26 / 39
兄と妹のイケナイ関係.26
しおりを挟む
憂鬱な気持ちのまま家に帰ると、リビングではめずらしく両親と将兄がそろって何やらわいわい盛り上がっている。
みのりが何事かと尋ねる。
「ああ、みのり、すごいのよ~。お母さんこの間、スーパーで申し込んだ高級ホテル1泊&クリスマスディナーにご招待っていうのに当たっちゃって、お父さんと行くことになったのよ~。お父さんいっつも忙しくしてて、今までクリスマスらしいことしてやれなかったから、一緒に行ってくれるって。」
父は、物静かで余り派手な事は好きではない性格だ。
母とのデートも結婚してからは、殆ど出かけたことがなかった。
しかし、子どもたちも大きくなって母親をねぎらう気持ちが生まれたのかもしれない。
いや、捨てられないようにしなければいけないと思ったというのが正解かもしれないが…。
そうなってくると、家には私と将兄二人きりということに自然となってくる。
うっかりすると、すぐに変な想像が湧いてきてしまいそうなので、あわてて理性で現実に引き戻す。
「よかったね、お母さん。楽しんできて。」
そう言うみのりに、
「ごめんね、みのりも将貴も大変な時に、私達だけ楽しんできちゃって。」
母は、少し申し訳なさそうだ。
「何言ってんの、お父さんとお母さんが元気でいてくれるから、私達も勉強に打ち込めるんだから、たまにはゆっくり羽を伸ばしてきてよ。」
「そう?何だかみのりも大人になったわね~。」
お母さんはしみじみそう言うと、うれしそうにソファに腰かけ、おいしそうにお茶を飲んだ。
(こんな夢見たいな事ってあるんだ~。将兄と二人で過ごすクリスマスか~。)
妄想にひたっているみのりの頭を黒木君の言葉がよぎる。
「クリスマスの日もし予定がなければ、僕に時間もらえないかな。」
予定は…、今のところは無い。でも…、クリスマスは将兄と過ごしたい。
お父さんじゃないけど、男性にとってクリスマスなんて多分どうでもいいイベントなんだろう。
でも女の子にとっては、一年で一番のイベントと言ってもいいくらい重要なものだ。
(将兄はどう思ってるのかな~?聞いてみたいけど、無理に付き合わせるのも申し訳ないし…。だけど、このままだと、黒木君と会わなければいけなくなっちゃう。)
万一バレた時のことを考えると、正直に将兄に言った方がいいんだけど…。
クリスマスまであと3週間あるのだ。
将兄が何か言ってくれるまでもう少し待ってみよう。
このところ毎日遅くまで塾通いで、休みの日ももちろん朝から夜までみっちり塾でお勉強。頑張ると決めたみのりも正直かなり将兄禁断症状?が出てきていた。
家で将兄に会うのは夜寝る前と朝食の時間くらいだったけど、夜は眠いのもあるし、将兄の勉強の邪魔になったらいけないと自制しているから、ゆっくり将兄の顔を見れるのはやっぱり朝食の時だけだ。
今朝は起きて部屋から出るとばったりと将兄が出てくるのに出くわした。
「おはよう、みのり。」
「お、おはよう、将兄…。」
未だに恥ずかしがってどうする!と自分に突っ込んでしまうほど慣れない。
そんなみのりをからかうように、将貴は、
「何、おはようのキスしたい?」
そう言うと、本当に軽く口づける。
「なっ、まだお母さんたちいるんだからっ!」
そう言いながらも、みのりの顔はみるみる真っ赤になり、心臓は早鐘のように鳴り始めていた。
今がチャンスだ!そう思ったみのりは、恐る恐る聞いてみる。
「将兄、あのね…、クリスマスなんだけど…、何か予定あるかな?」
「ん?クリスマス?特に予定は無いけど…。何、どこか行きたいの?」
「えっと、どこかっていうか、将兄と一緒にいられたらな~って。」
「家で二人でゆっくり過ごせばいいんじゃない?」
「そっ、そうだよね。家でクリスマスパーティーでいいよね。」
将貴は、女心がイマイチ分らないのか、やはりクリスマスを大して重要に考えていないようだった。
みのりは、まあ予定といえば予定だけど、黒木君に予定があるっていうには弱いな~と、困ってしまったのだった。
翌日の塾の帰り、運悪く黒木君につかまってしまった。
「やあ、今帰り?」
「うっ、うん。」
みのりはなるべく近づかないように適当な距離を取る。
「この間の話、考えてくれたかな?」
(うわ~、やっぱりそうなるよね~。どうしよう、どうやって断ろう。)
「えっと、あの、それは…。」
真面目なみのりは将兄との予定では予定と呼べるほどのものではなくて、黒木君の誘いを断るには十分な理由にならないのではないかと、思いあぐねている。
そんなみのりの様子を見て脈があると感じたのか、黒木君は強く出る。
「特に予定がないなら、少しだけ僕に時間をくれない?」
「えっと、え~っと…。」
(あ~っ、断らなくちゃいけないのに、どうしよう。こまった~。)
「みのりに何か用かな?」
ふいに、背後から聞き覚えのある声が聞こえる。
「しょ、しょうにい!」
(どうして、将兄がここに?)
