どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

スケート

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ジャキ、ジャキ、と音を立てて、髪がパラパラと落ちていく。
真っ白な髪が、黒い床に落ちていく。
白を吸血鬼は好むが、家は全体的にダークブラウンで統一されていることが多い。
あとは、一部にポイントとして白を加えて、白が映えるようにしている。
長くした髪はもう必要ないと思ったから。
だからそっと髪を切った。
バラバラに切るんじゃなくて、ちゃんと切り揃えて。
元の髪の長さまで切り尽くして、息を吐く。
はぁ。
誕生日まで後、六日。
約束した日は七日後。
一週間。
カレンダーに丸を付けながら、予定を立てる。
一週間以降の予定なんてとらないようにしながら。
それくらいなら血を飲まなくとも生きられる。
ただそれ以降は血を飲まないと死ぬけれど。
だからちょうどいい。
次で最後にしよう。
そう考えた。
凪に会うのは。
そして、雪としてあって。
本当の俺を見せたら死んでしまおうと思った。
そのほうがきっとお互いにとって良いよね。
そう考えた。
理久と合流した後、雪と闇奈が手慣れた様子で理久の準備を手伝っていた。
スケート場にて、そんな光景が繰り広げられていた。
意外にもそれはテキパキと手早くて、手慣れているようだった。
「僕らは昔から理久のお世話しているようなものなんよ。だから先遊んでてええよ。すぐ行くから」
闇奈は僕に笑いかけながら言う。
でも、
「やーだー!!僕もいくからっ!!魔法でちょっと浮けば良いじゃん!!」
そう理久が文句を言う。
わーん、わーん、と。
闇奈も雪も困った顔をしている。
今の理久は完全に駄々っ子だ。
そんな理久に、美空が耳元で何かを囁く。
あんだか意地悪そうな顔をしながら。
すると理久はさっと顔を青くした。
「はいはい分かりましたっ!!ちゃんとスケート靴履くからっ!!それはやめよう?」
理久がこんなに焦るなんて。
しかもかなり本気で。
割とかなり焦っているような顔をしていた。
「なんて言ったの?美空。理久がこんなに本気で焦ってるのなんて…」
そう美空にいう。
すると、美空はまた意地悪そうな顔をしながら、こういった。
「悪戯好きの悪魔にも天罰は降るみたいですよ?って教えたんです」
ふふふ、と笑う。
流石、美空。
理久の手綱も握れるなんて。
そう思いながら、なんだか少しだけ心の中に何か黒いものが生まれる。
僕以外に握られちゃうんだ。
なんて少し思ったり。
僕だけだと思ってた。
僕だけに従うと思ってたところがあるから。
少し拗ねたみたいな態度を取ってしまう。
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