吸血鬼のお宿～異世界転生して吸血鬼のダンジョンマスターになった男が宿屋運営する話～

七章

七章までの用語解説

＜ダンジョン及びステータス関連の用語＞

・ダンジョンマスター
神からダンジョンを作る能力を与えられた人物。魔王とも呼ばれる。
神様に見初められ、前世で暴走トラックにはねられて死んだ人物が担う。

不老の肉体、バッドスキルを負わない――などのチート的な力を持つ。
死ぬか自らダンジョンマスターの権利を放棄しない限り、その力は維持できる。

・ダンジョン
ダンジョンマスターによって作られる迷宮。
大きく分けて外部と内部の二種類あり、外部は世界と繋がる部分で、内部は世界とは切り離された異空間にある。

ダンジョンマスターはＤＭ（ダンジョンマナ）を消費することで自由にダンジョンを生成できる。
ダンジョンマスターが死ぬと、そのダンジョンは一両日中に消滅する。

・ダンジョンマナ（ＤＭ）
ダンジョンマスターが操るエネルギー。
眷属以外の生物がダンジョンに滞在したりすると獲得できる。

・メニュー
ダンジョンマスターが使える権能の一つ。
ダンジョンマスターはメニューを開いて選択肢を選ぶことを介して、ダンジョンを作ったり、自らの眷属を増やしたり、欲しいものをネット通販のように買うことができる。

・眷属
ダンジョンマスターの僕。
眷属はダンジョンマスターに絶対従順で危害を加えることなどはできない。
眷属を増やすには、魔石とＤＭを使って創造するか（ダンジョンマスターの種族によっては魔石が不要の場合もある）、ＤＭを消費して眷属契約を結ぶ必要がある。
眷属契約を結ぶ際は、対象がダンジョンマスターに心服している必要がある。

・サポートキャラ
エリザ、イノコ、メロウ、ハーヴなど、ダンジョンマスターの転生時から付き従う第一の眷属のこと。
神様からダンジョンマスターを助けるように命令されている。
ステータスにおいてはダンジョンマスターと同等の力を持ち、同じ種族の一般個体よりも遥かに強く優秀な場合が多い。

・ステータス
名前、レベル、種族、ＨＰ、ＭＰ、保有するスキルなどの状態のこと。
ダンジョンマスターは、自らと眷属のステータスを一部項目を除き、自由に閲覧できる。

・ステータス値
レベル、ＨＰ、ＭＰ、力、魔力、耐久、敏捷、体力、精神、知力、器用、魅力の十二項目ある。
レベル、ＨＰ、ＭＰの三項目以外はマスクデータとなっており、ダンジョンマスターでも閲覧できない。

この世界はステータス値の影響が大きく、これが高ければ幼女でも大男と喧嘩して勝てる。
ブサイクでも魅力値が高ければ何故かモテる。ただし通常は見た目相応である場合が多い。

・位階（レベル）
魔物の命を奪うことなどによって経験値を得ると上がるステータス値。
レベルが上がると、レベル以外のステータス値が上昇する。
魔物の上限は１００だが、魔物以外の上限は９９９。

・ＨＰ
残りの生命力を示す数値。
これがゼロになると死ぬ。

・ＭＰ
残りの魔力エネルギーを示す数値。
これがないとスキルの発動・維持ができない。

・種族
その生物の分類上の名称。
種族によって能力の制限があったりする。

・種族特性
その種族だけに与えられた特性。
例えば、吸血鬼はスキル【吸血】以外では経験値が稼げない、といったもの。

・階級（クラス）
魔物にだけ与えられるもの。
レベルが１００になると、次のクラスに進化できる。
クラスは下から順に、ノーマル、ハイ、ナイト、ジェネラル、キング、ロード、ゴッドの七種類ある。

・スキル
保持者を助ける不思議な能力。
持っているだけで効果があるパッシブスキルと、任意的に発動するアクティブスキルの二種類ある。
また、その二つの性質を兼ね揃えたスキルも存在する。

・バッドスキル
保持者に悪い影響を与えるスキル。
基本的にデメリットしかないが、【豚化】のようにメリットがある場合もある。

・魔法
通常、対応するアクティブスキルを発動すると使える。
ＭＰと引き換えに、姿を変えたり、相手を魅了したり、火を起こしたり、風の刃を発生させたり、摩訶不思議な現象を引き起こせる。



