どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

盲目的になってるのを眺めて

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城下町なんて人間と仲良くしたい魔物でいっぱいだし。
問題ないだろうね。
問題あるのは人間界に近づけば近づくほどに。
魔族と人間を見分けられない人間がいたりすることかなぁ。
君の姿を見て、すぐに気づけばいいけれど。
気づかれずに殺されちゃったりしたら辛いでしょうし。
苦しいだろうし。
そういえば...、幼いのは僕も同じだったけど。
でも、僕の方が呪いにかかっている時は長いし。
先輩ぶったって良いじゃない。
「きっと会える。うーん...、そうやなぁ、なぁ、凪。魔法って知っとる?」
「お母さんとお父さんの使ってた奴なら...。使い方分からないけど」
魔法という概念を理解しているなら話は早い。
それならこの子に魔法で身を護る術を教えてあげよう。
そのほうが話をする時間だって稼げるし。
何よりも殺されることも防げる。
単身で城に乗り込むことだって可能だ。
うん、それが良い。
そんな時、ドアがガチャリと音を立ててあいた。
ここは僕の部屋だし。
普通ならノックするはずだし。
ノックせずに入ってくる人物は雪ともう一人しかいない。
「来たんか、理久」
理久が入ってきたのだ。
理久は凪の顔を見ると、安心したように、良かったと言った。
本当にお前にしては珍しいな。
どんな心変わりしたの?
なんて聞いてしまいたくなるような。
「ねぇ、凪は魔法を覚えたいの?この城から出て行きたいの?」
口を開いて一番にいうことがそれかよ。
その瞳は不安気に揺れている。
凪が魔王城から出ていくのが嫌だと言いたげに。
そんな本音を隠すことなく伝える理久。
それに対して、凪は。
「僕、お父さんとお母さんに会いたいんだ」
はっきりそう告げる凪の目には強い決意の灯が宿っていた。
絶対に帰りたいと語っていた。
凪は明らかに両親を求めていた。
それ以外いらないと言いたげに。
それが子供の当然の対応だろう。
親よりも大切なものなんてないだろうし。
そんな凪を止める気にもならなくて。
理久が止めたがっていたのは分かったけど。
僕は手助けしたいと思った。
助けてあげたい。
協力してあげたい。
どちらにつくかなんて初めから決めている。
そう思っている事を感じ取ったのか、理久は僕に来てと言った。
仕方無いからついて行った。
何を言われたって変えるつもりないけれど。
「なんや。何言われても僕は自分の立場を変えるつもりはない」
そういうと、理久はうっとりしながら言葉を紡ぐ。
「...、ねぇ、闇奈。あの子は、凪は特別なんだ。だからこの城に留まらせたい。僕の運命かを見極めるために」
そうですか。
運命ね。
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