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第一章 ティタノボアの箱庭世界
2.ティタノボア
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「箱庭……世界……?」
目の前の彼女が言ったことが理解できず、俺は首を傾げた。
箱庭世界、とは何のことだろう?
そのままの意味でとらえるならば、箱庭という小さな空間に世界を創る、という事だろう。
確か、若いころ(ちょうど25歳くらいだ)に、そういう世界を題材にしたゲームにハマったことがあったな。
いやまて、そんなことよりも。
「箱庭世界の前に、あんたは一体何者なんだ?」
俺はけげんな顔で前方にたたずむ巨大な蛇女を指さした。
いろいろと聞きたいことはあるのだが、まずはそこを問うべきだ。
「そうね、まずは自己紹介から始めるべきね」
彼女はゆっくりと俺の前まで歩みを進めた。
2メートル以上の巨体が、俺の前に立ちはだかる。
俺のことを鋭いまなざしでじっと見つめながら、彼女は言った。
「私は、ティタノボア」
……え?なんだって?
こいつ、なんて言った?
「は?ティタノボア?え?はるか昔にいた、巨大な蛇?のこと?」
ティタノボア―――それは、新生代にいたとされる、巨大な蛇。
体長は15メートル、重さは1トンもあると言われ、どんな大きな生物でも、簡単に締め上げて殺すことができた、なんて言われている最強の蛇だ。
割とすぐに絶滅してしまったらしいが、その遺伝子は昨今の蛇たちに受け継がれている。
つまり、蛇のご先祖様。
「そう。恐竜が絶滅した後くらいにブイブイ言わせてた、最強の蛇よ」
身体の前で腕を組み、ドヤ顔をするティタノボア。
……腕を組むティタノボアってなんだ。腕ねぇだろ、蛇なんだから。
だけども、目の前にいるティタノボアは人間の姿をしており、本来ないはずの腕をしっかりと組んでいる。
「えっと、その巨大な蛇様が、どうして人の姿でいらっしゃるんですかね?」
「そんなん決まってんでしょ。ヒト化したのよ、ヒト化」
「決まってることなの!?知らんわそんな常識!」
「だって、私たち絶滅して何千万年も経つのよ?蛇の姿のまま生きるのにも飽きてくるというか、ヒト化していろんなことしてみたいというか……」
「そもそも!ヒト化ってなに!?」
「え?そのままの意味だけど?」
いや、わかってるよ、意味自体は。
つまりあれだよな、生きていた頃にもよくアニメや漫画で見かけた「擬人化」ってやつだよな?
確かに、今目の前にいる女性は、蛇を擬人化したような風貌をしている。
特に爬虫類を想起させるような細長い瞳孔の目や、頬を覆っている蛇の鱗なんて、俺がこよなく愛してきた爬虫類そのものだ。
目の前の女性=ティタノボアの擬人化、という方程式はわかるんだよ、理解している。
ただ、なんで擬人化したのか、とか、そもそもティタノボアって絶滅したよな、とか、その前にここは一体どこなんだ、とか、そういえば俺死んだんだよな、とか、そういった疑問が理解できていないんだ、俺は。
考えを巡らせてフリーズしてしまっている俺に、
「ふっふっふ、ヒトの姿ってのもいいものよね。こうして手足を使っていろんなことができる...たとえば、こうやって...」
彼女は急に顔を近づけてくる。
「……!」
そっと両手で俺の頬を包み、じっと目を見つめ……
「キス、してみたり…さ?」
俺の唇を……
「あ、わりぃ、俺、人間のキスには興味ねぇんだわ」
ピタ、と今度はティタノボアがフリーズした。
先ほどまで、挑発的だったその瞳は、理解ができない、といったまん丸な瞳に変わっている。
「え?……は?」
「なんか挑発してるような感じのとこ悪いんだけど、人間の色仕掛け?は俺には通用しない」
「あ…えっと、べ、別に色仕掛けとかそういうんじゃなくて…」
まん丸な彼女の瞳が、逃げ惑う小魚のようにあちらこちらへ泳ぎ始める。
ついでに顔の色も赤くなっていった。
まさかこうもバッサリと返されるとは思っていなかったのだろう。