＜物質関連の用語＞

・魔道具
魔法的な効果のあるアイテム全般のこと。

・魔法の鞄
大量の物を収納できる鞄。
ヨミトが持っているのは、一号店に来たクズ客から損害賠償金代わりにゲットしたもの。

・武装船
魔力を動力に動く大きな船。
魔道砲と呼ばれる大砲を積んでいる。船自体が大きな魔道具という扱い。

・魔道砲
魔力を燃料とする大砲。

・ブルの乳
人工魔物ブルの出すお乳。
牛乳みたいなもの。

・魔石
魔物の核。
この世界の住人は宝石や魔術の道具として利用したりしている。
ダンジョンマスターはこれを用いて魔物を生み出す。

・支配の指輪
登録した魔物や人を操ることのできる指輪。

・ポーター
森の賢人の英知が詰まった転移魔法を起動できる魔道具。
起動には鍵となる石が必要。
商業ギルドがその秘密を管理しているが、技術が流出しているらしい。

・マッシュ村秘伝のポーション
茸人族との交流のために開発されたポーション。
身体を茸人族のように小さくすることができる。
茸人族の村に向かうには必須のアイテム。


＜国名に関する用語＞

・ロキリア王国
西の大国。東の帝国と度々戦争をしている。
トータルで押され気味である。



＜地名に関する用語＞

・トロの森
大陸に跨る広大な森。トロ芋が自生する。
西端はエルフの住む深遠なる大森林、東端はヒムの森と繋がる。
ヨミトの宿の一号店がある。

・ヒムの森
大陸に跨る広大な森。西端はトロの森と繋がる。

・ミッドロウの森
ミッドロウの町の近くにある、トロの森などとは独立した小規模な森林地帯。
ラビンやビッグラットといった魔物が生息している。
ミッドロウの町の冒険者の仕事場の一つ。

・ババの森
ババ村の近くにある森。
ヨミトたちの参加した鋼等級昇級試験の会場として利用された。

・アルゼリア大山脈
大陸を横断するよう大山脈。
裾野はトロの森やヒムの森に繋がる。
冬季は兎狩りや竜狩りを行うべく、多くの冒険者が向かう。

・エデン村
ロキリア王国領の北西にある開拓中の村。
エレーナの宿（ヨミトの宿二号店）がある。

・ミッドロウの町
ロキリア王国領の大きな町。エデン村から王都に向かう途上にある。
冒険者ギルドや農場を備え、多くの人が暮らす。ヨミトはこの町で冒険者登録を行った。
カーネラの花宿（ヨミトの宿三号店）がある。

・イースト村
ミッドロウから王都ドルドローアに向かう途上にある。
ロキリア王国におけるギムコ草の一大生産地。ブレンダのパン屋（ヨミトの宿四号店）がある。

・ジョーア村
王都から北東にある田舎村。アルゼリア山脈を臨み、ヒムの森に囲まれる。
イレーヌの宿（ヨミトの宿五号店）がある。

・王都ドルドローア
ロキリア王国の首都。多くの人種が住む華やかな都であるが、厳格な身分制が敷かれている。
貴族街と下町に分かれ、下町は公共地区、農業地区、工業地区、商業地区の四地区に分かれる。
地下には大きな処理槽（下水道）がある。

農業地区に、ヨミトたち冒険者チームの拠点となっている樽型の家やメグミンの牧場がある。

・ババ村
ババの森を管理する一族が住む小さな村。

・ハザマ村
王都の北、アルゼリア山脈を臨むトロの森とヒムの森の境目にある村。
温泉が湧き出ることで知られ、アルゼリア山脈での仕事を終えた冒険者の休息地としても知られる。

近年、ゾォーク盗賊団の被害に悩まされていた。
ユマの温泉宿（ヨミトの宿六号店）がある。

・港町イティーバ
王都から南西にある海沿いの町。ロキリア王国の海上交易の拠点で奴隷市場がある。
シャンの海辺の民宿（ヨミトの宿七号店）がある。

・九頭竜島
イティーバから沖合いに出た所にある無人島。干潮時には九つの島が陸続きになる。
マミヤとスイの初期ダンジョンがあった。かつては野生のマーマンの巣であったが、マミヤとスイによって駆逐された。

・マッシュ村
ロキリア王国西方にあるアルゼリア山脈を臨む村。
ブリザートドラゴンが
また近隣の茸人族と


＜団体に関する用語＞

・毒蜘蛛
世界中で暗躍しているとされるならず者集団。
実態はよくわかっていない。

・不死鳥
ヨミトの冒険者チームの名前。
王都に来る前は“新星”という名前だったが、王都に来てから変更した。

・鋼鉄の旅団
ガンドリィが率いる冒険者チームの名前。
その名の通り、鋼等級と鉄等級の冒険者で構成される。それなりに有名な冒険者チーム。
ちなみに構成員は男性しかいない。

