つ出す。
朝起きた時のルーティン。
扉から差し入れられた朝食を食べる。
その間一言も喋らない。
何か喋ったところで独り言にしかならないし。
朝からアテネと会話する気もないし。
トレーを返却して、ご馳走様と声に出してから、服を脱ぐ。
着替えるために。
パジャマを脱いだ後に、制服を箪笥から取り出す。
制服に袖を通す。
髪型を鏡で確認して、微笑んでみる。
相変わらず作り笑いのそれを見て、何とも言えない気持ちになる。
心から笑う方法なんてとっくの昔に忘れてしまった。
そういうとかわいそうと言われたりするが、僕自身は何とも思わない。
先輩の前でだけ笑えていればそれでいいから。
ため息をついてから、扉に手をかける。
何か生き物でも飼ってみようと思った時期もあったが、無事でいてくれる自信と、先輩といられる時間が減るのが嫌なので断念した。
生き物をネタにして先輩と会話をするのも楽しそうだけど、そいつに興味を持たれて僕と話してくれなくなったりしたら嫌だ。
以前、先輩に学校は楽しいかと聞かれた時は楽しいと答えたけれど、本音を言うとそこまで好きではない。
むしろ好きなやつなんていないだろ。
あんな監獄みたいな所。
それでもどうして行くのかと聞かれたら、話題を作る為に行っているとしか、答えられない。
逆にそれ以外の利用価値なんて見出すことができない。
だからいつも困っている。
どのようなところが好きなのか、とかそういう質問が来ると。
そういう時に限って無言になってしまうのだ。
そうやって目を泳がしていると、先輩が勝手にたくさんあるんだと解釈してくれる。
それは少しありがたいけど、同時に罪悪感を生んだ。
そういうわけではないから。
「怖かったよね。ナイフをあんな風に突き付けられて。もう大丈夫だよ」
そう言われて抱きしめられたら、さっきまでの恐怖が涙に変わってしまう。
みっともなく大声で怖かったと泣く俺を、ずっとあやしてくれた。
かっこ悪いのに。
こんな俺を見ないでという感情と、こんな俺でも認めてほしいなんて相反する感情が浮かぶ。
王族の中では泣いちゃいけないから。
泣くような弱い子はいらないから。
いつも笑っていないといけないから。
「貴方の名前はなんていうんですか?」
そう聞くと、その人は笑ってこう答えた。
「僕は神月 凪。森の奥に住んでいるんだ」
これが凪先輩との出会いだった。
運命だったとしか言えない。
あの日からずっと俺は凪先輩に恋をしている。
ずっと。
目が覚める。
顔を洗う。
欠伸を一つ出す。
朝起きた時のルーティン。
扉から差し入れられた朝食を食べる。
その間一言も喋らない。
何か喋ったところで独り言にしかならないし。
朝からアテネと会話する気もないし。
トレーを返却して、ご馳走様と声に出してから、服を脱ぐ。
着替えるために。
パジャマを脱いだ後に、制服を箪笥から取り出す。
制服に袖を通す。
髪型を鏡で確認して、微笑んでみる。
相変わらず作り笑いのそれを見て、何とも言えない気持ちになる。
心から笑う方法なんてとっくの昔に忘れてしまった。
そういうとかわいそうと言われたりするが、僕自身は何とも思わない。
先輩の前でだけ笑えていればそれでいいから。
ため息をついてから、扉に手をかける。
何か生き物でも飼ってみようと思った時期もあったが、無事でいてくれる自信と、先輩といられる時間が減るのが嫌なので断念した。
生き物をネタにして先輩と会話をするのも楽しそうだけど、そいつに興味を持たれて僕と話してくれなくなったりしたら嫌だ。
以前、先輩に学校は楽しいかと聞かれた時は楽しいと答えたけれど、本音を言うとそこまで好きではない。
むしろ好きなやつなんていないだろ。
あんな監獄みたいな所。
それでもどうして行くのかと聞かれたら、話題を作る為に行っているとしか、答えられない。
逆にそれ以外の利用価値なんて見出すことができない。
だからいつも困っている。
どのようなところが好きなのか、とかそういう質問が来ると。
そういう時に限って無言になってしまうのだ。
そうやって目を泳がしていると、先輩が勝手にたくさんあるんだと解釈してくれる。
それは少しありがたいけど、同時に罪悪感を生んだ。
そういうわけではないから。
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