「こんばんは。お兄さん。」
敵対心丸出しの将貴に対して黒木君はいたって冷静だ。
「用が無いなら、みのりはもう帰らせますから。」
将貴はみのりの腕をつかんで帰ろうとする。
「お兄さん、あわてないでくださいよ。僕はまだ彼女と話があるんですから。」
「そうなのか?みのり。」
将貴の鋭い眼差しに見つめられ、みのりは半泣きになりながらボソッとつぶやく。
「えっと、黒木君にクリスマスのお誘いを…。」
それを聞いた将貴は、黒木君を睨みながら言い放つ。
「クリスマスは、みのりは予定がある。だから誘っても無駄だ。。」
しかし、今日の黒木くんはそれでもひるむことはなかった。
「僕はみのりさんに聞いてるんですよ。お兄さんは少し黙っててもらえませんか?」
将兄はキッと黒木君を睨みつけたが、一応みのりの答えを待つ。
二人のやりとりをオロオロしながら見ていたみのりは急に自分がどうするかを決めなければならなくなってしまって、つい将兄に助けてと目で訴えるのだけど、今度ばかりは自分ではっきり言うしかない雰囲気になってしまった。
「クリスマスは…、予定は…、なっ…。」
「ある!俺とこいつはクリスマスに一緒に出かける予定がある。みのりには言ってなかっただけだ。」
将貴はそう言うと、まだ何か叫んでいる黒木の言うことは無視してみのりの腕をつかみ、家へと連れて帰った。
みのりが何事かと尋ねる。
「ああ、みのり、すごいのよ~。お母さんこの間、スーパーで申し込んだ高級ホテル1泊&クリスマスディナーにご招待っていうのに当たっちゃって、お父さんと行くことになったのよ~。お父さんいっつも忙しくしてて、今までクリスマスらしいことしてやれなかったから、一緒に行ってくれるって。」
父は、物静かで余り派手な事は好きではない性格だ。
母とのデートも結婚してからは、殆ど出かけたことがなかった。
しかし、子どもたちも大きくなって母親をねぎらう気持ちが生まれたのかもしれない。
いや、捨てられないようにしなければいけないと思ったというのが正解かもしれないが…。
そうなってくると、家には私と将兄二人きりということに自然となってくる。
うっかりすると、すぐに変な想像が湧いてきてしまいそうなので、あわてて理性で現実に引き戻す。
「よかったね、お母さん。楽しんできて。」
そう言うみのりに、
「ごめんね、みのりも将貴も大変な時に、私達だけ楽しんできちゃって。」
母は、少し申し訳なさそうだ。
「何言ってんの、お父さんとお母さんが元気でいてくれるから、私達も勉強に打ち込めるんだから、たまにはゆっくり羽を伸ばしてきてよ。」
「そう?何だかみのりも大人になったわね~。」
お母さんはしみじみそう言うと、うれしそうにソファに腰かけ、おいしそうにお茶を飲んだ。
(こんな夢見たいな事ってあるんだ~。将兄と二人で過ごすクリスマスか~。)
妄想にひたっているみのりの頭を黒木君の言葉がよぎる。
「クリスマスの日もし予定がなければ、僕に時間もらえないかな。」
予定は…、今のところは無い。でも…、クリスマスは将兄と過ごしたい。
お父さんじゃないけど、男性にとってクリスマスなんて多分どうでもいいイベントなんだろう。
でも女の子にとっては、一年で一番のイベントと言ってもいいくらい重要なものだ。
(将兄はどう思ってるのかな~?聞いてみたいけど、無理に付き合わせるのも申し訳ないし…。だけど、このままだと、黒木君と会わなければいけなくなっちゃう。)
万一バレた時のことを考えると、正直に将兄に言った方がいいんだけど…。
クリスマスまであと3週間あるのだ。
将兄が何か言ってくれるまでもう少し待ってみよう。
このところ毎日遅くまで塾通いで、休みの日ももちろん朝から夜までみっちり塾でお勉強。頑張ると決めたみのりも正直かなり将兄禁断症状?が出てきていた。
