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四章 雪闇ブラッド
失敗作と自分
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まだ自分の中の甘さを捨てきれていない。
でもいいかとか少し思えてしまうのはなんなんだろうか。
相手が凪だからなのだろうか。
不思議な気持ちだ。
部屋の外に出ると、また使用人達が話し合っている声が聞こえた。
暇なのだろうか。
誰かを蹴落とす事しか考えていないなんて。
そうとしか思えない。
少し聞き耳を立ててみる。
今度はキメラを送り込むつもりらしい。
キメラか。
最近戦力拡大のために開発中の生物兵器。
なんでも初代が構築した生物兵器論を利用したものらしい。
さすがに処刑道具には勝てないようだけど。
処刑道具は生身の生きた生物を利用して造るのに対して生物兵器は死体を利用して作っているようだ。
そのため材料として使った生物に出来が左右されやすいらしい。
だから失敗作ができやすいという点もあるが量産がしやすいというメリットがある。
理久が作ったキメラは比較的制御がしやすい。
流石魔王、と言ったところだろうか。
使用人達が言うにはどうやら軍事用に魔物の一部を使った生物兵器を作ったが、制御仕切れないらしい。
個人でもキメラ開発は出来るが慣れていないとクオリティがかなり下がる。
しかもかなり強力な素材を使ったようだ。
キメラのクオリティと操作のし易さというのは素材で変化する。
最初から扱いにくい強力な素材で作るとなるとかなり難しいだろう。
それこそなれていないと。
失敗する気でやったに違いない。
だから凪にぶつけることで処理をするという事で。
そう話しあっていた。
どうして皆他人を害す事ばかり考えるのだろう。
本当に醜い世の中だ。
盗み聞きながら吐き気を催した。
その後も楽しそうに見えるだけのお話を繰り返す使用人達を尻目にキメラの場所へと向かうことにした。
キメラの場所もはっきりと言っていた使用人達は聞いている人がいるなんて思っていなかったのだろう。
だとしても人を貶める計画をあんな人が通るかもしれない場所でするのは油断しきっているという証拠なのだが。
キメラが可哀想だと少し思った。
だってなんの罪も無いのだから。
なんの罪も無いのに、勝手に人の都合で生き返させられて。
兵器として使われて。
何だか僕の姿と少し重なった。
行ってみると鎖に繋がれたキメラがそこにいた。
恐らくドラゴンを素材として使ったのだろう。
体から骨が見えているドラゴンの体に頭は鳥のような生き物だった。
とても哀れで可哀想で。
こちらをみるように頭をあげた。
その瞳は濁っていてとてもじゃないが綺麗とは言えなかった。
それでも、こちらに情を訴えかけてくるような瞳だった。
何も言えずに立ち尽くしていると、ギャオン、と一つ鳴いた。
それは何だか殺してくれと哀願しているように感じられて。
少し躊躇してしまいそうだった。
涙なんて流れないはずなのに。
どこからか漏れ出した液体がまるで涙のようにキメラの頬を伝って流れる。
どこまでも悲しそうな獣がそこにいた。
制御出来ないから鎖をつなげられているのだろう。
鎖を繋げられてここにいるのだろう。
それでも可哀想な獣に対して、情をかけてしまいたくなった。
「お前は何も悪くないもんなぁ。ただ、悪い奴に利用されているだけやもんな」
でもいいかとか少し思えてしまうのはなんなんだろうか。
相手が凪だからなのだろうか。
不思議な気持ちだ。
部屋の外に出ると、また使用人達が話し合っている声が聞こえた。
暇なのだろうか。
誰かを蹴落とす事しか考えていないなんて。
そうとしか思えない。
少し聞き耳を立ててみる。
今度はキメラを送り込むつもりらしい。
キメラか。
最近戦力拡大のために開発中の生物兵器。
なんでも初代が構築した生物兵器論を利用したものらしい。
さすがに処刑道具には勝てないようだけど。
処刑道具は生身の生きた生物を利用して造るのに対して生物兵器は死体を利用して作っているようだ。
そのため材料として使った生物に出来が左右されやすいらしい。
だから失敗作ができやすいという点もあるが量産がしやすいというメリットがある。
理久が作ったキメラは比較的制御がしやすい。
流石魔王、と言ったところだろうか。
使用人達が言うにはどうやら軍事用に魔物の一部を使った生物兵器を作ったが、制御仕切れないらしい。
個人でもキメラ開発は出来るが慣れていないとクオリティがかなり下がる。
しかもかなり強力な素材を使ったようだ。
キメラのクオリティと操作のし易さというのは素材で変化する。
最初から扱いにくい強力な素材で作るとなるとかなり難しいだろう。
それこそなれていないと。
失敗する気でやったに違いない。
だから凪にぶつけることで処理をするという事で。
そう話しあっていた。
どうして皆他人を害す事ばかり考えるのだろう。
本当に醜い世の中だ。
盗み聞きながら吐き気を催した。
その後も楽しそうに見えるだけのお話を繰り返す使用人達を尻目にキメラの場所へと向かうことにした。
キメラの場所もはっきりと言っていた使用人達は聞いている人がいるなんて思っていなかったのだろう。
だとしても人を貶める計画をあんな人が通るかもしれない場所でするのは油断しきっているという証拠なのだが。
キメラが可哀想だと少し思った。
だってなんの罪も無いのだから。
なんの罪も無いのに、勝手に人の都合で生き返させられて。
兵器として使われて。
何だか僕の姿と少し重なった。
行ってみると鎖に繋がれたキメラがそこにいた。
恐らくドラゴンを素材として使ったのだろう。
体から骨が見えているドラゴンの体に頭は鳥のような生き物だった。
とても哀れで可哀想で。
こちらをみるように頭をあげた。
その瞳は濁っていてとてもじゃないが綺麗とは言えなかった。
それでも、こちらに情を訴えかけてくるような瞳だった。
何も言えずに立ち尽くしていると、ギャオン、と一つ鳴いた。
それは何だか殺してくれと哀願しているように感じられて。
少し躊躇してしまいそうだった。
涙なんて流れないはずなのに。
どこからか漏れ出した液体がまるで涙のようにキメラの頬を伝って流れる。
どこまでも悲しそうな獣がそこにいた。
制御出来ないから鎖をつなげられているのだろう。
鎖を繋げられてここにいるのだろう。
それでも可哀想な獣に対して、情をかけてしまいたくなった。
「お前は何も悪くないもんなぁ。ただ、悪い奴に利用されているだけやもんな」
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