どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

呪いについての見聞

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その自信満々な姿に、
「なんか自分が一番偉いって思っとるタイプや...絶対...」
そういうと、
「当然でしょ?私が世界で一番偉いのよ?」
そう言って自信あり気に笑って見せた。
なんだろう、似たようなの見たことある気がする。
「なぁ、もしかして、雑用とかは部下に丸投げするタイプ?」
「そうねぇ、私以外も出来る事を私がどうしてわざわざやらなくちゃいけないの?」
あぁ。
「自分と同じ考えを持つ人にあったらどうするん?」
「そんなの許すわけないじゃない」
あっ、この女理久と全く同じ思想してる。
理久には凪に憑く時に見られたのかな。
絶対自分から望んで見せたわけじゃないんだろうな。
相性悪そうだし。
とても個人的な感想だけど。
月と理久は性格的に合わなそうな気がした。
それもかなり。
鉢合わせしたら喧嘩が止まらないくらい。
それを凪が止めることになるんだろうな。
凪は少し困ったような顔をしながら、
「これが僕の呪いだよ。みんなこんな風なのかと思って...。違ったのかな」
「普通こんなのいるわけないやろ!あ、ごめ...ん。というか...、こんな友好的なの初めて見たわ...。こんなの、いたんやな...」
少しびっくりして叫んでしまったのに対して凪が肩をビクッと鳴らし。
それを見て思わずごめんと言いながら。
呪いを浄化する過程で人型をとる呪いもいるという事は話に聞いていたけれど。
ここまで友好的で、自分の名前まで持つものというのは凪しか憑かれていないのではないだろうか。
これは友好的な魔物でも、呪いを研究している奴はダメだなぁと思った。
実験体にされてしまう。
こんなの滅多に会えない。
というか今後一生現れないだろうから。
すると月が僕の鼻をつん、と突いてきて、文句ありげに腕を組んでいる。
「違う」
僕は何のことなのかわからなくて、
「どうしたん?」
なんて首を傾げる。
するとそれを見た月の頬が余計に膨らむ。
「私はこんなのじゃないんだけど?私の名前は月。月っていう名前があるの!!...、もう、全く」
むぅ、と頬を膨らます動作をしてみせる。
不満ですとでも言いたげに。
全く、これだから人間は。
いや、吸血鬼、かしら。
そう言って文句を言って凪に同意を求める。
その姿はまるで、
「生きてるみたいや...」
人間と全く同じようなそんな動き。
心も、脳も、感情も持ち合わせているとでも言いたげに。
生きている、なんて表現は少しおかしいのかもしれないけれど。
僕の目にはそんな風に映った。
そういうと月は当然よ!!と返す。
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