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社長の奴隷.39
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経営者として、取り敢えず会社を運営していかなければならない。
だが、自分の気持ちと折り合いをつけないと、そろそろ仕事に支障が出てしまいそうだ。
今日だって、別れ際、危うく藤巻君の部屋に行きたいと言いそうになった。
俺はいったい何をしてるんだ。
寛成は転がっていた空き缶を思い切り蹴飛ばした。
やっと念願の自分の会社を持てたというのに、自分を律することがでなければ、あっという間に会社は傾いて行ってしまうだろう。
今はその瀬戸際なのだ。
だが、人の気持ちはそんな簡単に割り切れるものではないことも分かっている。
いくら押さえつけたって、そこに存在しているものを消し去ることなど出来ないのだから。
自分にとって一番大切なものな何だ。
それはやはり会社だ。
寛成は今一度、初心に戻って自分を律することを心に決めた。
翌日から、寛成は美緒との接触は最小限にし、今まで自分がやっていたことも、できるだけ信楽に任せることにした。
最初は渋っていた信楽も、『じゃあ他の人を探すか』という雰囲気を匂わせれば大抵のことは受け入れてくれた。
商品開発に関しては寛成しかできないため、相変わらず最も濃厚な接触となる。
もはやそれは拷問で、寛成は昼休みに外出した際、トイレで抜かなければならないという、情けない状態に陥っていた。
昼からの写真撮影は完全に信楽に任せた。
そして、その間寛成は外回りの仕事と称して時間を潰していた。
と言っても、一応タブレットを持ち出して何らかの仕事はしていたのだが、オフィスでやるより効率が悪く、残業時間は増えた。
しかし、背に腹は代えられない。
このまま藤巻君と距離を取っていれば、そのうち彼女に対する気持ちも薄れていくかもしれない。
寛成はそんな希望的観測をもって毎日をなんとかやりすごしていた。
しかし、それから二週間ほどたったある日の終業時刻の直前に、藤巻君が急に泣きだしたのだ。
「ど、どうした、藤巻君?なにかあったのか」
「うっ、ううっ・・・。社長・・・、私・・・どうしたらいいんでしょうか」
「僕でよかったら話を聞くよ」
寛成は優しく言ったつもりだったが、美緒は中々その理由を口にしようとしない。
「どうしたの?藤巻君が言えないことなんて、よっぽどのことなんだね。大丈夫?」
寛成はいよいよ心配になる。
何しろ美緒はなんでも開けっ広げで、言わなくてもいい事まで言ってしまうようなタイプなのだ。
その彼女が泣いているだけで言うことができないとなれば、それはその位深刻な内容であると推測される。
「し、信楽君が・・・」
その名前を聞いた瞬間、寛成は大体のことは想像がついた。
「撮影してる時に・・・、急に・・・き、キスしてきて・・・」
「な、何だって!俺もまだしてないのに!!」
「えっ・・・?」
「す、すまない・・・。それで?」
「それから、む、胸を触って来て・・・」
「なに~!俺もまだ触ってないのに!!」
「ええっ・・・?」
「つ、続けてくれ・・・」
「む、無理やり、い、入れようとしてきて・・・」
「俺もまだ入れてないのに~!!」
「しゃ、社長・・・、さっきから、何を・・・」
美緒は泣いていたはずなのに、驚きのあまりいつの間にか涙が止まっていた。
だが、自分の気持ちと折り合いをつけないと、そろそろ仕事に支障が出てしまいそうだ。
今日だって、別れ際、危うく藤巻君の部屋に行きたいと言いそうになった。
俺はいったい何をしてるんだ。
寛成は転がっていた空き缶を思い切り蹴飛ばした。
やっと念願の自分の会社を持てたというのに、自分を律することがでなければ、あっという間に会社は傾いて行ってしまうだろう。
今はその瀬戸際なのだ。
だが、人の気持ちはそんな簡単に割り切れるものではないことも分かっている。
いくら押さえつけたって、そこに存在しているものを消し去ることなど出来ないのだから。
自分にとって一番大切なものな何だ。
それはやはり会社だ。
寛成は今一度、初心に戻って自分を律することを心に決めた。
翌日から、寛成は美緒との接触は最小限にし、今まで自分がやっていたことも、できるだけ信楽に任せることにした。
最初は渋っていた信楽も、『じゃあ他の人を探すか』という雰囲気を匂わせれば大抵のことは受け入れてくれた。
商品開発に関しては寛成しかできないため、相変わらず最も濃厚な接触となる。
もはやそれは拷問で、寛成は昼休みに外出した際、トイレで抜かなければならないという、情けない状態に陥っていた。
昼からの写真撮影は完全に信楽に任せた。
そして、その間寛成は外回りの仕事と称して時間を潰していた。
と言っても、一応タブレットを持ち出して何らかの仕事はしていたのだが、オフィスでやるより効率が悪く、残業時間は増えた。
しかし、背に腹は代えられない。
このまま藤巻君と距離を取っていれば、そのうち彼女に対する気持ちも薄れていくかもしれない。
寛成はそんな希望的観測をもって毎日をなんとかやりすごしていた。
しかし、それから二週間ほどたったある日の終業時刻の直前に、藤巻君が急に泣きだしたのだ。
「ど、どうした、藤巻君?なにかあったのか」
「うっ、ううっ・・・。社長・・・、私・・・どうしたらいいんでしょうか」
「僕でよかったら話を聞くよ」
寛成は優しく言ったつもりだったが、美緒は中々その理由を口にしようとしない。
「どうしたの?藤巻君が言えないことなんて、よっぽどのことなんだね。大丈夫?」
寛成はいよいよ心配になる。
何しろ美緒はなんでも開けっ広げで、言わなくてもいい事まで言ってしまうようなタイプなのだ。
その彼女が泣いているだけで言うことができないとなれば、それはその位深刻な内容であると推測される。
「し、信楽君が・・・」
その名前を聞いた瞬間、寛成は大体のことは想像がついた。
「撮影してる時に・・・、急に・・・き、キスしてきて・・・」
「な、何だって!俺もまだしてないのに!!」
「えっ・・・?」
「す、すまない・・・。それで?」
「それから、む、胸を触って来て・・・」
「なに~!俺もまだ触ってないのに!!」
「ええっ・・・?」
「つ、続けてくれ・・・」
「む、無理やり、い、入れようとしてきて・・・」
「俺もまだ入れてないのに~!!」
「しゃ、社長・・・、さっきから、何を・・・」
美緒は泣いていたはずなのに、驚きのあまりいつの間にか涙が止まっていた。
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