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四章 雪闇ブラッド
第三十五話
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まるで僕の言いたいことがわかっているような。
わかるはずがないのに。
わかって欲しくないのに。
「大丈夫ですよ。もしかして記憶の事ですか?そんなの気にしなくて良いですよ」
頭をよしよしと撫でられて。
背中を優しく叩かれる。
まるで幼子にやるような動作。
それに安心している僕がいる。
美空を抱き締めて泣いた。
子供みたいに。
恥ずかしいな。
でも、こうしてると安心できる。
美空はそっと微笑んだ。
そして、僕の握っていた手紙を見て、
「もしかして、記憶があった方が良いって思ったんですか?」
ふふ、と笑いながら美空が言う。
酷く優しい声でそう僕に言う。
でも、その優しい声が痛くて。
まるで処刑台で首筋に刃を当てられているような気持ちだ。
否定されたらどうしよう。
でも、いっそのこと否定された方が良いのかな。
その方が楽になれるかな。
要らないって。
さっきの声とはうって変わった酷く冷たい声で。
僕なんか居ない方が良いと言って欲しい。
記憶を持った方の僕の方が良いって。
まるで死刑を待つ囚人のように。
断頭台にたたされているように。
ズタズタに切り裂いて欲しい。
頷いて、美空を見る。
すると、美空は驚いたような顔をして、すぐに笑顔になって言った。
「そんな事で悩んでいたんですか。俺は今の凪先輩の方が好きですよ。勿論、 どんな凪先輩も好きですけど」
そう言って頭を撫でる。
やめてよ、そんな嘘。
僕よりも記憶のある方が好きな癖に。
嘘つき、嘘つき。
優しい嘘なんてつかないでよ。
わかっちゃうんだよ。
幼少期ならなんの疑いもなく受け入れられたであろうそれが凄く痛いよ。
苦しいよ。
「嘘つき」
毒々しげにそう呟いた。
すると美空は頭を撫でるてを止めた。
それから、あぁ、と声を漏らす。
「今の凪先輩より記憶をとりもどした凪先輩の方が良い。そう言ってほしかったんですか?」
その言葉の方が望んでいるんですよね。
冷淡でどこか軽蔑したような。
そんな声にどこか震える。
でも、どことなく期待していた自分がいて。
歓喜している自分がいる。
あぁ、最低だ。
優しい美空にこんな事言わせて。
美空が先程とはうって変わって、僕を見下ろしている。
その瞳は海底のように。
深い闇が広がり波紋が広がっている。
吸い込まれてしまいそうだ。
ぐるぐる、ぐるぐると。
ごくり、と喉を鳴らす。
今の美空になら完全服従してしまえる。
わかるはずがないのに。
わかって欲しくないのに。
「大丈夫ですよ。もしかして記憶の事ですか?そんなの気にしなくて良いですよ」
頭をよしよしと撫でられて。
背中を優しく叩かれる。
まるで幼子にやるような動作。
それに安心している僕がいる。
美空を抱き締めて泣いた。
子供みたいに。
恥ずかしいな。
でも、こうしてると安心できる。
美空はそっと微笑んだ。
そして、僕の握っていた手紙を見て、
「もしかして、記憶があった方が良いって思ったんですか?」
ふふ、と笑いながら美空が言う。
酷く優しい声でそう僕に言う。
でも、その優しい声が痛くて。
まるで処刑台で首筋に刃を当てられているような気持ちだ。
否定されたらどうしよう。
でも、いっそのこと否定された方が良いのかな。
その方が楽になれるかな。
要らないって。
さっきの声とはうって変わった酷く冷たい声で。
僕なんか居ない方が良いと言って欲しい。
記憶を持った方の僕の方が良いって。
まるで死刑を待つ囚人のように。
断頭台にたたされているように。
ズタズタに切り裂いて欲しい。
頷いて、美空を見る。
すると、美空は驚いたような顔をして、すぐに笑顔になって言った。
「そんな事で悩んでいたんですか。俺は今の凪先輩の方が好きですよ。勿論、 どんな凪先輩も好きですけど」
そう言って頭を撫でる。
やめてよ、そんな嘘。
僕よりも記憶のある方が好きな癖に。
嘘つき、嘘つき。
優しい嘘なんてつかないでよ。
わかっちゃうんだよ。
幼少期ならなんの疑いもなく受け入れられたであろうそれが凄く痛いよ。
苦しいよ。
「嘘つき」
毒々しげにそう呟いた。
すると美空は頭を撫でるてを止めた。
それから、あぁ、と声を漏らす。
「今の凪先輩より記憶をとりもどした凪先輩の方が良い。そう言ってほしかったんですか?」
その言葉の方が望んでいるんですよね。
冷淡でどこか軽蔑したような。
そんな声にどこか震える。
でも、どことなく期待していた自分がいて。
歓喜している自分がいる。
あぁ、最低だ。
優しい美空にこんな事言わせて。
美空が先程とはうって変わって、僕を見下ろしている。
その瞳は海底のように。
深い闇が広がり波紋が広がっている。
吸い込まれてしまいそうだ。
ぐるぐる、ぐるぐると。
ごくり、と喉を鳴らす。
今の美空になら完全服従してしまえる。
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