・竜殺し
竜殺しに定評のある王都四強チームの一つ。
火食いの二つ名で知られるガイアや、鋼等級昇級試験でヨミトと一緒の班だったロアが所属している。

・悪魔祓い
対悪魔を得意とする王都四強チームの一つ。
鋼等級昇級試験でヨミトと一緒の班だったゼラが所属している。
リムを捕まえて奴隷市場に売ったのはこのチーム。

・奴隷軍団
主に奴隷で構成される王都四強チームの一つ。
女貴族マドレーヌがボスであるが、実質的なリーダーは彼女の子飼いのドーマス。

・王都の華
王都四強チームの一つ。
構成員は女性しかいないらしい。

・エビス教
女神エビスを信仰する宗教。
この世界では一大宗教勢力となっている。

・ギルド
国境間を跨いで活動する自由な組合。
この世界の国はギルドの活動を支援している場合が多い。
冒険者ギルド、商業ギルドなどがある。



＜施設に関する用語＞

・ヨミトの宿一号店
トロの森にあるヨミトの最初の拠点。
辺鄙な所にあるためか客は来ず、来てもならず者のクズ客ばかり。

・エレーナの宿（ヨミトの宿二号店）
森の安らぎ亭とも言う。開拓村エデンにある。

村を支配していたゴルドが消えてから、開拓民たちの集う憩いの場となり繁盛している。

・カーネラの花宿（ヨミトの宿三号店）
ミッドロウの町にある高級花宿。
経営不振に陥っていたが、ヨミトの助けもあり立て直した。
夢魔のリムが稼ぎ頭となって大繁盛しており、カーネラたち経営陣は狂喜乱舞している。

・ブレンダの宿（ヨミトの宿四号店）
イースト村にあるパンが美味しい宿。
最近ではパン以外の料理やお菓子も評判となり繁盛している。
特に収穫祭の時期は予約がとれないほどとなっている。

・イレーヌの宿（ヨミトの宿五号店）
ジョーア村にあるこじんまりとした宿。
ヨミトの宿の中では一号店の次に規模が小さい。
ヨミトの援助を受けた元娼婦イレーヌが商売を始めた。
稼ぎは少ないものの、村には宿がなかったので村長からは大変感謝されている。

・ユマの温泉宿（ヨミトの宿六号店）
ハザマ村にある高級温泉宿。隣には花宿があり、これもヨミト傘下となっている。
春前にはブリザードドラゴン狩りを終えた冒険者たちの慰安所として大いに賑わっている。

・シャンの民宿（ヨミトの宿七号店）
ヨミトの支援を受けたシャンが始めた宿。
カイリの作ったボートが貸し出されており、宿の前の海では舟遊びもできる。

・樽型の家
鋼鉄の旅団がかつて保有していた物件だが、現在はヨミトたちの拠点となっている。

・メグミンの牧場
王都農業地区にある牧場。
経営に難を抱えていたが、ヨミトの手を借りて繁盛している。

・王都地下水道
王都の地下に張り巡らされた巨大処理槽。
そこの掃除をするのも冒険者の仕事の一つ。

・ガンドリィの店
鋼鉄の旅団が運営するオカマバー。
怪我をした団員や引退した団員の就職先として、団長であるガンドリィが整備した。
家族連れで楽しめる健全？なお店らしい。それなりに繁盛している。

・カイリの造船所
かつてカイリの父親が経営していたが潰れた。
ヨミトの支援を受けて再出発を果たした。
カイリとマリンが毎日作業をしている。

・船会社ヴェッセル
マミヤに支配されていた大きな会社。
女社長ヴェスの下で再出発を果たしたが、魔王に支配されていたということで世間の風当たりは強く、以前のような大々的な商売はできなくなっている。



＜人種関連の用語＞

・魚人
マーマンと見た目は変わらないが、魔物ではなくて人間として扱われる。
魚介類に目がない。

・雪妖精
女は雪女、男は雪達磨のような姿をしている。
氷魔法が得意で、雪妖精の恵みという名の氷菓子（アイス）を生み出したことでも知られる種族。
王都のとあるアイス屋では、メリッサがバイトしている。

・茸人族
茸頭の小人。魔物ではなくて人間として扱われる。
基本的に僻地で暮らしており外界とあまり交流を持たないが、中には交流を持つ部族もある。



＜魔物に関する用語＞

・スライム
アメーバ状の魔物。この世界で最もポピュラーであり、最も弱い魔物。分解者でなくてはならない存在。雌雄はない。
トイレ設備などで用いられ、この世界の人類に利用されている。

ヨミトのダンジョンでは、掃除役、スライム警戒網などの用途で、大いに役立っている。

・ゴブリン（小鬼）
緑色の体躯をした小柄な鬼。雄が圧倒的に多いが雌も存在する。
森の中で集落を形成している場合が多い。
単体だとザコだが、集団だとそれなりに脅威。

