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御曹司のやんごとなき恋愛事情.59
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「やはり、できるだけ早く世代交代をしたいと望んでいらっしゃるんではないでしょうか」
栗本が助け舟を出した。
俊介の秘書になって数カ月、栗本は平日は本社で優子の仕事のサポートをしながらビジネスのイロハを学んでいた。
もはや、栗本は秘書の枠に収まらない堂々たる風格を備えつつあった。
「なんだよそれ・・・。なに弱気になってんだよ」
「いいじゃないですか・・・。かなりご高齢になっても社長の椅子にしがみついている方より、よほど潔いと思いますけど」
「だからって・・・」
まあ、俊介の場合はただ優子と一緒に行けなくなったという、至って幼稚な怒りだ。
だから、それを分かっている栗本にたしなめられては、俊介は黙るしかない。
そんな二人の様子を、優子は少しばかり複雑な思いで見ていた。
自分が望んで栗本を引っ張ってきた。
その予想どおり、いや予想以上に栗本はできる人物だった。
銀座のママをしている時から、ビジネスに関心があったこと、そして外国人の客を相手にするため英会話もマスターしていたこと。
どれもその時点でそこら辺の社員より有望だった。
だが、こうして俊介のそばでますますビジネスマンとしての頭角を現してくる彼女に、俊介が惹かれていくのではないかということまで心配しはじめている。
栗本が秘書になった当初は、俊介の性の相手になる様なことも彼女の仕事として指示したというのに。
それは、あくまで俊介が自分のことを一番に好きでいてくれるということが条件であったことに今更ながらに気づかされる。
そうでなくなったら・・・。
俊介が栗本のことを本気で好きになったら・・・。
自分はいったいどうなってしまうのだろう・・・。
こういうところが、自分はバカだと思う。
自分から俊介を遠ざける様なことをしておいて、いざ本当にそんな気配がしようものなら、不安で・・・、苦しくて・・・、悲しくて・・・、たまらなくなるというのに。
だけど、伊波と別れることも、栗本を俊介から離すことも、もう出来ない。
「え~、すみません、さっきの話にはまだ続きがありまして・・・。二チームとも最後は我が社の海外事業の中でも最大規模のアメリカで合流していただく予定です」
「それを早く言え!」
俊介は期間としては予定より大幅に減ってしまったが、短い間ではあるが、どうにか優子と日本以外の場所で一緒に過ごせることに安堵した。
それがなければやっていけない・・・。
本社での優子は全く俊介を寄せ付けないのだから・・・。
ほんの一週間という付け焼刃の様な準備期間を経て、俊介たちは世界各国の事業所を視察に訪れる。
俊介と栗本はイギリス、ドイツ、イスラエル、中国、そしてアメリカだ。
優子と須藤はスウェーデン、フランス、アフリカ、韓国、そしてアメリカという順だ。
「栗本君、須藤勇樹という男は・・・その、大丈夫なんだろうな」
優子と同行するその須藤という男は入社五年目の二十七歳とまだ若い。
その上、癪に障るくらい見てくれがいい。
「そちらの心配は無用かと思いますが。どんな男性も副社長の様に頭の中が女性のことでいっぱいな訳ではありませんので」
「君ね~。だけどさ、滞在期間中はずっと二人は一緒な訳だろ?そんなの何があるか分からないじゃないか」
「そんな心配をし始めたらキリがありません」
「そうなんだけどさ・・・。やめようと思ってもやめられないんだよな、優子のことになると・・・」
勝手にデレデレしはじめた俊介を見て、栗本はため息をついた。
栗本が助け舟を出した。
俊介の秘書になって数カ月、栗本は平日は本社で優子の仕事のサポートをしながらビジネスのイロハを学んでいた。
もはや、栗本は秘書の枠に収まらない堂々たる風格を備えつつあった。
「なんだよそれ・・・。なに弱気になってんだよ」
「いいじゃないですか・・・。かなりご高齢になっても社長の椅子にしがみついている方より、よほど潔いと思いますけど」
「だからって・・・」
まあ、俊介の場合はただ優子と一緒に行けなくなったという、至って幼稚な怒りだ。
だから、それを分かっている栗本にたしなめられては、俊介は黙るしかない。
そんな二人の様子を、優子は少しばかり複雑な思いで見ていた。
自分が望んで栗本を引っ張ってきた。
その予想どおり、いや予想以上に栗本はできる人物だった。
銀座のママをしている時から、ビジネスに関心があったこと、そして外国人の客を相手にするため英会話もマスターしていたこと。
どれもその時点でそこら辺の社員より有望だった。
だが、こうして俊介のそばでますますビジネスマンとしての頭角を現してくる彼女に、俊介が惹かれていくのではないかということまで心配しはじめている。
栗本が秘書になった当初は、俊介の性の相手になる様なことも彼女の仕事として指示したというのに。
それは、あくまで俊介が自分のことを一番に好きでいてくれるということが条件であったことに今更ながらに気づかされる。
そうでなくなったら・・・。
俊介が栗本のことを本気で好きになったら・・・。
自分はいったいどうなってしまうのだろう・・・。
こういうところが、自分はバカだと思う。
自分から俊介を遠ざける様なことをしておいて、いざ本当にそんな気配がしようものなら、不安で・・・、苦しくて・・・、悲しくて・・・、たまらなくなるというのに。
だけど、伊波と別れることも、栗本を俊介から離すことも、もう出来ない。
「え~、すみません、さっきの話にはまだ続きがありまして・・・。二チームとも最後は我が社の海外事業の中でも最大規模のアメリカで合流していただく予定です」
「それを早く言え!」
俊介は期間としては予定より大幅に減ってしまったが、短い間ではあるが、どうにか優子と日本以外の場所で一緒に過ごせることに安堵した。
それがなければやっていけない・・・。
本社での優子は全く俊介を寄せ付けないのだから・・・。
ほんの一週間という付け焼刃の様な準備期間を経て、俊介たちは世界各国の事業所を視察に訪れる。
俊介と栗本はイギリス、ドイツ、イスラエル、中国、そしてアメリカだ。
優子と須藤はスウェーデン、フランス、アフリカ、韓国、そしてアメリカという順だ。
「栗本君、須藤勇樹という男は・・・その、大丈夫なんだろうな」
優子と同行するその須藤という男は入社五年目の二十七歳とまだ若い。
その上、癪に障るくらい見てくれがいい。
「そちらの心配は無用かと思いますが。どんな男性も副社長の様に頭の中が女性のことでいっぱいな訳ではありませんので」
「君ね~。だけどさ、滞在期間中はずっと二人は一緒な訳だろ?そんなの何があるか分からないじゃないか」
「そんな心配をし始めたらキリがありません」
「そうなんだけどさ・・・。やめようと思ってもやめられないんだよな、優子のことになると・・・」
勝手にデレデレしはじめた俊介を見て、栗本はため息をついた。
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