どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

凪との約束

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そう凪が聞いてくる。
誕生日は空いているけれど。
「どうしたん?急にそんな事聞いて…。まぁ、多分開いているとは思うけど」
そう答えるとふぅん、と言う。
何か考えるような仕草をした。
「朝からでも大丈夫?」
「いや、朝は流石にパーティーに行かなあかんから。だから夜からだったら大丈夫」
朝のうちはパーティーに一応参加して、愛想笑いを振りまいていなければいけないから。
すると、凪は笑いながら、
「そしたらさ。僕の部屋に夜来てよ。お祝いしたいからさ」
という。
お祝い。
初めてされるかもしれないその行為に。
少しだけ胸が弾んだ。
行けたら行く。
それだけ返事した。
もしかしたら。
あり得ないけれど、何か用事を言いつけられて夜までいなきゃ行けないかもしれないから。
だから行けたら行く、とだけ言っておこうと思った。
夜に来て欲しい、か。
お祝いしてくれる。
本当にお祝いしてもらえたら。
そしたら。
なんて胸の中に生まれた期待をどうにか抑えようとする。
あまり期待はしないでおくよ。
期待して落とされるのはもう懲り懲りだ。
懲り懲りだから。
もうあんな思いは受け入れたくないから。
だけど少しだけ。
少しだけ期待して見ようかと思った。
「真っ白の苺の乗ったケーキ。生クリームケーキ。僕が好きなケーキや」
叶うなんて思っていない。
ただ、言ってみただけだ。
叶うなんて全く思っていないけれど。
ほんの少しだけ。
期待してみただけ。
これで最後にするから。
期待なんてこれで終わりにするから。
だから、叶って欲しい、とか。
思ってしまった。
「わかった!最高に凄いの準備するから」
そういう凪にそうか、と言って、部屋の外へとつながるドアへ手をかける。
部屋の外に出ると、また使用人達が話し合っている声が聞こえた。
今度はキメラを送り込むつもりらしい。
どうやら軍事用に魔物の一部を使った生物兵器を作ったが、制御仕切れないらしいから。
そう言いながら笑っている使用人を見て、狂ってるなと思った。
人を不幸にすることで、楽しく過ごすって言うのが。
だから凪にぶつけることで処理をするという事で。
キメラの準備をしているらしい。
はぁ、とため息を吐いてから、情報を集めて。
どうにかその施設へと向かった。
そこにいたキメラはなんとも不気味な姿をしていて。
真っ黒なスライムから人の内臓が出ているような。
見るのも哀れな姿だった。
まるで泣いているような鳴き声を漏らしながらズルズルと内臓を引きずって歩いている。
キメラになるべく痛みを与えぬように殺してから、ふと思った。
どうして僕は凪を救う為に動いているんだろう。
別にそんな事する必要無いのに。
理久に連絡すれば良いのに。
どうしてわざわざ凪に見られそうな位置で、処理して。
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