どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

人が人であると言うこと

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もしくはもう道具として再利用されたかもしれない。
その箱に使用された毒物は相当強力なものらしくて。
口にしたものを確実に殺すだとか言われて。
当時の研究レベルでは解明できない毒物だったようだ。
動物は愛護するが、同族の人間は愛護しない人間様。
そんなの利用しない道義なんてないだろうし。
きっと何かしらに使われただろう。
きっと、人間の国をそう言うものとして扱うことにしたのだろう。
だって、触れるのも怖いじゃないか。
現実に直面してしまうのが。
受け入れてしまうのが。
怖気付いて当然だ。
自分が死んだことになっているかもしれない現実を受け入れる必要があるかもしれないなんて。
まともな人間なら考えただけで発狂ものだろう。
だってもう死んでいるんだからいくら言っても死人に口無しとなるだろうし。
信ぴょう性もなくなって。
自分自身の存在すら揺らぐのだから。
死んだことになっているなら今の自分は何者なんだ?とか。
アイデンティティの崩壊だとか言うのだろうか。
そう言うのって。
もしも。
戻ったとして、自分の両親に出会って。
そしたらもう死んだことにされていて。
自分の代わりの存在がそこで笑っていて。
そんな状況耐えられるだろうか。
俺はきっと嬉しいと思うけど。
だって、今の自分の状況が嫌だから。
だから他人が今の自分と変わってくれるならそれはそれで嬉しい。
俺は最悪凪さえいればそれで良いから。
凪が俺の事を認識してくれていればそれで良い。
それならあんな両親捨ててしまっても構わない。
そう考えるけど。
凪にとっては両親大切だろうし。
とても大切な存在だろうし。
その両親の為に戻ろうとか考えたんだろうし。
そう考えると羨ましいなって思った。
凪の両親の事が。
だって、凪に愛されているんだもん。
どんなに遠くにいたって、考えてもらえるんだもん。
きっと、普通に人間の国に戻って。
そのまま普通に暮らしたら。
理久の事は覚えているだろうけどきっと俺の事は忘れちゃうよ。
だって俺はそれくらいの存在感だもの。
俺なんてそんな深く覚えてられないよ。
自分でもそれがわかってしまっているんだ。
だから戻らないという選択は俺にとっては救いでもあるんだ。
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