どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

悲劇の始まり

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「ゴミなら僕が預かろうか?」
そう僕が言うと理久は首を振る。
「触んない方が良いよ。ただのシールに見えるけど結構魔術織り込まれててさ。
僕以外が触ると死ぬ可能性があるみたい。そう言う呪術かかってた」
そう言って、シールの絵柄を見せる。
それは人間と魔族の中間に位置するギルドの紋章だった。
「あっちもかなり危ない橋渡っただろうから相当強力な術かけたんだろうね。仕返しかな?それとももっとこれでお金を絞ろうと考えたのか…。まぁ、真相は何でもいいけど」
僕は情報だけ欲しかったから。
そう理久はこぼして手紙の内容を読む。
僕は何もすることができない。
どうして理久がギルドと連絡をとっているのかわからなかった。
ギルドは魔族と人間の橋渡しをする機関と言っても良いだろう。
魔族だろうが人間だろうが関係なく受け入れる。
故に混血などが誕生することがある。
その土台は圧倒的な組織力と個々の戦闘能力の高さだ。
はるか昔から続く組織であるから歴史もあるしかなり大きな組織であるため国も迂闊に手出しは出来ない。
なぜ理久がそんな組織と手を組んでるのかわからない。
おそらく魔王としての身分を明かしたわけではなく、ただの一般人として潜り込んだのだろうが。
手紙の内容を読んで、理久は少しずつ震え始める。
でもそれは恐怖からではなく、喜びから震え始めているような気がして。
僕は嫌な予感がした。
「やった!この時を待っていたんだ!!これでようやく…!!式は一週間後か。うん、良いタイミングだね!じゃあこの時間に来させればちょうど良い感じか…。なになに?式にはイザベラが出席しない!?滅茶苦茶こっちにとって好都合じゃん!」
そう理久が言う。
興奮しすぎて言葉が抑えられないみたいだ。
やったやったやった!!なんて子供みたいにはしゃいでる。
内容が内容なだけに喜べないけれど。
必死に作戦を立てる姿はまるで。
お気に入りの玩具が取られないように必死に画作する子供みたいで。
それが理久の想いの強さを語っているような気がした。
理久が必死に凪との場所を守ろうとしている。
けれど理久の努力とは裏腹に。
そして凪は一週間後に外へ出て。
塔への幽閉が決まる。
塔の中で暮らす事になるから、僕は時々会いにいった。
そしたら凪は徐々に衰弱していって、国に帰りたいって言い出した。
僕だって見てられなくなったから一生懸命言ったんだ。
帰った方がいいって。
凪はギリギリまで耐えた。
耐えたけど。
水を飲まないで死んで。
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