どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

死なんかで逃さないから

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ただだんまりを決め込む事しか出来ないのだ。
だって有無を言わさぬ雰囲気を出しているから。
いつもの理久と全然違って少し怖い。
そんな風に思う。
でもそれって両親の元へ帰れても結局…。
会えないじゃないか。
「そう、自分の葬式を目にする事になるんだ。その時どんな事を凪は思うかな?憎しみでいっぱいになってくれたらいいな。…、勿論、僕達にじゃなくて葬式を行った祖国に対してさ」
理久は作戦を話す子供みたいにそう告げる。
おそらく今回の作戦は理久の独断だろう。
少しだけでも魔族が人間の国に滞在する事になる。
更に、貴重な戦力や実験体になり得るかもしれない魔族と人間のハーフ。
勇者と魔王の子を失う恐れがあるのだから。
保守派の爺さん婆さんがそんな賭けに出るはずがない。
だからこれは理久の独断だ。
「そしたらさ、あの国に帰ろうって意思もきっと無くなると思うんだ。だってそうでしょ?葬式を行うってさ、要するに凪の事要らないって言ってるようなものだよ。例え生きてても人として扱わないって宣言しているのと同じだよ」
そう、最後は少し悲しそうに告げた。
一時期、理久は処分されかけていたらしい。
触れるだけで相手を殺す呪い。
確かに協力だ。
戦争なんかに持ち込んだら相手を触れるだけで殺すのだから殺戮兵器と言ってもいいだろう。
でも、それは有効活用出来たら。
まず、痛みに対する恐怖をなくさなければいけない。
触れられるだけの距離に近づくのなら相手の間合いに入ることなんて大前提で。
少なくとも、触れられるだけの距離ということは多少のダメージを食らう事なんて想定内だった。
ならば痛みを我慢できるようにするなんて当然なのではないか?
だって、痛みに怯えて攻撃出来ないなんて本末転倒なのだから。
痛みに恐れず攻撃出来るようにする事が必要なのだから。
回復するために必要な時間は指名手配された魔物から。
そこからいくらでも奪い取ればいい。
回復は問題なかった。
後はただ痛みに耐えるだけ。
でも、理久に拷問に等しい痛みを与えれば与えるほど。
理久はまともに動かなくなる。
当然だろう。
だって、人は痛みに脆い生き物なのだから。
だから理久を処分するという意見が上がった。
処分というのは処刑道具化するという事だ。
でも、凪が来てから。
理久は耐えるようになったから。
そんな話は消えた。
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