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偽りの理想
四十四話 失墜の始まり
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「とどめを刺す?」
リカルドが少し目を細めて、私の言葉を繰り返した。
「ええ。フェリクス王子が不安定になってるなら、その不安をさらに煽って、彼の足元を完全に崩せばいいのよ」
私は静かに答えた。
「つまり、フェリクス王子がどこにどんな借りを作ってるのか、もっと明るみに出せばいいわけね」
「……お前、結構容赦ないな」
リカルドは苦笑しながら肩をすくめる。
「そっちが先に仕掛けてきたんだから当然よ。それに、私を貶めようとした以上、優しくしてあげる理由なんてないでしょ?」
「はは、それもそうか」
リカルドは少し楽しそうに笑った。
「で、具体的にはどう動くつもりだ?」
「まずは情報を集めるわ。フェリクス王子やアレクシス王太子がどの貴族や組織と繋がっているのか、それを表に出せば、彼らを支持する者たちが動揺するはずよ」
「なるほどな……なら、ちょうどいい話がある」
「何?」
リカルドは懐から一通の書状を取り出した。
「これは?」
「フェリクス王子が最近、ある貴族と交わした密約の証拠だ」
「……どこで手に入れたの?」
「ま、こっちにも色々と情報源があるんでな」
リカルドはニヤリと笑う。
「こいつを公にすれば、フェリクスの立場は一気に危うくなるぜ」
私は書状を開き、内容に目を通した。
――そこには、フェリクス王子が国外の商会と裏取引を行い、王家の財産を密かに流していた証拠が記されていた。
「……これは決定打になりそうね」
「ああ。王家にとっても、この件は絶対に表沙汰にしたくないはずだ。フェリクス王子を守るために動く者もいるだろうが、逆に彼を切り捨てようとする勢力も現れる」
「つまり、王子の派閥内で内部分裂が起こるってことね」
「その通り」
私は書状を折り畳み、満足そうに微笑んだ。
「じゃあ、これをどう広めるか考えないとね」
「俺が動こうか?」
「お願いするわ。でも、私の名前は出さないで」
「分かってるさ」
リカルドは軽くウィンクしてみせた。
「さて、フェリクス王子がどう転ぶか、見ものだな」
***
一方、その頃――。
「……何だと?」
フェリクス王子は、側近からの報告を聞いて目を見開いた。
「私の密約が外部に漏れている……? 誰がそんなことを……!」
「まだ分かりません。しかし、情報が確実に広まっています。このままでは、殿下の立場が……」
「黙れ……!」
フェリクス王子は苛立たしげに拳を握り締めた。
(まさか、セシリアか……?)
思い当たるのは彼女しかいない。
だが、証拠もない状態では下手に動けない。
「……くそ、こうなれば手を打つしかないな」
フェリクス王子の目が鋭く光る。
リカルドが少し目を細めて、私の言葉を繰り返した。
「ええ。フェリクス王子が不安定になってるなら、その不安をさらに煽って、彼の足元を完全に崩せばいいのよ」
私は静かに答えた。
「つまり、フェリクス王子がどこにどんな借りを作ってるのか、もっと明るみに出せばいいわけね」
「……お前、結構容赦ないな」
リカルドは苦笑しながら肩をすくめる。
「そっちが先に仕掛けてきたんだから当然よ。それに、私を貶めようとした以上、優しくしてあげる理由なんてないでしょ?」
「はは、それもそうか」
リカルドは少し楽しそうに笑った。
「で、具体的にはどう動くつもりだ?」
「まずは情報を集めるわ。フェリクス王子やアレクシス王太子がどの貴族や組織と繋がっているのか、それを表に出せば、彼らを支持する者たちが動揺するはずよ」
「なるほどな……なら、ちょうどいい話がある」
「何?」
リカルドは懐から一通の書状を取り出した。
「これは?」
「フェリクス王子が最近、ある貴族と交わした密約の証拠だ」
「……どこで手に入れたの?」
「ま、こっちにも色々と情報源があるんでな」
リカルドはニヤリと笑う。
「こいつを公にすれば、フェリクスの立場は一気に危うくなるぜ」
私は書状を開き、内容に目を通した。
――そこには、フェリクス王子が国外の商会と裏取引を行い、王家の財産を密かに流していた証拠が記されていた。
「……これは決定打になりそうね」
「ああ。王家にとっても、この件は絶対に表沙汰にしたくないはずだ。フェリクス王子を守るために動く者もいるだろうが、逆に彼を切り捨てようとする勢力も現れる」
「つまり、王子の派閥内で内部分裂が起こるってことね」
「その通り」
私は書状を折り畳み、満足そうに微笑んだ。
「じゃあ、これをどう広めるか考えないとね」
「俺が動こうか?」
「お願いするわ。でも、私の名前は出さないで」
「分かってるさ」
リカルドは軽くウィンクしてみせた。
「さて、フェリクス王子がどう転ぶか、見ものだな」
***
一方、その頃――。
「……何だと?」
フェリクス王子は、側近からの報告を聞いて目を見開いた。
「私の密約が外部に漏れている……? 誰がそんなことを……!」
「まだ分かりません。しかし、情報が確実に広まっています。このままでは、殿下の立場が……」
「黙れ……!」
フェリクス王子は苛立たしげに拳を握り締めた。
(まさか、セシリアか……?)
思い当たるのは彼女しかいない。
だが、証拠もない状態では下手に動けない。
「……くそ、こうなれば手を打つしかないな」
フェリクス王子の目が鋭く光る。
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