家で将兄に会うのは夜寝る前と朝食の時間くらいだったけど、夜は眠いのもあるし、将兄の勉強の邪魔になったらいけないと自制しているから、ゆっくり将兄の顔を見れるのはやっぱり朝食の時だけだ。
今朝は起きて部屋から出るとばったりと将兄が出てくるのに出くわした。
「おはよう、みのり。」
「お、おはよう、将兄…。」
未だに恥ずかしがってどうする!と自分に突っ込んでしまうほど慣れない。
そんなみのりをからかうように、将貴は、
「何、おはようのキスしたい?」
そう言うと、本当に軽く口づける。
「なっ、まだお母さんたちいるんだからっ!」
そう言いながらも、みのりの顔はみるみる真っ赤になり、心臓は早鐘のように鳴り始めていた。
今がチャンスだ!そう思ったみのりは、恐る恐る聞いてみる。
「将兄、あのね…、クリスマスなんだけど…、何か予定あるかな?」
「ん?クリスマス?特に予定は無いけど…。何、どこか行きたいの?」
「えっと、どこかっていうか、将兄と一緒にいられたらな~って。」
「家で二人でゆっくり過ごせばいいんじゃない?」
「そっ、そうだよね。家でクリスマスパーティーでいいよね。」
将貴は、女心がイマイチ分らないのか、やはりクリスマスを大して重要に考えていないようだった。
みのりは、まあ予定といえば予定だけど、黒木君に予定があるっていうには弱いな~と、困ってしまったのだった。
翌日の塾の帰り、運悪く黒木君につかまってしまった。
「やあ、今帰り?」
「うっ、うん。」
みのりはなるべく近づかないように適当な距離を取る。
「この間の話、考えてくれたかな?」
(うわ~、やっぱりそうなるよね~。どうしよう、どうやって断ろう。)
「えっと、あの、それは…。」
真面目なみのりは将兄との予定では予定と呼べるほどのものではなくて、黒木君の誘いを断るには十分な理由にならないのではないかと、思いあぐねている。
そんなみのりの様子を見て脈があると感じたのか、黒木君は強く出る。
「特に予定がないなら、少しだけ僕に時間をくれない?」
「えっと、え~っと…。」
(あ~っ、断らなくちゃいけないのに、どうしよう。こまった~。)
「みのりに何か用かな?」
ふいに、背後から聞き覚えのある声が聞こえる。
「しょ、しょうにい!」
(どうして、将兄がここに?)
「こんばんは。お兄さん。」
敵対心丸出しの将貴に対して黒木君はいたって冷静だ。
「用が無いなら、みのりはもう帰らせますから。」
将貴はみのりの腕をつかんで帰ろうとする。
「お兄さん、あわてないでくださいよ。僕はまだ彼女と話があるんですから。」
「そうなのか?みのり。」
将貴の鋭い眼差しに見つめられ、みのりは半泣きになりながらボソッとつぶやく。
「えっと、黒木君にクリスマスのお誘いを…。」
それを聞いた将貴は、黒木君を睨みながら言い放つ。
「クリスマスは、みのりは予定がある。だから誘っても無駄だ。。」
しかし、今日の黒木くんはそれでもひるむことはなかった。
「僕はみのりさんに聞いてるんですよ。お兄さんは少し黙っててもらえませんか?」
将兄はキッと黒木君を睨みつけたが、一応みのりの答えを待つ。
二人のやりとりをオロオロしながら見ていたみのりは急に自分がどうするかを決めなければならなくなってしまって、つい将兄に助けてと目で訴えるのだけど、今度ばかりは自分ではっきり言うしかない雰囲気になってしまった。
「クリスマスは…、予定は…、なっ…。」
「ある!俺とこいつはクリスマスに一緒に出かける予定がある。みのりには言ってなかっただけだ。」
将貴はそう言うと、まだ何か叫んでいる黒木の言うことは無視してみのりの腕をつかみ、家へと連れて帰った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる