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四章 雪闇ブラッド
思っていたこと
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プリズンの外になんて出ようとしたことがなかったから。
プリズンの敷地内にはデパート等の生活するのに必要な物資が手に入るところはちゃんとある。
だからプリズンから外に出る必要なんてないような気がして。
あの塔の中に閉じこもっていた頃のように。
ただ引きこもって日々を過ごしていた。
あの頃と違ったのは雫と理久がずっと傍にいてくれた事。
だから孤独なんて感じなくて。
外になんて出ようとしなかった。
彼らと関わることだけで良いやと。
そう思ってしまっていた。
美空がこちらを見て笑う。
まるでこちらの考えがわかっているように。
「ね、外は広いでしょう?プリズンが世界の全てじゃないんです」
そう美空が言う。
僕にしか聞こえないくらいの声量で。
本当に囁きくらいの声量なのに。
僕にははっきり聞こえてしまって。
「プリズンが世界の全てって思っていたでしょう?違うんですよ。世界は無限に広がってる。あの塔だとか、プリズンだとか。そう言う言葉で片付けられるものじゃないんです」
それはわかっていた。
わかっていたはずだった。
他人と関わりたいはずだった。
もっと多くの人と関わりたいはずだった。
理久を召喚したのだって、僕一人になるのが怖かったから。
初めから一人はキツかったから。
「あはは、少しキツかったかもしれませんね。この話はここまでにしましょう?凪先輩」
そう言って僕から離れていく。
その美空の背中を追いかけようとして、目的地が一緒だと気づいて。
僕と美空の二人きりじゃないんだから他にも人がいるって思い出して。
だから追いかけようとする足を緩めて。
歩いた。そんな僕を雫は少し怪訝そうな顔をしてみていた。
「つきましたよ。ここが今日遊ぶ場所です」
美空が連れて来てくれたのはスケート場だった。
看板におしゃれな字体でスケート場と綴られていた。
普段は栄えているのだろうか。
キラキラと光って見えた。
きっと普段は大変混んでいるんだろう。
受付までの列の整備用に並んだ金のポールが。
赤い紐を結んで立っている。
だけど時間が時間だからか。
人は少なくて滑りやすそうだった。
すぐに会場に入れそうだった。
誰も並んでいない会場。
入り口までポールの間を歩くだけ。
どこか奇妙だね。
誰もいない国に来たみたい。
普段全く遊ばないから。
こんな感覚になるのかな。
普段遊んだりしてちゃんと外に触れてたら。
こんなこともあったりするって。
ラッキーだなんて言えるのかな。
わかんないや。
それでも、生まれて初めて見る遊具にワクワクが止まらない。
楽しみだ。
プリズンの敷地内にはデパート等の生活するのに必要な物資が手に入るところはちゃんとある。
だからプリズンから外に出る必要なんてないような気がして。
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だから孤独なんて感じなくて。
外になんて出ようとしなかった。
彼らと関わることだけで良いやと。
そう思ってしまっていた。
美空がこちらを見て笑う。
まるでこちらの考えがわかっているように。
「ね、外は広いでしょう?プリズンが世界の全てじゃないんです」
そう美空が言う。
僕にしか聞こえないくらいの声量で。
本当に囁きくらいの声量なのに。
僕にははっきり聞こえてしまって。
「プリズンが世界の全てって思っていたでしょう?違うんですよ。世界は無限に広がってる。あの塔だとか、プリズンだとか。そう言う言葉で片付けられるものじゃないんです」
それはわかっていた。
わかっていたはずだった。
他人と関わりたいはずだった。
もっと多くの人と関わりたいはずだった。
理久を召喚したのだって、僕一人になるのが怖かったから。
初めから一人はキツかったから。
「あはは、少しキツかったかもしれませんね。この話はここまでにしましょう?凪先輩」
そう言って僕から離れていく。
その美空の背中を追いかけようとして、目的地が一緒だと気づいて。
僕と美空の二人きりじゃないんだから他にも人がいるって思い出して。
だから追いかけようとする足を緩めて。
歩いた。そんな僕を雫は少し怪訝そうな顔をしてみていた。
「つきましたよ。ここが今日遊ぶ場所です」
美空が連れて来てくれたのはスケート場だった。
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普段は栄えているのだろうか。
キラキラと光って見えた。
きっと普段は大変混んでいるんだろう。
受付までの列の整備用に並んだ金のポールが。
赤い紐を結んで立っている。
だけど時間が時間だからか。
人は少なくて滑りやすそうだった。
すぐに会場に入れそうだった。
誰も並んでいない会場。
入り口までポールの間を歩くだけ。
どこか奇妙だね。
誰もいない国に来たみたい。
普段全く遊ばないから。
こんな感覚になるのかな。
普段遊んだりしてちゃんと外に触れてたら。
こんなこともあったりするって。
ラッキーだなんて言えるのかな。
わかんないや。
それでも、生まれて初めて見る遊具にワクワクが止まらない。
楽しみだ。
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