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四章 雪闇ブラッド
城から帰れたら良いね
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その瞳に浮かぶのは動揺と、ほんの少しの恐怖と、期待の色。
頭を撫でてあげる。
少し震えたけど、猫みたいにすり、と身を寄せる。
よろしゅう、と頭を下げると、つられて頭を下げる。
真似っこするのが好きなようで。
まるで赤子みたい。
大人のやる事なすこと何でも真似する赤子。
赤子から急に成長して、呪いに知識を入れられたばかりなんだろうな、なんて思う。
ふふ、と思わず笑みが溢れる。
守ってあげなきゃ、なんて思ってみたり。
上から目線だな、なんて思ってみたり。
なんだか、コロコロ思いが溢れてくる。
なんだろう、これ。
「あの、父さんと母さんの姿がないんだけど。どこに行ったのか知ってる?」
そう言って、周囲を探す目の前の凪。
その様子は可愛らしくて。
閉じ込めてしまいたいなんて気持ちが少しだけ浮かんで、すぐ押し殺した。
(何考えてんの、僕。初めて赤子を見たからって...)
「君の父さんと母さんなら...。恐らく君の元居た場所に帰ったんやないかなぁ?」
きっと、君のご両親は君が死んだと思っているだろうし。
呪いだってその様子だと今知っただろう。
だとしたら、生まれながらに持っていたわけでもないだろうし。
だとしたら両親は君がこの瞬間呪いを手にしただなんて一切予想出来ないはず。
そしたら君が死んだと思うのは至極当然の結果で。
そうなると君の国で葬式でも開かれているんじゃないかな。
そこまで思考を進ませて、君の両親は君を死んだと思っているよと告げるか告げないかを悩んだ。
告げるのは簡単だけど、ショックが大きいだろう。
事実はそっと包んで捨てた方がいい時だってあるだろうし。
知りたくないだろうし。
僕がそう言ったら、凪は無言で黙ってしまった。
考えているのかな。
どうせ考えたってまともな事が浮かんでこないよ。
もしも、僕が同じような事になったら。
まずは家族から解放された喜びで踊るだろう。
だって、僕はあいつら嫌いなんだもの。
そのあと、散々踊って、踊り疲れて、疲れた脳みそで今後の生活を考えて。
無理やり身につけた社交術で社会に溶け込んで気ままに生きる事だろう。
そんなことを考えていれば、凪が口を開いた。
「...、お父さんとお母さん。城に戻ればまた会えるよね」
そうやな、なんて返す。
でも目覚めたての彼に帰り道を突破できるだろうか。
呪いの効果すら分からないのに。
幼いその足で帰れるのか。
魔王城周辺であれば安全だろうね。
その辺りなら比較的襲ってくる魔物もいないし。
人間界へ向かう道なんて友好的な魔物しか行かないし。
頭を撫でてあげる。
少し震えたけど、猫みたいにすり、と身を寄せる。
よろしゅう、と頭を下げると、つられて頭を下げる。
真似っこするのが好きなようで。
まるで赤子みたい。
大人のやる事なすこと何でも真似する赤子。
赤子から急に成長して、呪いに知識を入れられたばかりなんだろうな、なんて思う。
ふふ、と思わず笑みが溢れる。
守ってあげなきゃ、なんて思ってみたり。
上から目線だな、なんて思ってみたり。
なんだか、コロコロ思いが溢れてくる。
なんだろう、これ。
「あの、父さんと母さんの姿がないんだけど。どこに行ったのか知ってる?」
そう言って、周囲を探す目の前の凪。
その様子は可愛らしくて。
閉じ込めてしまいたいなんて気持ちが少しだけ浮かんで、すぐ押し殺した。
(何考えてんの、僕。初めて赤子を見たからって...)
「君の父さんと母さんなら...。恐らく君の元居た場所に帰ったんやないかなぁ?」
きっと、君のご両親は君が死んだと思っているだろうし。
呪いだってその様子だと今知っただろう。
だとしたら、生まれながらに持っていたわけでもないだろうし。
だとしたら両親は君がこの瞬間呪いを手にしただなんて一切予想出来ないはず。
そしたら君が死んだと思うのは至極当然の結果で。
そうなると君の国で葬式でも開かれているんじゃないかな。
そこまで思考を進ませて、君の両親は君を死んだと思っているよと告げるか告げないかを悩んだ。
告げるのは簡単だけど、ショックが大きいだろう。
事実はそっと包んで捨てた方がいい時だってあるだろうし。
知りたくないだろうし。
僕がそう言ったら、凪は無言で黙ってしまった。
考えているのかな。
どうせ考えたってまともな事が浮かんでこないよ。
もしも、僕が同じような事になったら。
まずは家族から解放された喜びで踊るだろう。
だって、僕はあいつら嫌いなんだもの。
そのあと、散々踊って、踊り疲れて、疲れた脳みそで今後の生活を考えて。
無理やり身につけた社交術で社会に溶け込んで気ままに生きる事だろう。
そんなことを考えていれば、凪が口を開いた。
「...、お父さんとお母さん。城に戻ればまた会えるよね」
そうやな、なんて返す。
でも目覚めたての彼に帰り道を突破できるだろうか。
呪いの効果すら分からないのに。
幼いその足で帰れるのか。
魔王城周辺であれば安全だろうね。
その辺りなら比較的襲ってくる魔物もいないし。
人間界へ向かう道なんて友好的な魔物しか行かないし。
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