捨てた私をもう一度拾うおつもりですか?

ミィタソ

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「エルザ、このままではお前も王都にいるのが辛いだろう。少し、心を休めるためにも離れた方がいいかもしれん……。今、私が抱えている仕事の一つをお前に任せよう」
「お父様の仕事……ですか?」
「うむ、隣国アースランド帝国のマッカラン公爵家への滞在だ。家長を失ったばかりの若き公爵、ディーン・マッカランを補佐しつつ、ザルカンド王国とアースランド帝国との友好を深める役目を担ってほしい。エルザ、お前の知識と品格なら、きっとこの務めを全うできるだろう」

 アースランド帝国……過去に、ザルカンド王国と大きな戦争をした国だ。今では関係は良好であるが、旅行で訪れるには少し怖いという印象がある。
 でも、この国に居るよりはいいのかもしれない。
 それに、女としてではなく、貴族としてローグアシュタル家の助けになれる。
 お父様の提案に驚きながらも、自分にできることがあると知り、微かな希望が胸に灯るのを感じた。

「分かりました、お父様。私もこのままではいられません。少しでも役に立てるのであれば、その任を全力で果たします」

 お父様はうなずき、穏やかな笑みを浮かべた。

「そうか……お前が成長した姿を見ることができて、私は誇らしいよ。ディーン公爵もまだ若く、色々と助けが必要だろう。近くで見てきたから分かる。お前は優秀だ。今は辛いだろうが、夢中に慣れることがあれば、徐々に心の傷も癒えていくだろう」

 目を閉じて深呼吸をし、再び前を見据える。
 この新しい道が、過去を捨てるきっかけになるかもしれない。
 アースランド帝国での新たな出会いが、私に何をもたらすのかはまだ分からないけれど、振り返らず……ゆっくりと進んでいこう。
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