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四章 雪闇ブラッド
距離が近くなっちゃって
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扉が開く。
ゆっくりと音を立てながら。
中からぶわぁ、と白い息を吐き出すように、冷気を放出した。
白い霧が床に広がっていく。
綺麗だ。
そのまま踏み出してみる。
一面に広がる白銀の世界。
白銀の世界が広がっていて、綺麗だと思った。
足を踏み入れれば、そこはもうアイスの上。
氷の上に降り立つ事になる。
美しく磨かれた氷上に、刃を外してそっと降り立つ。
片方だけ足を出すと滑って転びそうになる。
上手くバランスが取れなくて、どうしようかと思った。
塀があるからそこに捕まるしかない。
そっとそっと足を氷に浮かべる。
でも、転びそうになるからそれで足を引っ込めてしまう。
それに見かねた美空は先に氷上に立って。
バランスを取って見せる。
スイっと滑って、軽く回ってみる。
そして僕に向かって手を伸ばす。
えへへ、と笑ってこっちを見る。
「さぁ、こちらにどうぞ。俺の手を握ってください。大丈夫です。絶対に離しませんから」
そう僕をまっすぐに見つめて言う。
美空が凄く自信ありげに言うものだから。
だからそっと手を伸ばす。
でも上手く掴めないから。
一歩踏み出せば届く場所だけど、だけど怖くて踏み出せない。
バランスを取れなくなるから。
美空は僕の手を掴んで、僕を氷上へと引き摺り込む。
思わず転びそうになって、反射的に陸へ戻ろうとしてしまう。
「大丈夫です。俺を信じて」
そう美空が言うから、どうにか氷上に留まろうとする。
足は氷の上を滑って、美空の元へ引き込まれる。
そしてそのまま抱き締められた。
大切そうに、慈しむように。
そのまま美空は耳元で囁いた。
「ふふふ、捕まえちゃいました。このまま一緒に滑りましょう?凪先輩。楽しいですよ?」
花が咲いたような笑みを浮かべて、美空が言う。
とても嬉しそうだ。
美空は僕の目には純粋に見える。
いつだって。
天真爛漫で、僕といるのが楽しいって心から思ってくれていて。
とても、僕にとって都合の良い存在。
颯太もそうだけど、颯太は何となくわかるから。
だって、お互い似たような環境だったのだから。
そうなるのは必然的なような気がした。
美空の抱きしめる力が少し強くなる。
突然美空との距離が短くなって。
急に近くなりすぎて。
頷くことしか出来なかった。
こくり、とだけ頷いて、それを同意と受け取ってもらえて。
そのまま美空は滑り出したらしい。
足元からシャーっと言う、氷を削る音が聞こえる。
移動しているみたいだ。
僕を抱いたまま移動するなんて、相当疲れるんじゃないかと思ったけれど。
氷の上を滑っているわけだから、あまり力を使わないんじゃ無いかとか。
思ったりした。
そうすることでしか現実逃避出来なかった。
ゆっくりと音を立てながら。
中からぶわぁ、と白い息を吐き出すように、冷気を放出した。
白い霧が床に広がっていく。
綺麗だ。
そのまま踏み出してみる。
一面に広がる白銀の世界。
白銀の世界が広がっていて、綺麗だと思った。
足を踏み入れれば、そこはもうアイスの上。
氷の上に降り立つ事になる。
美しく磨かれた氷上に、刃を外してそっと降り立つ。
片方だけ足を出すと滑って転びそうになる。
上手くバランスが取れなくて、どうしようかと思った。
塀があるからそこに捕まるしかない。
そっとそっと足を氷に浮かべる。
でも、転びそうになるからそれで足を引っ込めてしまう。
それに見かねた美空は先に氷上に立って。
バランスを取って見せる。
スイっと滑って、軽く回ってみる。
そして僕に向かって手を伸ばす。
えへへ、と笑ってこっちを見る。
「さぁ、こちらにどうぞ。俺の手を握ってください。大丈夫です。絶対に離しませんから」
そう僕をまっすぐに見つめて言う。
美空が凄く自信ありげに言うものだから。
だからそっと手を伸ばす。
でも上手く掴めないから。
一歩踏み出せば届く場所だけど、だけど怖くて踏み出せない。
バランスを取れなくなるから。
美空は僕の手を掴んで、僕を氷上へと引き摺り込む。
思わず転びそうになって、反射的に陸へ戻ろうとしてしまう。
「大丈夫です。俺を信じて」
そう美空が言うから、どうにか氷上に留まろうとする。
足は氷の上を滑って、美空の元へ引き込まれる。
そしてそのまま抱き締められた。
大切そうに、慈しむように。
そのまま美空は耳元で囁いた。
「ふふふ、捕まえちゃいました。このまま一緒に滑りましょう?凪先輩。楽しいですよ?」
花が咲いたような笑みを浮かべて、美空が言う。
とても嬉しそうだ。
美空は僕の目には純粋に見える。
いつだって。
天真爛漫で、僕といるのが楽しいって心から思ってくれていて。
とても、僕にとって都合の良い存在。
颯太もそうだけど、颯太は何となくわかるから。
だって、お互い似たような環境だったのだから。
そうなるのは必然的なような気がした。
美空の抱きしめる力が少し強くなる。
突然美空との距離が短くなって。
急に近くなりすぎて。
頷くことしか出来なかった。
こくり、とだけ頷いて、それを同意と受け取ってもらえて。
そのまま美空は滑り出したらしい。
足元からシャーっと言う、氷を削る音が聞こえる。
移動しているみたいだ。
僕を抱いたまま移動するなんて、相当疲れるんじゃないかと思ったけれど。
氷の上を滑っているわけだから、あまり力を使わないんじゃ無いかとか。
思ったりした。
そうすることでしか現実逃避出来なかった。
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