脱衣ゲームでカップル成立 ~史上最強の淫魔、光堕ちしてキューピッドになる~

平良野アロウ

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第六章

第207話 脱衣すごろく・1 ~ツンデレ貧乳VS巨尻水泳部員VS爆乳清楚女子VS貧乳美術部員~

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「勝ったんだね! 先生!」
「ああ、ルナティエルは殺した」

 領域から戻ったルシファーは、被服室に姿を現した。リリムは途端にばっと顔を上げ、作業を中断して駆け寄る。

「混乱してた子達はみんな落ち着いたよ。それぞれの教室に戻ったみたい」

 洗脳されていた女子達は脱衣ゲームの記憶は消されたものの、何故か茂を好きになっていて本来の自分なら絶対しないような行動をしていた記憶は残っている。ルシファーの記憶処理が適用されるのは、淫魔領域内で起こった出来事に対してだけだからだ。
 どうして自分がああなっていたのかわからず皆混乱していたが、リリムに宥められてとりあえずは納得したようだった。

「そうか、それは良かった。なら話は早いな。これから俺は洗脳されていた四人と、その恋人候補となる男子四人を領域に召喚し脱衣ゲームを行う」
「えっ、さっき戦ったばっかなのに!? 無茶だよ! そんなに顔色悪いのに!」

 ルナティエルとの戦闘で膨大な魔力を消費したルシファーは息絶え絶えで、今にも崩れ落ちて消えそうなほどであった。だが持ち前の演技力で誤魔化しながらこの場に現れ、健康体を装っていたのである。しかしリリムの目は誤魔化せなかったようだ。

「ルナティエルに滅茶苦茶にされた校内の人間関係を、一刻も早く正常化させねばならない。これはルナティエルを殺すこと以上に重要な俺の仕事だ。今回は俺一人でやる。リリム、お前はここで作業を続けろ」
「えっ、どうして!?」
「文化祭の衣装作りを今日中に終わらせなければならないんだろう。これ以上お前を付き合わせてお前の作業を遅れさせるわけにはいかない。それにこのメイド&執事喫茶はお前自身が企画したことだろう。それで間に合いませんでしたなんて無責任が許されると思うか? 島本と相川だって自分のやるべきことがあるから、断腸の思いで残りの作業をお前に託したんだ。お前を信じているからこそなんだ。お前はお前のすべきことを果たせ。俺も俺のすべきことを果たす」
「だったら先生も、一人でやるって言っときながら魔力切れでぶっ倒れたりしないでよ? 本当にできるんだよね? 先生を信じていいんだよね?」

 不安げな眼差しで見上げてくるリリムに、ルシファーは表情一つ変えることなく軽いキスをした。
 ルナティエル抹殺のため女性そのものにしか見えないような色っぽい演技と共にしたキスとは、いろんな意味で対照的なキスを。
 だけどリリムは唇を奪われて一秒で身を痙攣させ、あっさりとろんと落ちた。

「……これで多少は魔力と体力を回復できた。じゃあ行ってくるぞ」

 扉の向こうに足音を感じたルシファーは簡素にそう告げると、早々に領域へと飛んでしまった。
 残されたリリムは、力が抜けてその場の床にぺたんと座り込む。

(どうしよう、これはちょっとマズいかも。先生がボクにデレる時ってホントに弱ってる時だし。心配だなぁ……)

 ルシファーを憂い俯いたのも束の間、被服室の扉が開き永井百合音と目黒冬香が姿を現した。

「やっほーリリム。ん、どうしたのそんなとこ座って」
「え? ううん、何でもない!」

 慌てて立ち上がり椅子に戻ったリリムは、ふと股間に不快感。

(うわ、ぱんつの中びちょ濡れ)

 ルシファーのキスは、一発で大洪水を起こす破壊力であった。



 今回領域に召喚された生徒は、四組八名。

「ようこそ愛天使領域キューピッドゾーンへ。私は愛の天使、キューピッドのルシファー。それでは今回の参加者をご紹介致しましょう。一組目男子、二年B組サッカー部、風間純一! 同じく女子、二年B組テニス部、桃井宏美Bカップ!」

