どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

時を戻して

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一斉に視線が理久に集まる。
なんだなんだと言う好奇の視線。
そりゃあそうだろう。
突然大きな音がしたのだから。
驚くし、その音の発生源に視線が集まるのも仕方のないことだ。
しかし理久はそんな視線なんて視界に入っていないと言いたげに。
一直線に僕の元にやってきた。
多分本当に視界に入ってないんだろうな。
僕以外。
だって、近づいてきた理久の真紅の瞳には。
輝きと僕の姿しか入ってなくて。
それ以外なんて一切存在していなかったから。
呆気に取られていた美空を横に押しやって、僕の隣に座る。
まるで当然だとでも良いたげに。
ここが僕の定位置だと言いたげに。
「ごめんね、遅れちゃって。ちょっと急用で呼び出されちゃってさ。今後はこんな事ないように頑張って終わらせてきた!」
僕相当頑張ったから褒めて!と抱きつく理久。
まるで犬みたいだ。
でも、気分屋のところがあるらしいから猫かもしれない。
少しかまってちゃんの猫。
うん、頑張ったのは偉いんだよ。
だけどその後の行動がダメなんだなぁ。
「あのさ、理久。周りの人が凄く理久の事見てるの気づいてる?」
そう聞くと、理久は首を傾げた。
どうやら気づいていないようだ。
そもそもあまり周囲の視線というものを気にしていないのかもしれない。
なんとなくそんな気がした。
そのままぐるりと周囲を見回す。
そしてあぁ、と納得したような声を上げた。
やっぱ今気づいたみたいで。
「僕のさっきの行動で人々の視線を釘付けにしちゃったってことね」
うんうん、と納得してそういう。
うん、その通りだよ。
そう言って指をパチン、と鳴らす。
すると皆、別の事をし始めた。
理久のやってくる前の行動に。
理久の行動なんて見ていなかったとでも言いたげに。
戻ってしまったのだ。
何が起こったのだろうか。
まるで時が戻ったような。
神様のいたずらのような。
どこか怖く感じた。
いや、どこかどころじゃない。
なんだか、神の領域のような。
そんな気がするのだ。
そんな不思議な事ができてしまうなんて。
まるで神みたいだ。
いや、神そのものなんじゃないか?
そう思っていると理久はこちらを見て説明する。
「今のは僕の呪いを改造したんだよね。他人の時間を一時的に巻き戻す魔法。範囲は限られているけどね」
そう言って笑って見せる。
「流石に広範囲は出来ないようになってるみたいでさ。だから僕の周囲。ちょうどこの施設くらいの広さかな。それくらいじゃないと僕にデメリットが来るから」
ふふふ、なんて笑ってそう言った。
これで問題ないでしょ?なんて言いたげに。
確かに問題は解決したかもしれないけどさぁ。
力技すぎるんじゃないかと思った。
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