どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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二章 美空ミカエル

魔族との交流

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魔族と人間では、魔族の方が文明の進みは早いという話があったが、きっと本当だ。
だって、どこもかしこもお洒落で、色とりどりで、自由で。
こんなに楽しそうなんだから。
「さてと、それじゃあいきますか!色んな姿の子がいるけどみんな悪い子じゃないからさ。襲いかかったりしちゃだめだからね?」
確かに、色んな姿の魔物がいた。
それでも、分け隔てなく凪先輩は接する。
魔物達は俺の事をよそ者だから少し警戒をしているようだったけど。
凪先輩と同じように挨拶をしてみると、返してくれた。
そのまま凪先輩は話している。
相手はスライムのようだ。
「最近きれいな水が減っちゃってねぇ。人間達が大量に汚水を出すから探すのも大変で」
「そうなんだ。前に会ったときよりも少し色が増えてる気がするけど」
「そうなのよ!これはねぇ仕方ないからって汚水を取り込んでたらカラフルになっちゃったの!これが仲間のスライムにも大ウケで一代ブームになっちゃったのよねぇ!たまには良いこともあるもんよ。人間達もあたし達を狩るだけじゃなくて、もう少し歩み寄ってくれたら良いのにねぇ」
そう言って、俺の方を見て、
「あんたはどう思う?」
なんて聞かれた。
急なことでビックリしたけど、
「えーっと...俺もカラフルでお洒落だと思います!凪先輩もこういうカラフルな衣装似合うんじゃないですかね!」
なんて叫んでしまった。
すると、スライムは目を飛び出させたあとに体を震わせながら大笑いをした。
「はっはっは!!歩み寄ることについて聞いたってのにまぁ!もしかして凪の事好きなのかい?」
「そうですけど」
否定したくもないし、吃りたくないからはっきり答えた。
「なら、凪の事ちゃんと見ておやり。あの子は色々抱え込む子だから」
そう言って去っていった。
「えっと...とりま魔王城に向かおうか!」
なぜかこっちを見てくれない凪先輩を、後ろから抱き締める。
「ね...凪先輩。さっきの聞いてどう思いました?」
「どうって...、嬉しいって思ったよ。本当に」
顔を背けながら俺に言う。
耳が赤くなっている気がする。
「顔、見せてください」
「絶対赤くなっているからだめ。見せない。見せたくない」
少し意地悪かなと思ったけど。
前に回り込んで凪先輩の顔をみる。
すごく赤くなっていた。
「顔、赤くなってますね。すごく照れてる」
「...!言うな!馬鹿!」
そう言って俺を叩く。
けどいたくない。
少しだけ、ほんの少しだけ期待しても良いのかな、なんて思った。
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