さっきからこいつの偉そうな態度がちょーっと癪だったんだよな。
だから、立場、逆転させてもらうぜ。
「色仕掛けじゃなかったらなんなんだよ。あれだろ?男ならキスしとけばころっと言いなりになるだろ、みたいな思ってんだろ?」
「だ、だって!人間のオスって、メスの誘惑にはあらがえないんでしょ!?人間界のドラマとか漫画とか、そう書いてあったもん!!ちゃんと勉強したんだもん!」
「どんな先入観だよ!ってか、人間の勉強するのにドラマとか漫画を参考にすんな!あんなの、理想の人間と理想の世界がかかれてるんだから、人間の現実を知るには不適切だ!」
「わかった!お前実はオスじゃないんでしょ!メスなんでしょ!」
「ちっげーよ!れっきとしたオスだ!立派なオスだ!見るか!?俺の立派なオス!」
「ちょ、なにしてんの!見せなくていいから!」
ティタノボアと言い合いながら、ふと、あー、そういえば俺って、人間の女の子に興味を持たずに生きてきたなぁ、と自分の人生を振り返る。
まったく興味がなかったわけじゃない。女の子が苦手、というわけでもない。
それなりに青春はあったし、恋愛はしてきた。
……爬虫類に出会う、25歳までは。
その日を境に、人間に対して恋愛感情を抱くことがなくなってしまった。
爬虫類の可愛さに気づいてしまった俺は……爬虫類しか愛せなくなってしまった。
だがそれでよかった。
一緒に暮らしていた爬虫類たちがいれば、他は何もいらなかったのだから。
「はぁ……私、選ぶ人間間違えたかしら…」
ティタノボアの盛大な溜息に、俺は現実に引き戻される。……いや、ここ現実、なのか?
「なぁ、とりあえずさ、いろいろ説明してほしいんだけど」
「そうね。あなたには重要な役割があるんだから、ちゃんと説明しないとね」
少し落ち着いたのか、ティタノボアは俺から距離をとり、そして俺が置かれているこの現状について、話し始めた。
目の前の彼女が言ったことが理解できず、俺は首を傾げた。
箱庭世界、とは何のことだろう?
そのままの意味でとらえるならば、箱庭という小さな空間に世界を創る、という事だろう。
確か、若いころ(ちょうど25歳くらいだ)に、そういう世界を題材にしたゲームにハマったことがあったな。
いやまて、そんなことよりも。
「箱庭世界の前に、あんたは一体何者なんだ?」
俺はけげんな顔で前方にたたずむ巨大な蛇女を指さした。
いろいろと聞きたいことはあるのだが、まずはそこを問うべきだ。
「そうね、まずは自己紹介から始めるべきね」
彼女はゆっくりと俺の前まで歩みを進めた。
2メートル以上の巨体が、俺の前に立ちはだかる。
俺のことを鋭いまなざしでじっと見つめながら、彼女は言った。
「私は、ティタノボア」
……え?なんだって?
こいつ、なんて言った?
「は?ティタノボア?え?はるか昔にいた、巨大な蛇?のこと?」
ティタノボア―――それは、新生代にいたとされる、巨大な蛇。
体長は15メートル、重さは1トンもあると言われ、どんな大きな生物でも、簡単に締め上げて殺すことができた、なんて言われている最強の蛇だ。
割とすぐに絶滅してしまったらしいが、その遺伝子は昨今の蛇たちに受け継がれている。
つまり、蛇のご先祖様。
「そう。恐竜が絶滅した後くらいにブイブイ言わせてた、最強の蛇よ」
身体の前で腕を組み、ドヤ顔をするティタノボア。
……腕を組むティタノボアってなんだ。腕ねぇだろ、蛇なんだから。
だけども、目の前にいるティタノボアは人間の姿をしており、本来ないはずの腕をしっかりと組んでいる。
「えっと、その巨大な蛇様が、どうして人の姿でいらっしゃるんですかね?」
「そんなん決まってんでしょ。ヒト化したのよ、ヒト化」
「決まってることなの!?知らんわそんな常識!」
「だって、私たち絶滅して何千万年も経つのよ?蛇の姿のまま生きるのにも飽きてくるというか、ヒト化していろんなことしてみたいというか……」
「そもそも!ヒト化ってなに!?」
「え?そのままの意味だけど?」
いや、わかってるよ、意味自体は。
つまりあれだよな、生きていた頃にもよくアニメや漫画で見かけた「擬人化」ってやつだよな?
