死ぬ事を考えぬ。

死ぬ事を考えぬ。

死ぬ事ばかり考える。

通勤中も仕事中も帰宅途中も食事中も風呂に入っている時も、四六時中考えている事が当たり前になった。

いつからだろう、たぶん2020年未曾有のパンデミックが起こり、生活様式がガラリと変わった。ニュースでは病に倒れて死んでいった人が世界中に何百万人いると報じ、死が今までより身近な物になった。

その急激な変化について行けず、精神を病んでしまった。精神科の医者が言うには不安神経症と言う病気のようで、読んで字の如く分かり易い病名だ。とにかく不安で不安で不安で仕方がないのだ。

不安になると調子を崩す。今まではまったく平気だった事が突然不安になり、やがて身体がダルくなったり、吐き気がしたり息苦しくなったり胸の部分がズキズキと痛む。

睡眠は薬のおかげで眠る事は出来るが、よく悪夢や嫌な夢を見てうなされ、最悪な気分で朝を迎える事が度々起きる。

薬を飲んでも良くなったり悪くなったりの繰り返し、いつになったら回復するのか全く見通しが立たない。

ここまでくると不安を通り越して絶望してしまう。その絶望の先には死にたいと言う感情しか残されていないのだ。

私にはこの事を親身になって聞いてくれる人がいない、家族も自分達の事で手一杯なのでそれどころではない。自分の事は自分で何とかしなければならない。

今までもピンチはあった、が健康な精神と忍耐力と若さで何とか耐えてきた。でももうそんな年齢でもないし、誰かの救いの手が必要なのだが、残念ながら私の周りに私を気にかけてくれる人はいない。

孤立無縁、骨身に染みる言葉だ。

死ぬと言っても自殺は怖い、他殺はもっと怖い、だから突然不慮の事故で死んでしまうのが一番楽なのかと思う。暴走した車が突っ込んでくる、足を踏み外して高いところから落ちる、鉄骨が落ちてきて潰される。自分が意図しない死に方一番良いと思う。

あっと思ったらもう意識がなく、そのままあの世に旅立つのが一番良い、つまり即死が一番ベストと言う事になる。ずるずると苦しい思いをして死ぬのは嫌だ。

しかし残念ながら人は自分の死に方を選べない、死刑囚なら確実にかつスムーズに死ぬ事ができるのであろうが、犯罪を犯す気は無い。自殺だってすんなり成功するとは限らない。失敗したり未遂に終わったり、最悪なのは第三者を巻き込んでしまう事だ。

死は誰しも確実にやってくるが、誰しも望んだ死に方を得る事はできない。難しい、本当に難しい問題だ。

私は死ぬことばかり考える。

だが本当に死ぬのはいつになるか分からない、1年後か10年後か50年後か、100年後…は無いかな。せめてなるべく苦しまずに死ねる様に神様にお願いして待つとする。

さて寝る時間だ、どうせ深く眠る事はできない、せめて楽しい夢でも見て明日の朝を迎えたい。そんな些細な願いも叶わない事はわかっているけど。

おやすみ。