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四章 雪闇ブラッド
氷上の天使
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美空は僕の手をつかんで、僕を氷上へと引きずり込む。
とても楽しそうに。
美空の事を良く天使だと皆言うらしい。
美しい金髪に青い瞳。
汚れなんて一切知らなそうな白い肌。
そして狂信的なカリスマにその圧倒的な歌唱力。
天使以外何者でもないと良く言われているらしい。
けれど、僕は違うと思う。
天使なんかじゃないと思う。
少なくとも今この氷上へ引きずり込む瞬間の美空の顔は。
獲物を堕落させるのに成功させた悪魔みたいな顔をしていたのだから。
足は氷の上を滑って、美空の元へ引き込まれる。
そしてそのまま抱きしめられた。
ふわり、と良い香りがする。
鈴蘭の匂いだろうか。
「ふう、捕まえちゃいました♡このまま一緒に滑りましょう?凪先輩!大丈夫です。どこまでもエスコートしますから」
花が咲いたような笑みを浮かべて。
美空が言う。
大変楽しそうに。
大変嬉しそうに。
美空の瞳には僕しか映っていない。
きっと、僕の瞳にも美空しか映っていないだろう。
「俺、凪先輩の事好きって言いましたよね?だから普通に妬くんですよ?大好きな大好きな凪先輩が他の人と仲良くしちゃうだけで」
そう美空が言う。
突然美空との距離が近くなって。
急に近くなりすぎて。
うなずく事しか出来なかった。
自分から距離をつめるのは慣れているけれど、他人に距離をつめられるのは慣れてないから。
美空は今がチャンスとでも言いたげに僕を抱きしめる。
「あんまり理久とくっつかないでください…。少なくとも今だけは、俺を見てほしいな」
そう耳元で美空の声が響く。
そんな事を言われてしまったら照れてしまう。
そもそも僕はそんな事言われるような人間でもないし。
なのに。
なのに美空は楽しそうにふふ、と笑う。
「俺、ちょっと怒ってるんですよ?なので、凪先輩に拒否権はありません。さ、行きましょ?」
そう美空は楽しそうに言って。
そのまま美空に手を引かれたまま滑り出した。
ほら、天使なんかじゃないよ。
人を堕落させるのが得意な悪魔みたいな顔してる。
しかも悪魔の癖にすごく綺麗なんだ。
「あ!待って凪!先に存かないで!!…、っチ!!美空のやろ~!!僕の凪を返せ~!!」
理久が後ろから叫ぶ声が聞こえる。
少し振り扱ると、スケートから刃を取り出し滑り出そうとしている姿が見えた。
きっと理久は躊躇する事なく滑り出すだろう。
別に理久は運動音痴という訳でも無いし。
というか普通に運動が出来る。
僕よりももっと。
綺麗に滑るし、綺麗に舞うし。
本当に完璧で最強なのだ。
「ごめんね。先に行ってる!!」
そう理久に言う。
理久は驚いた顔をしている。
きっと僕なら待っててくれると思っていたのだろう。
とても楽しそうに。
美空の事を良く天使だと皆言うらしい。
美しい金髪に青い瞳。
汚れなんて一切知らなそうな白い肌。
そして狂信的なカリスマにその圧倒的な歌唱力。
天使以外何者でもないと良く言われているらしい。
けれど、僕は違うと思う。
天使なんかじゃないと思う。
少なくとも今この氷上へ引きずり込む瞬間の美空の顔は。
獲物を堕落させるのに成功させた悪魔みたいな顔をしていたのだから。
足は氷の上を滑って、美空の元へ引き込まれる。
そしてそのまま抱きしめられた。
ふわり、と良い香りがする。
鈴蘭の匂いだろうか。
「ふう、捕まえちゃいました♡このまま一緒に滑りましょう?凪先輩!大丈夫です。どこまでもエスコートしますから」
花が咲いたような笑みを浮かべて。
美空が言う。
大変楽しそうに。
大変嬉しそうに。
美空の瞳には僕しか映っていない。
きっと、僕の瞳にも美空しか映っていないだろう。
「俺、凪先輩の事好きって言いましたよね?だから普通に妬くんですよ?大好きな大好きな凪先輩が他の人と仲良くしちゃうだけで」
そう美空が言う。
突然美空との距離が近くなって。
急に近くなりすぎて。
うなずく事しか出来なかった。
自分から距離をつめるのは慣れているけれど、他人に距離をつめられるのは慣れてないから。
美空は今がチャンスとでも言いたげに僕を抱きしめる。
「あんまり理久とくっつかないでください…。少なくとも今だけは、俺を見てほしいな」
そう耳元で美空の声が響く。
そんな事を言われてしまったら照れてしまう。
そもそも僕はそんな事言われるような人間でもないし。
なのに。
なのに美空は楽しそうにふふ、と笑う。
「俺、ちょっと怒ってるんですよ?なので、凪先輩に拒否権はありません。さ、行きましょ?」
そう美空は楽しそうに言って。
そのまま美空に手を引かれたまま滑り出した。
ほら、天使なんかじゃないよ。
人を堕落させるのが得意な悪魔みたいな顔してる。
しかも悪魔の癖にすごく綺麗なんだ。
「あ!待って凪!先に存かないで!!…、っチ!!美空のやろ~!!僕の凪を返せ~!!」
理久が後ろから叫ぶ声が聞こえる。
少し振り扱ると、スケートから刃を取り出し滑り出そうとしている姿が見えた。
きっと理久は躊躇する事なく滑り出すだろう。
別に理久は運動音痴という訳でも無いし。
というか普通に運動が出来る。
僕よりももっと。
綺麗に滑るし、綺麗に舞うし。
本当に完璧で最強なのだ。
「ごめんね。先に行ってる!!」
そう理久に言う。
理久は驚いた顔をしている。
きっと僕なら待っててくれると思っていたのだろう。
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