 ルシファーの受け持つ二年B組の鈍感男子とツンデレ女子。宏美の片想いのように見られていたが、実際は純一が鈍感のふりをしており両片想いであった。

「二組目男子、二年B組卓球部、星影刃! 同じく女子、二年B組水泳部、三鷹佐奈Dカップ!」

 同じく二年B組の生徒同士。こちらは完全に刃の片想いである。佐奈から刃へはこれといって特別な感情は見られず、今回の面子の中では最も成立の難しい二人と言えるだろう。

「三組目男子、二年D組サッカー部、藤林誠! 同じく女子、二年D組手芸部、吉田綾芽Hカップ!」

 こちらは過去にルシファーの脱衣ゲームに参加し不成立となったペア。誠が綾芽の気持ちを慮るあまり逆に交際を拒否するという、ルシファーでさえ予想だにしなかった事態を起こしていた。

「そして四組目目男子、一年B組美術部、藤木壮一! 同じく女子、一年B組美術部、宮原奈々AAカップ!」

 同じく過去の脱衣ゲームで不成立となったペア。こちらは壮一の失態に奈々がドン引きしたことが不成立の原因であった。

「こちらの四組で、ゲームを行って頂きます!」

 皆驚きと不安を顔に出していたが、既に脱衣ゲームを経験している四人はどこか察した様子も見られた。

「今回のゲームは、脱衣すごろくです。二人一組でサイコロを転がして出た目の分だけマスを進み、止まったマスに書かれたお題をこなしていきます。達成できた場合、他のペアの女子の服を一回分脱がすことができます。達成できなかった場合、自分のペアの女子が服を一回脱がなければなりません。脱ぐ部位はトップス、ボトムス、ブラジャー、ショーツの四ケ所。トップス、ボトムスを脱ぐ際にはそれぞれ上半身ブラジャー一枚、下半身ショーツ一枚になるまで脱がなければなりません。四回服を脱がされて全裸になった時点でゲームから脱落となります。最初にゴールしたペア、もしくは残り全員を脱落させて勝ち残ったペアが優勝となります。優勝したペアはカップル成立となりますので頑張って下さい。なお、脱落もしくは優勝するまで元の世界には帰れません。それではゲームを始めます。まずは風間君。桃井さんペアからです」

 ルシファーはまるで急かすように、早口の説明でゲームを進行した。
 参加者同士禄に話す機会も無いままいきなり始めますと言われて、スタート地点の参加者達はいつにも増して困惑していた。
 バラエティ番組で使われるようなサッカーボール大のサイコロを魔法で手渡された純一は、サイコロと宏美の顔を交互に見ていた。

(これって噂のキューピッドってやつだよな? 桃井はとっくに本宮に乗り換えたってのに……今更俺にチャンスをくれるってのか? 桃井に対して不誠実なことしてた俺に……)
「純一?」

 宏美に声をかけられ、純一はドキリ。額からは汗が流れた。

「あの、さ……これって例のキューピッドだよね?」
「ん、ああ、そうだよな」

 互いに顔を見合わせて、何だか気まずいムード。
 自業自得の失恋をした認識でいる純一は勿論のこと、知らぬ間に自分が他の男を好きになっていたことになっていた宏美もどう接したらいいのか悩ましい気持ちだ。

「と、とりあえずここからの脱出目指して頑張らない? 優勝すれば裸にならずにここから出られるわけだし」
「ん、ああ」

 何とも形容し難い空気の中、純一は手から落とすようにサイコロを転がす。出た目は四。四マス先が発光して止まるマスをガイドした。
 一マスあたりおよそ三歩分。それを四マス進んで、指定のマスへ。発光が止むと、代わってそこには文章が現れた。

「出ました! お題は『相手の良い所を交互に計三つ言う』! それではどうぞ、どちらからでも構いませんよ」

 ルシファーが高らかに読み上げたお題の内容は、カップル成立させる上でシンプルに有用なもの。
 だけど二人は、急に俯き黙ってしまった。素直になれず照れ隠しでついキツいこと言ってしまう宏美と、鈍感のふりをしてノンデリ発言繰り返してただけに今更素直に褒められない純一。揃いも揃って、相手を褒めることは不得手なのである、

「どうかしましたか? できない場合、桃井さんが脱ぐことになりますが」
「わ、わかった! 私から言うから! えーと……顔!」
「いや顔かよ。じゃあ俺も顔でいいや」

 実際どちらも顔の良さには恵まれているわけだが、異性の良い所を挙げろと言われて真っ先にそれが出るのは身も蓋も無さを感じさせるのも事実。お互い褒められているはずなのに、いまいち腑に落ちないといった顔をしていた。

(……こいつ顔以外にいいとこ無くない?)

