からくれないに、色づいて【Eternity -エタニティ- シリーズ】

冴月希衣@商業BL販売中

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決意 #2

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「――本当に、ここまででいいのか?」

「うん、大丈夫よ。ありがとう」

 午後、友達と待ち合わせだという初琉を駅まで送った。今日は、短大の授業は無いらしい。

 まぁ、だからこそ俺の弁当を作ってくれて、一緒に食えたわけだが。

「あの、零央?」

「ん? 何だ?」

「……えーとね。その、今日は、帰りは待ってなくてもいいからね?」

「あ? なんで?」

「あのね。今日は、友達のお家の人が車で送ってくれることになってるんよ。だから……」

「そっか……わかった。お前、車の中ではしゃいだりして、よそん家の人に迷惑かけんじゃねぇぞ?」

 何だ。今日は、一緒に帰れねぇのか。

 一気に胸を占めた寂しい気持ちを押し殺し、いつも通り初琉をからかう。

「そんなん、せえへんもん。えーと……そしたら、もう行くね。お勉強、頑張ってね」

 ん? どうした? いつもなら、もっと噛みついてくんのにな。

 おとなしい、というか。元気のない反応に調子が狂う。

「おう。弁当、めちゃ旨かった。ありがとな」

 が、違和感に気づいていても、俺は普段通りにしなくてはいけない気がして。普通に礼を言って、手を挙げる。別れの合図だ。

「うん。行ってきます」

 改札口の向こうに消えていく小さな背中を見えなくなるまで見送った。

 普段とは微妙に違う表情と言動、反応、歯切れの悪さ。弁当を食い終わってから徐々に数を増し始めた違和感にひりつきながらも、どうすることも出来ず。名前をつけられないモヤモヤに苛まれた。

 後で気づく。それは不安と焦燥だったと。

 初琉にとって近しい存在になれた。そう思っていたのに、今一歩、踏み込むことを許さない一線を初琉が俺に対して保っている。

 どう否定してみても、その結論に辿りつく。確信せざるを得ない。

 乗り越えるべき山は、依然、高く険しいのだと思い至ってしまったんだ。


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