確かに、今目の前にいる女性は、蛇を擬人化したような風貌をしている。
特に爬虫類を想起させるような細長い瞳孔の目や、頬を覆っている蛇の鱗なんて、俺がこよなく愛してきた爬虫類そのものだ。
目の前の女性=ティタノボアの擬人化、という方程式はわかるんだよ、理解している。
ただ、なんで擬人化したのか、とか、そもそもティタノボアって絶滅したよな、とか、その前にここは一体どこなんだ、とか、そういえば俺死んだんだよな、とか、そういった疑問が理解できていないんだ、俺は。
考えを巡らせてフリーズしてしまっている俺に、
「ふっふっふ、ヒトの姿ってのもいいものよね。こうして手足を使っていろんなことができる...たとえば、こうやって...」
彼女は急に顔を近づけてくる。
「……!」
そっと両手で俺の頬を包み、じっと目を見つめ……
「キス、してみたり…さ?」
俺の唇を……
「あ、わりぃ、俺、人間のキスには興味ねぇんだわ」
ピタ、と今度はティタノボアがフリーズした。
先ほどまで、挑発的だったその瞳は、理解ができない、といったまん丸な瞳に変わっている。
「え?……は?」
「なんか挑発してるような感じのとこ悪いんだけど、人間の色仕掛け?は俺には通用しない」
「あ…えっと、べ、別に色仕掛けとかそういうんじゃなくて…」
まん丸な彼女の瞳が、逃げ惑う小魚のようにあちらこちらへ泳ぎ始める。
ついでに顔の色も赤くなっていった。
まさかこうもバッサリと返されるとは思っていなかったのだろう。
さっきからこいつの偉そうな態度がちょーっと癪だったんだよな。
だから、立場、逆転させてもらうぜ。
「色仕掛けじゃなかったらなんなんだよ。あれだろ?男ならキスしとけばころっと言いなりになるだろ、みたいな思ってんだろ?」
「だ、だって!人間のオスって、メスの誘惑にはあらがえないんでしょ!?人間界のドラマとか漫画とか、そう書いてあったもん!!ちゃんと勉強したんだもん!」
「どんな先入観だよ!ってか、人間の勉強するのにドラマとか漫画を参考にすんな!あんなの、理想の人間と理想の世界がかかれてるんだから、人間の現実を知るには不適切だ!」
「わかった!お前実はオスじゃないんでしょ!メスなんでしょ!」
「ちっげーよ!れっきとしたオスだ!立派なオスだ!見るか!?俺の立派なオス!」
「ちょ、なにしてんの!見せなくていいから!」
ティタノボアと言い合いながら、ふと、あー、そういえば俺って、人間の女の子に興味を持たずに生きてきたなぁ、と自分の人生を振り返る。
まったく興味がなかったわけじゃない。女の子が苦手、というわけでもない。
それなりに青春はあったし、恋愛はしてきた。
……爬虫類に出会う、25歳までは。
その日を境に、人間に対して恋愛感情を抱くことがなくなってしまった。
爬虫類の可愛さに気づいてしまった俺は……爬虫類しか愛せなくなってしまった。
だがそれでよかった。
一緒に暮らしていた爬虫類たちがいれば、他は何もいらなかったのだから。
「はぁ……私、選ぶ人間間違えたかしら…」
ティタノボアの盛大な溜息に、俺は現実に引き戻される。……いや、ここ現実、なのか?
「なぁ、とりあえずさ、いろいろ説明してほしいんだけど」
「そうね。あなたには重要な役割があるんだから、ちゃんと説明しないとね」
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