ヨミトのダンジョンでは、戦闘員や労働力として大いに役立っている。

・ラビン
大型の兎のような魔物。
ゴブリンより知能は低いが、その分、肉体的能力は高い。
集団だとそれなりに脅威。肉はまあまあ美味しいらしい。

ヨミトのダンジョンでは、愛玩用、収穫物の運搬、ゴブリンの移動用の乗り物として役立っている。

・ビッグラット
大型の鼠のような魔物。
脅威度はラビンと同じくらい。
肉は癖があるものの、丁寧に処理すれば美味しいらしい。

ヨミトのダンジョンでは、愛玩用、収穫物の運搬、ゴブリンの移動用の乗り物として役立っている。

・蝙蝠
小型の吸血蝙蝠。
吸血鬼のダンジョンマスターのヨミトは、蝙蝠を魔石を用いずＤＭだけで創造できる。
ヨミトの眷属の蝙蝠は最初に創造した十匹から繁殖させたものがほとんどである。

ヨミトのダンジョンでは、偵察、連絡、監視役などで大いに役立っている。

・ヴァンパイア（吸血鬼）
悪魔の一種で、ヨミトとエリザの種族。
最低でも金等級の冒険者がチームを組んで対処しなければいけないという恐ろしい魔物として知られる。
吸血をしないと経験値がもらえないなど、種族特性の縛りが強いものの、その分、優れた能力を持っている。

・オーク（豚鬼）
豚の化け物。その肉は豚肉のようで美味い。

ヨミトのダンジョンには、シブヘイの遺したオーク娘たちが働いている。

・ブル（牛鬼）
牛の化け物。その肉は牛肉のようで美味い。

ヨミトのダンジョンでは、家畜化された改良ブル（人工魔物）が食料として飼われている。

・メガローチ
巨大なゴキブリ。人工魔物の一種で、王都の地下水道で大量に放牧されている。

・スモールベア
小型の熊の化け物。ババの森によく出現する。

・バジリスク
鋼級の脅威度を持つ蛇の化け物。
ヨミトたちの受けた鋼等級昇級試験・第三試験のお題として出された、

・スノウラビン
冬のアルゼリア山脈に現れる兎型魔物。

・ブリザードドラゴン
冬のアルゼリア山脈に飛来する下級種の竜。
下級種といってもその脅威度は高い。

・マーマン（魚魔族）
海のゴブリンとも呼ばれる、半魚人型の魔物。
魚人と見分けがつきにくいが、魔石があることなどから魔物と区別される。
その肉は精がつくと言われ、珍味扱いされている。

・ビッグボア
大蛇の魔物。
一般人には脅威だが、冒険者にとってはさほど脅威ではない。

・ビッグモンキー
樹上生活を行う猿型の魔物。
木の上を自由に飛び回り投石攻撃を加えてくる厄介な相手だが、遠距離攻撃手段があるならばそれほど脅威ではない。

・ビッグスパイダー
大蜘蛛の魔物。
群れで襲われるとそれなりに脅威。
蜘蛛の巣攻撃には要注意。

・ローパー
銅等級の魔物。
単体だとそこまでの脅威ではないが、群れだと脅威度が一気に上がる。
円筒状の身体に大きな目玉、無数の触手を持つ。
触手からは装備を破壊し、精神を錯乱させて発情させる粘液を出す。


＜その他の用語＞

・冒険者の等級
上から順番に、虹、金、銀、銅、鋼、鉄、木の七等級ある。
鋼等級以上となると一目置かれる存在となる。

・性豪
冒険者ヨミトの異名。
ヨミトが娼館に頻繁に出かけていき、娼婦をメロメロにしていることから名づけられた。

実際に娼婦を抱いているわけではなく吸血のためだが、真実を知る者はヨミトたち以外にいない。

・王都の吸血鬼事件
王都の下級貴族で下町の高等院の校長だったカニバルが起こした連続婦女暴行監禁殺害事件（三章参照）。

その事件の名に吸血鬼がついていることを、ヨミトとエリザは快く思っていない。

・兎狩り
冬にアルゼリア山脈でスノウラビンを狩ること。
鉄～鋼等級冒険者にとって旨みのある仕事。

・ドラゴン狩り
アルゼリア山脈でブリザードドラゴンを狩ること。
鋼等級以上の冒険者は冬季にこぞってアルゼリア山脈を目指す。

・人工魔物
野生の魔物を家畜化して生まれた魔物の一種。
流通している魔物肉、家畜やペットの多くはこの人工魔物によるもの。

・下級貴族
特別な例を除くと、第一次試験（筆記）と第二次試験（面接）を受けて合格するとなれる貴族位。
一代限りの身分であるが、上級官吏や軍人として強力な権限を持つ。
ゆえに各地で汚職の噂が耐えないらしい。

・魔告げ鳥
魔物の気配に敏感なペットの小鳥。
冒険者や旅人の中にはこの鳥を上手く活用して魔物の害から逃れている人もいるらしい。