 宏美はつい、そんな考えが頭をよぎった。何でこんな男のこと好きだったのか、つい考え込んでしまう。

「おーい宏美? もしかしてマジで顔以外思い浮かばない?」
「え? あ、あー……猫の話してる時が可愛い!」
「男に可愛いってあんまり褒め言葉じゃないぞ。まあいいや。んー……尻の形がエロい」
「女にエロいも褒め言葉じゃないからね!?」

 宏美は顔を赤くし、両手をお尻に当てた。実際臨海学校のお風呂ではリリムにもお尻を褒められていた宏美である。
 なお海水浴の時にも水着姿の感想として純一は宏美にエロいと言ったが、直後にビンタされていた。

「え、マジ? 大地はよく須崎に言ってるし須崎も喜んでる感じするけど」
「その二人はそういう関係だからいいの! だからあんた空気読めないって言われるんだよ? てかお尻なんていつ見たの!?」
「いや海水浴の時の水着で。まあそれ以前に私服の短パン穿いてる時とかでも浮き出た形エロいとは思ってたけどさ」
「もういい、何も言うな!」
「ごめん」

 エロい連呼されるのが耐えられなくなって、宏美は純一を制止した。

「ところで何も言わなくなればお題失敗となりますが。というか次は桃井さんの番ですよ」
「う……」

 ルシファーに急かされて言葉に詰まる宏美を、純一は少し引き攣った顔で見る。

(桃井って俺のこと好きだったんだよな? それなのに何も出てこないってある? ……いや、単に俺に何もいいとこが無いってだけか)
「……意外と優しい」
「え?」

 これまでの不誠実な態度を反省しようとした矢先に、思いもよらない発言が宏美の口から出て純一は思わず聞き返した。
 ましてや、自分と違って優しい男に宏美は乗り換えたのだと認識していたのだから尚更だ。

「いや、俺自分が優しいとは思わないんだけど」
「そうでもないよ。あたしにぶたれたりしても、普通に友達でいてくれるし……」
「や、普通に俺がぶたれて当然のカスみたいなこと言ったからだし。あ、次は俺の番だな。あー……そういう照れてる時のお前、ホントに可愛いと思う」
「なっ!?」
「はい、お題達成です!」

 宏美が顔を真っ赤にした途端に、ルシファーが手を叩いてそう宣言。すると宏美の手に新たなサイコロが出現した。
 こちらのサイコロの面に描かれているのは数字の目ではなく、佐奈、綾芽、奈々の顔をデフォルメしたイラストである。

「では桃井さん、こちらのサイコロを振って頂きましょう。これで出た方に服を脱いで頂くことになります」
「え……あたしが振るの? なんかやだなぁ……」

 と言いつつ、渋々ながら宏美はサイコロを振った。乗り気じゃない気持ちを表すように弱々しく転がったサイコロは、奈々の顔を上に向ける。

「脱衣するのは宮原さんに決定致しました。それでは脱いで頂きましょう!」
「やだああぁ!」
「ちなみに脱がない場合は」
「わかってる! 魔法で脱がせるんでしょ!? うぅー……」

 奈々は今回も、まずスカートから脱ぐ。あまりにも平坦すぎる胸にコンプレックスがある分、こちらの方がマシという心情によるものだ。
 制服の紺色スカートを下ろしたら、出てきたのは白いブラウスと同じ色した純白ショーツ。前回の脱衣ゲームの時もそうであり、彼女は白い下着を好んで着ているようだ。

(み、宮原のパンツ……)

 ただパンツを見ただけで、壮一の股間には血が集まってきていた。唾を呑み、視線は勝手に純白のトライアングルへと向いてしまう。
 奈々はブラウスの前面を合わせて下に引っ張り、少しでもショーツを隠そうと頑張っている。そのいじらしい仕草が、また男心をくすぐるのだ。

 既に一度脱衣ゲームに参加していた人だったこともあって最初の脱衣がすんなりと済んで、ルシファーは安心して次のアナウンスを始めた。

「では、次は星影君、三鷹さんペアの番です」
(遂に来た……俺の番だ)

 名前を呼ばれた刃は、胸が高鳴った。
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